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アナログオーディオフェア 2026

    今年はやけに人が少なかった気が…

    5月30日、31日の両日、秋葉原の損保会館にて「アナログオーディオフェア 2026」が開催されました。

    昨年は入場料500円と無料開催からの転換を図りながらもそこそこ集客できていたということでしたが、今年は開場前の行列こそ出来たもののそれ以降の入場者が伸びない状況だったようです。

    顔見知り等を中心に数カ所で話を伺ったのですが、2階の大部屋で展開していた物販については、ほぼ初日の30日に実績が集中したということです。ウルトラアートレコードのブースでほぼ通して接客されていた、オーディオ評論家の麻倉先生の見立てでは「初日は本気で買うつもりの人が来ていたが、2日目は見学中心で購買意欲はあまり感じられない」という状況だったようです。

    私個人としては、気になっていた出展社を見学しつつ、基本はKS-Remastaブースで手伝いという感じでした。こちらはほぼ例年通りで、試聴するお客さんが途切れない程度に賑わいつつ、他の出展社の方や自社が出展していない業界の方が時々顔を出すという状況でした。イケダサウンドラボズの製造を担当されているアイテイ工業の石山さんご夫妻とも初めてお会いすることが出来ましたし、個人的には有意義でした。

    4,5階の各社ブースは、評論家の方のイベント時間帯やアーティストの登場回などはかなり盛況でしたが、それ以外はというと、正直例年よりは人が少なかったと思います。というか、最初からそれらイベントだけを見るために来場された方も多かったのかも知れません。OTOTEN等のイベントと比べると出展者と来場客の距離が近く、評論家の皆さんとも割合気軽に会話できる部分はありますからね。


    今年はスピーカーの音が低調だったかも?

    DIATONEの技術を継承したTecnologia e Cuoreの試作機は、まだ完成形ではないながらまずまず頑張っていたと思いますが、私が私が聴いた範囲の各社ブースはもう一つしっくり来ない音が多かったように思います。何が原因なのかはわかりませんが、HarbethのHL Compact 7 ES-3 XD2など、本来はもっと実力がありそうに思えた製品からの音が何かパッとしない印象がありました。

    また長岡鉄男式スピーカー等を展示していた502号室は、昨年はオープンリールの音で度肝を抜いてくれた素晴らしい音でしたが、今年は特に初日の方はチャンネルディバイダーの異常だったのかもしれませんが、ツイーター帯域の音が全く出ていない時間帯がありました。さすがのNAGRA T-AUDIOも、高域が殆ど無い状況ではそのポテンシャルを発揮することは出来ません。2日目のKS-Remastaのデモの時には、使用したスピーカーも異なっていましたが、概ね普段通りに鳴っていましたので、どこかに異常があったのだとは思いますが、ちょっと残念でした。そこそこ会場は埋まっていたのですが、誰も疑問を呈さなかったのもちょっと意外です。私が半端に顔見知りでなければ「音がおかしかったよ」くらいの感想は言っていたと思います。

    評論家セミナーについては、空いていれば見たいなと思っていたのですが、来場者の多くはこれだけが目当てだったのかと思うほどそこに集中してしまい、早々に諦めましたのでコメントはありません。以前福田先生が開催された弩級カセットデッキ聴き比べは楽しかったんですけどね…。


    来場者の年齢層が高すぎ問題

    このイベントについて伝えるSNS等の投稿で必ずといって良いほど指摘されているのがこの問題ですね。正直今年は出展者や関係者を除けば平均70歳代なのではないかと思うほどでした。

    別に高齢ユーザーが集まることを悪いというわけではないのですが、この人達がイベントに出向いてこられるほど健康を保てるのはあとどれくらいなんだろうという発想は必要ではないかと思います。このままでは10年後には来場者半減以下でしょう。

    何といっても厳しいのは、比較的幅広い年齢層に通じるブランドが軒並み撤退してしまったことです。かつてはLUXMANやTEAC、audio-technicaやTechnicsといったメジャーブランドがごく普通に出展していたのですが、全て撤退してしまいレコードメインなのにターンテーブルを扱っているブランドがTHORENSを扱うPDNやRegaを展示していた完実電気程度しかありませんでした。カートリッジメーカーすら少数でしたからね。現状では出展内容がニッチに寄りすぎていますので、そもそも集客力が上がるとも思えません。

    撤退した企業も、一部ブランドは担当の方とそこそこ親しいのでお話を伺いましたが、それぞれ言い分があり、それを責めることは出来ません。ただ、イベントそのものの魅力が乏しくて撤退しているのは確かでしょう。上記ブランドもヘッドフォン祭やポタフェスには大体出ていますから、イベントに力があれば撤退はしていなかった筈です。


    フェードアウトも近いかな

    上に書いたように参加者の年齢層もますます上がっていき、メジャーブランドの出展も見込みにくいとなると、やはり先行きは厳しいでしょう。個人制作のブランドが出展できる貴重な機会ではあるのですが、今後再度隆盛する兆候は少なくとも今年の内容で判断する限りは見られませんでした。アナログが盛り上がっているといっても、いきなり本格的な世界に飛び込んでくる人は極めて稀で、一般的にはION AUDIOのようなスピーカー内蔵の安価なプレイヤーを使うか、audio-technica、TEAC辺りの実売2~3万円クラスの単体プレイヤーが入り口となるわけです。幅広い層に働きかけるのであればこれらの存在を無視することは出来ないでしょう。

    30歳以下の無料特典で入場された方がどの程度いらっしゃったのでしょうか。本当に数えるほどだったのではないかと思います。単に入場料をサービスするだけでは何も変わりません。フロアごとにターゲット層を明確に分けるなど、何か根本から変えるべきだと思いますね。あるいはこのまま流れに任せてあと数回で終わりにしてしまうかです。

     
     
    レビューサイト「ZIGSOW」で主にオーディオやPC関連品のレビューを書いています。 noteではレビュー形式とは異なる、ちょっとしたコラム調の文章を書いていこうと思っています。 質問箱( https://note.com/qa/jive9821 )を設置しました。

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