
18歳のキラキラ
18歳で地元北海道を離れる。
就職して、まだ一週間。
研修のため、静岡県の沼津で寮暮らしをしていた。
仕事が終わると、慣れない土地をひとりで歩いて、すき家で牛丼を買って帰る。
実は、牛丼のすき家を知ったのも、この時が初めてだった。
吉野家は知っていたけれど、すき家は知らなかった。
この日は仕事で怒られて、気持ちが落ち込んでいた。
何か力の出るものが食べたい。
そう思って、すき家に寄り、牛丼を持ち帰った。
そして部屋でひとり、実家から持ってきたラジオウォークマンをつける。
季節やリクエスト音楽のチャンネルに合わせた。
今日は、自分の何が未熟で失敗したのか。
今後はどう対策すればいいのか。
そもそも、自分はこの仕事に合っているのか。
いろいろな不安が押し寄せてくる。
悶々としながら牛丼を食べる。
「もう、実家に帰りたい」
そう思った時だった。
ラジオから、
「今日のリクエスト曲は、小田和正さんの『キラキラ』です」
と、リスナーの声とともに曲が流れてきた。
『キラキラ』は、高校生の頃に聴いていた曲。
就職してから、久しぶりに聴いた。
♪ゆらゆらゆら
心はゆれる
キラキラキラ
時はかがやいてる
そのフレーズを聴いた瞬間、
頬に、一筋の涙が流れた。