
【中学受験 国語】4・5年生で偏差値50から60へ上げる方法|模試の選択肢・記述で「分かったつもり」の失点をなくす答案の直し方
はじめに 偏差値50の壁は「読めているのに点が取れない」壁です
中学受験の国語で、5年生の模試偏差値が50前後から60に届かない場合、その原因の多くは読解力の不足ではありません。文章の大筋は理解できているのに、設問ごとに本文の根拠を正確に使えていないこと、そして間違えた問題の直し方が「解説を読んで納得する」だけで終わっていることにあります。つまり、偏差値50から60へ上げるために変えるべきなのは、「分かる」を「根拠を使って正確に答えられる」に変える答え方と、同じ失点を繰り返さないための直し方です。
…ということで
中学受験の国語読解を専門に指導している、パワー読解®東京・大阪
今津です。大阪・十三教室で書いています。
この記事は「国語答案診断シリーズ」の第2回です。第1回では、偏差値40から50へ上げるために、本文の情報を頭に残しながら読む力をどう立て直すかをお話ししました。今回は、その次の段階である偏差値50から60への道のりを取り上げます。
偏差値50前後のお子さんをお持ちの保護者の方から、よくこんなお話を伺います。「うちの子は、解説を聞けば分かるんです」「選択肢は二つまでは絞れるのに、いつも最後で外すんです」「記述は何か書いてはいるけれど、部分点しかもらえないんです」。お子さん本人も、国語が苦手だという意識はそれほど強くありません。だからこそ、なぜ点数が上がらないのかが、親子ともに見えにくいのです。
最初にお伝えしておきたいのは、偏差値50は「普通の子」という意味ではないということです。中学受験の模試は、受験勉強をしている子どもたちの集団の中での位置を示すものです。その中央にいるということは、基礎的な学習習慣と読解の土台を、すでにしっかりと持っているということです。
ただし、ここに落とし穴があります。土台があるからこそ、偏差値40台のときと同じ勉強を続けていても、ある程度の点数は取れてしまいます。そして、その「ある程度」のところで、成績が止まってしまうのです。偏差値50から60へ上がるためには、勉強の量ではなく、勉強の質を一段階切り替える必要があります。
偏差値50の答案に共通して起きていること
偏差値50前後のお子さんは、文章を読み終えた後に「どういう話だった?」と聞けば、あらすじや大意をきちんと説明できます。第1回でお話しした偏差値40の課題は、ほぼ越えているのです。ところが、設問に答える段階になると、その理解を正確に答案へ移しきれません。
答案を見ると、選択肢の問題で二つまで絞り込んだあと、最後の比較で負けていることがよくあります。本文に出てきたのと近い言葉が使われている選択肢を選び、その選択肢に含まれている言いすぎや条件の抜けを見落としてしまうのです。記述問題では、必要な要素がひとつ足りなかったり、字数は埋まっているのに焦点がぼやけていたりします。理由を問われているのに結果だけを書いている、心情を問われているのに出来事だけを書いている、という答案もよく見られます。
説明文では、筆者の主張と具体例の関係を整理しきれず、設問で問われている段落の役割を取り違えることがあります。時間配分についても、時間が足りないというより、迷う問題に時間を使いすぎて、後半の大問が崩れてしまうのが特徴です。
そして何より、偏差値50前後の子に最も多いのが、解説を読めば納得するのに、次の模試でまた同じ種類の間違いをしてしまうという現象です。これこそが、偏差値50の壁の正体です。
ここまでお読みになって、「まさにうちの子だ」と感じた方も多いのではないでしょうか。では、なぜ「分かっているのに点が取れない」状態が起きるのか。そして、ご家庭では答案のどこを見て、何を変えればよいのか。ここから先では、偏差値50の子が60へ上がるための具体的な道筋を、選択肢と記述の答案例、間違いの分類の仕方、毎週の直しの進め方まで含めてお伝えします。
「解説を聞けば分かる」と「自力で正解できる」は別の力です
偏差値50前後のお子さんの保護者の方が口にする「解説を聞けば分かるんです」という言葉には、大切なヒントが隠れています。