
「自閉症だから仕方ない」その言葉が、一番つらい。娘が人を引っかいてしまう母親の葛藤。
ドラマ『南田南弁護士は天才肌』第3話を見ました。
もう、泣いた泣いた。
ドラマの中で、自閉症という診断名によって、その人自身を見てもらえなくなること。
「自閉症だから」という言葉で、できることも、できないことも、行動の理由までも決めつけられてしまうこと。
見ていて胸が苦しくなりました。
なぜなら、私にとって決して他人事ではなかったからです。
私の娘は、人を引っかいてしまうことがあります。
私には娘が2人います。
2人には、自閉スペクトラム症(ASD)とADHDの診断があります。
特に次女は
嫌なことがあったとき。
自分の思い通りにならなかったとき。
気持ちをうまく切り替えられなかったとき。
大声を出したり、特定の先生にくっついて離れなくなったりすることがあります。
そして、話しかけられたり、身体を抑えられたりしたときに、爪で相手を引っかいてしまうことがあるようです。
実際に先生にけがをさせてしまったこともあります。
その話を聞いたとき、もちろん申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
傷つけられた先生が痛い思いをしたこと。
怖い思いをされたかもしれないこと。
その事実を軽く考えたことはありません。
でも、私はずっと考えているんです。
どうして、そこまで手が出てしまったんだろう。
娘がくっついて離れないのは、決まった先生だけ。
学校でも療育でも、娘がくっついて離れなくなる先生は決まっています。
誰にでもそうするわけではありません。
基本的には、娘が心を許している人たちです。
もしかしたら、その先生のそばにいることで安心できているのかもしれません。
嫌なことがあっても、安心できる人のそばなら落ち着ける。
そんな気持ちがあるのかもしれません。
でも、その状態で話をしようとされたり、身体を抑えられたりすると、引っかいてしまうことがある。
私は、そのとき娘の中で何が起きているのかを知りたいんです。
怖かったのかな。
離れたくなかったのかな。
自分を守ろうとしたのかな。
それとも、気持ちがいっぱいになって、自分でもどうしたらいいか分からなくなっていたのかな。
もちろん、どれも私の想像です。
実際の理由は、まだ分からないことも多いんです。
「どうして引っかいたの?」と聞いても、分からない。
娘が落ち着いてから、理由を聞くことがあります。
自分の気持ちを話してくれるときもあります。
でも、「分からない」と答えることも少なくありません。
そんなとき、どう受け止めたらいいのか悩みます。
反省していないのか。
言葉にできないのか。
それとも、本当に自分でも分からないのか。
でも私は、娘の「分からない」を、そこで終わりにしたくないんです。
本人が説明できないなら、周りの大人が一緒に手がかりを探していく。
何がきっかけだったのか。
どんな声かけをしたのか。
どうすれば、手が出る前に気持ちを落ち着けられたのか。
そんなことを一緒に考えていきたい。
「自閉症だから、できなくて当然よね」
この言葉を、私は実際に聞いたことがあります。
きっと、悪気がないこともあるのでしょう。
「無理しなくていい」という意味で言っているのかもしれません。
でも、私はどうしても引っかかってしまうんです。
自閉症だからできない。
自閉症だから仕方ない。
そう決めつけてしまったら、その子に合う方法を探すことまで諦めてしまわないだろうか。
もちろん、特性によって難しいことはあります。
何でも努力すればできるようになる、なんて思っていません。
でも、関わり方や環境を変えることで、できることが増える場合もある。
私は娘たちを育てながら、それを何度も感じてきました。
私自身も「どうしてできないのか」が分からなかった。
実は私自身も、子どもの頃から苦手なことがたくさんありました。
特に計算。
周りの人が当たり前にできることが、私には難しい。
大人になった今でも、仕事中に計算ができず、恥ずかしい思いをすることがあります。
「なんでこんな簡単なのにできないのか分からない」
そう言われたこともあります。
でも、それは私自身が一番知りたいことなんです。
どうしてできないんだろう。
どうしてみんなには簡単なのに、私には難しいんだろう。
自分でも理由が分からないから、説明することもできない。
言い返すこともできませんでした。
そんな経験があるからこそ、娘が「分からない」と言ったとき、簡単に否定したくないのかもしれません。
もちろん、私と娘の困りごとは違います。
それでも、できない理由を自分で説明できない苦しさには、重なる部分があるように感じます。
障害を言い訳にしたいわけじゃない。
娘が人を傷つけてしまったことを、正当化するつもりはありません。
相手の痛みも、怖さも、大切にしたい。
そして娘にも、人を傷つけずに自分の気持ちを伝えられるようになってほしい。
だからこそ、行動の背景を知りたいんです。
何が苦しかったのか。
どうして手が出てしまったのか。
どんな関わり方なら、同じことを繰り返さずに済むのか。
娘だけに変わることを求めるのではなく、周りの環境や関わり方も一緒に考えていきたい。
それは、娘を甘やかすこととは違うと思っています。
診断名を知ることと、その子を理解することは違う。
ドラマ『南田南弁護士は天才肌』第3話を見て、改めて感じました。
自閉症という診断名を知っているだけでは、その人を理解したことにはならない。
同じ診断名でも、得意なことも苦手なことも、感じ方も、困っていることも違います。
娘は、人を引っかいてしまうことがあります。
でも、それだけが娘ではありません。
自分からお友達に謝れたこともあります。
私が用意したお薬のポケットを見て、「何日、何曜日があって分かりやすい、ありがとう」と伝えてくれたこともあります。
そんな娘の優しさも、成長も、私は知っています。
困った行動だけではなく、その子の全部を見てほしい。
そして、傷つけられた人も、困っている本人も、どちらも安心できる方法を探していきたい。
「自閉症だから仕方ない」ではなく、「この子は今、何に困っているんだろう?」
そう考えてくれる人が、一人でも増えたらうれしいです。
できない、じゃなくて。
一緒に「どうしたら」を考えたい。
それが、私が娘たちを育てながら、そしてこの発信を続けながら、大切にしていることです。
同じように、子どもの行動に悩んでいる親御さんはいますか?
周りに理解してもらえず、苦しくなった経験はありますか?
よかったら、みなさんの思いも聞かせてください。
一人で抱え込まずに話せる場所を、少しずつ作っていけたらと思っています。
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