
フリーキャッシュフローと株価
こんにちは😊
突然ですけど、銀座の土地ってめちゃくちゃ高いですよね。どうしてなのか説明できますか?🤔
富裕層が買い物する土地なので銀座でビジネスをすると高い商品が売れて高い収益が得られますよね。ということは、高いテナント料を払っても採算がとれるので、大家さんはテナント料を高く設定できます。大家さんは「銀座の土地」という資産によって将来にわたって高い収益を期待できるわけです。これが銀座の土地の資産価値が高い理由です🤑
企業もこれと全く同じで、企業の評価額(時価総額=株価)は将来収益の現在の価値と言えます。将来の収益が期待出来れば高いし、期待できないと安くなる。土地と同じですね。これをバリュエーションと呼ぶんですが、コーポレートファイナンスと呼ばれる企業の評価を行う分野では、フリーキャッシュフロー(FCF)を投資家が受け取る収益と考えます。
FCFって何?
フリーキャッシュフローというのは、事業の成果で得られた収益から将来成長に必要な投資を行った後に残るキャッシュフローのことです。フリーになったキャッシュは配当や自社株買いというかたちで投資家が利益として受け取ることができます。銀座のテナント料ですね。
キャッシュフロー(CF)で言うと、営業活動によるCF(本業で稼いだ現金の流れ)から投資活動によるCF(設備投資・M&Aなどへの支出)を引いたものがFCFです。「本業で稼いだ現金-将来への投資に使った現金」と考えてください。企業はこのFCFの中から、借金返済や配当金のような財務活動によるCFを考えます。
キャッシュフローについては、以前、キャッシュフローの解説記事を書いていますので読んでみてくださいね!😉 決算を読むには必要なスキルですよー!
FCFの重要性を理解しよう
小難しい話でスタートしてしまいましたが、FCFは株価を理解するのにはとても重要です。理解しやすいように、銀座の土地をたくさんの人で保有できるように分割したのが株券で、その値段が株価、テナント料として得られる将来の利益がフリーキャッシュフローだと考えても問題ありません。(学問的にはもっと複雑です。興味ある人はコーポレートファイナンスを学んでみてください!)
ではなぜFCFが重要なのでしょうか。理由はいくつもあります🥸
利益と現金は違う
FCFは、営業活動によるキャッシュフローから設備投資のような投資キャッシュフローを差し引いたあとの自由に使える「現金」のことです。会計上の利益ではなく、実際に手元に残る現金の量ですので、FCFの大きさで企業の安全性や健全性を評価することができます。
会計上の純利益は、減価償却費や引当金のような会計処理によって操作されやすいのですが、FCFは実際の現金の流れですから操作はできません。
財務リスクの指標
FCFがプラスになると、企業は配当や自社株買いなどの株主還元、新規事業やM&Aなどの成長投資、借入金返済などに自由に使うことができます。借入金返済能力や事業継続力の指標になりますね。逆にFCFがマイナスになると、資金繰りリスクを抱えることになって借入や増資をしないといけません。突発的な投資や不測の事態に対応しづらくなります。
企業価値評価(バリュエーション)
企業価値(EV)の算定では、一般的にDCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)という方法で将来得られるFCFを推定して現在価値を算出します。銀座の土地の値段ですね。M&Aで企業の買収価格を決めているのはこの方法です。DCF法ではFCFで企業価値=時価総額=株価を決めるんです。よく「理論株価」と呼ばれる株価がありますけど、理論上の企業の価格(=株価)はFCFで計算されるんですね🫨
このうちの3つめ、FCFと株価の関係がこの記事の内容です。
理論的な株価はFCFで計算されるわけですから、FCFが大きい方が良いってことは分かりましたよね。テナント料が高い方が土地も高くなるわけです。
FCFでお宝を探す
少し前にXでこんなポストをしました。
以前のおじさんは長期投資がメイン(今でも気持ちだけは長期なんですけどね・・・)で、長期で大きく上昇する銘柄の選定を試行錯誤してきました。そんな中で100以上のダブルバガーやトリプルバガーを取ってきたわけですけど、銘柄選定では経験的に役に立った指標がいくつかあります😎
3年でダブルやトリプルを取るには年率50%近い利回りが必要で、これを取った数ではおじさんはまあまあ優秀な方ではないかと勝手に思っています🥸 ちなみに中長期で狙う銘柄のことで短期の仕手株みたいなやつじゃないですよ。… https://t.co/0Isv09rWlg pic.twitter.com/wNc5gNgk5a
— 株おじさん (@sunra003gou) October 25, 2025
長期投資は短期・中期と違ってテクニカルな手法はほとんど通用しませんから、政治経済や企業価値のバリュエーションといったファンダメンタル分析が中心になりますよね。
一番効果的だと思う指標は上のポストでも紹介した「EBITDA成長率と非流動資産成長率の比較」です。企業の成長には設備投資や研究開発が必要で、設備投資によって資産が増えていきますから設備投資成長率は資産成長率(特に非流動資産の成長率)で代用できます。ところが、資産が成長するだけでは過剰投資もあり得ますし、必ずしも利益につながるとは限りませんよね。そこで収益力を示すEBITDAの成長率と比較します。これで企業が資産を増やすスピードに対して、収益力が効率的に高められているかが分かります。
中期で「EBITDA成長率 > 非流動資産成長率 > 0」が継続できている銘柄を選ぶと、「事業規模を拡大しつつそれを上回って収益力も成長している」ということになるわけですから、数年も経てばかなりの確率で株価は上がっていきます🤩
もうひとつがこの記事の本題です🥸
「1株あたりのFCF比率を使うとテンバガーが狙える」という話が7、8年前に海外投資家界隈で流行ったことがあります。記憶が定かでないですが、当時は「Quant Investing」のブログが話題になっていた気がします。実はこのサイトでも紹介されているんですけど、今年の9月に英国Birmingham City大学から「マルチバガー株の錬金術:株式市場でのアウトパフォーマンスを生み出す要因に関する実証的調査(おじさん訳)」という論文が発表されまして、米国市場の500株近くを追跡調査した結果が報告されています。この論文の中で「FCF Yield =FCF/時価総額 がバガー株には最も関連がある」という結論が導かれていて、この手法がまた話題になってるんです🥰
これらの手法は銘柄のデータを集めて数値を計算して数年分を比較して・・・といった具合にとても手間はかかるんですけど、しっかりとした統計的な根拠がある手法ですよね。長期をやろうという人にはおすすめです。
TradingViewのようなツールがあればすぐに評価できて手間はかかりません!😍
10倍は難しいと思いますけど、実際にダブルやトリプルの期待値は高い手法なんですよ。おじさんオリジナルの手法ですけど、この手法をどうやって使うのか、紹介したいと思います!😉
※論文は「The Alchemy of Multibagger Stocks: An empirical investigation of factors that drive outperformance in the stock market」という表題でWebで閲覧できます。
FCFを使った銘柄選定
まずはおじさんが(孤独に)推進しているAIを使った統計的データ分析:SQIでも検証してみました。数年単位でトリプルバガー以上になった30銘柄ほどを検証してみましたが、統計的な相関は強いです(残念ですが100%ではありません)。ワクワクしますねー🤩
使う指標はとても簡単。上に出てきた「FCF Yield =FCF/時価総額」というのは、言い換えると「株価に対する、1株あたりのFCF」です。計算式は「1株あたりFCF / 株価比」で、名称は「FCFY: FCF Yeild」です(株価フリーキャッシュフロー倍率の逆数です)。現在の株価に対して1株あたりのFCFがどれくらいの割合なのか、例えば株価1000円の銘柄でFCFYが10%であれば、毎年1株あたり100円のフリーキャッシュを稼いでいることになります。
問題はこの指標の使い方です。
バリュエーションのところで学びましたからFCFYが大きい方が良いことは分かりますよね🤔
ところが、現在のFCFYの値そのものを見ただけでは判断ができません。というのも、この指標は株価に連動しますから、株価が上がり始めるとFCFYの値はどんどん小さくなっていくんです。チャートを使って時系列で見ないといけないということです😣
実際のチャートで見てみましょう。
おじさんの保有株の中で最近シックスバガーを達成したMODECこと三井海洋開発(6269)のチャートです。

FCFY(下のグラフ)が高くなって安定するようになって、しばらくすると株価が大きく上昇を始めています。これがFCFYが高い銘柄の株価が上がる典型的な事例です😉
おじさんの保有株からもう一例示すと、富士フイルムHD(4901)も同じような株価の上昇がわかります。

いずれの例でも、株価が上がり始めると分母が大きくなりますからFCFYは小さくなり始めていることがわかります。
つまり、
株価が上がり始める前にFCFYが大きい
株価上昇時のFCFYは小さくなるので、FCFYが上昇または安定している
というタイミングを選んでFCFYを分析することが大切です🥸
あとはFCFYの数値がどれくらいだと期待できるのか、ということですが、おじさんの経験値では次のように分類できます。
FCFY=20以上 :ほぼ間違いなく上がるのですぐ買うべし
FCFY=15~20 :かなり期待できるので買うべし
FCFY=10~15 :期待できる
FCFY= 5~10 :通常範囲
FCFY= 5以下 :期待できない
但し、FCFYが大きく上昇してきた場合はFCFが大きく改善していることになるので値に関係なく期待できる
上に書いたように、例えばFCFYが20以上でも下降しているときは対象ではないことと、株価が上がる期待が高いといってもすぐに上がるのではなくて、数年単位の長期目線で期待できるという点に注意してください。
それから、株価上昇してもFCFYが下がらなければFCFが非常に強いと読み取ることもできます。
まとめ
FCFのお勉強も兼ねて、FCFYを使った長期銘柄選定を紹介しました。ダブルやトリプルが取れることを保証するわけではないですけど、統計的に裏付けのある一つの手法としては面白いと思います。
ポイントを整理しておきますね😊
FCFYを使う長期銘柄選定では、
・時系列で見る
・株価上昇前にFCFYが大きくなっているタイミング
・FCFYが上昇または安定しているタイミング
・FCFYが10以上の銘柄は長期的な株価上昇が期待できる
・数年単位の長期目線
といった点がポイントになる。
長期銘柄指標の大本命は開発中のREVEなんですけど、まもなく11月の決算発表期が来て検証が最終段階です。こちらも近いうちに状況をお知らせできそうです。
ではまた!😊
おまけ1
記事の中にFCFYのインジケータが登場しましたね。
もちろんおすそ分けしますよ😉
※ 個人で使われる際は自由にコードをいじってください。無断配付・流用・商用利用は厳禁です。
簡易版は無償配布です。今回も期間限定です(無料配布期間が終了後、インジケータ配付ページに移動します)。※ 銘柄によってはデータベースにデータがないため表示できません。
※配付は終了しました。配付ページでは引き続き利用可能です。

お知り合い専用のおじさんと同じスペックのインジケータはこちら。PWは連絡ください! ➡ DLリンク
※ 直近12カ月で計算していて、数値基準でチャートの色が変わります。デフォルトの期間を選べるようになっていますので、表示が出ないときは設定画面で切り換えてみてください。また、グラフを平滑化したいときは移動平均区間を設定してください。
おまけ2
「EBITDA成長率と非流動資産成長率の比較」をできるインジケータ(簡易版)もついでに載せておきます! こんな感じで使います😉

※ 個人で使われる際は自由にコードをいじってください。無断配付・流用・商用利用は厳禁です。
簡易版は無償配布です。これも期間限定です。
簡易版は四半期データを使うので少し粗いです。おじさんスペックは直近12カ月計算をします。お知り合いの方で希望あれば連絡下さい。
※配付は終了しました。(再配付はありません)
