
短編小説◤月を見る◢288字
ブランコに乗ったまま、まんまるいお月様に手を伸ばす。
ぎぃぎぃ鎖が擦れる鈍い音と、前後する度零れる眩しい黄色。
「何してるの?」
「お月様をどれだけ隠せるかゲーム。」
「ふうん。」
そうやって興味の無さそうな返事をするくせに、私の真似をする。
親が帰ってくるまで公園で遊ぶ一人の時間は、気づけば突然やって来た男の子と遊ぶ時間になっていた。
「思ったより難しいのな。」
「でしょ?お月様が明るい程楽しくて、大きい程難しいの。」
「じゃあ今日はハードだな。」
「ふふ、なにそれ。」
軽く笑ってしまう私に、少し顔を顰めてから彼も笑い出す。二人分の笑い声が重たい鎖の音に重なって、なんだかもっと楽しかった。
素敵なお題があったので書いてみました。
月明かりってなんだか神秘的に思えて好きなんですよね。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございます!