
市場予測指標で市場の動きを考えてみる
こんにちは😊
昨秋からお伝えしているとおり米国株はまだまだ不安定な状況で、金利と為替の影響も見定める必要があってまだ見通しが立てづらいですね。日本株も米市場動向を受けて不安定な状況が続いています😣
こんな不安定な相場では、上昇・下落を予測するスキルは大切です。
今回は、Xのポストで反響いただいた市場予測指標について、知識として身につけていただくために概要をまとめた記事を書いてみます。
大口投資家の動向をウォッチする
個人投資家が市場動向をウォッチするメリットは何ででしょうか。
チャートパターンのお勉強シリーズでも学んだとおり、株式市場のメインプレイヤーは残念ながら皆さんのような個人投資家ではありません。機関投資家と呼ばれる法人投資家や、豊富な資金を持った個人投資家といった大口投資家がメインプレイヤーです😎
大口投資家はビジネスとして投資・投機をしていますから、大きなレバレッジをかけて大規模なマネーゲームをしています。その中で、先物商品やオプションと呼ばれる取引を行っていて、巨額の資金を動かしています。(現在では個人投資家もこれらの市場に参加できるようになっていますが、資金規模は全く異なります。)
この中に、指数先物取引や指数オプション取引と呼ばれている「未来の指数株価を予測する」取引があって、日本株の例では日経平均、TOPIX、JPX日経400といった指数(インデックス)を商品として、これらの指数の未来予想価格で取引が行われています。
つまり、これらの取引の動向を見ることで、大口投資家が近い将来の市場をどう考えているのか、予測することができるわけです😉
米国株の市場予測指標
まずは米国市場における、知っておきたい市場予測指標を紹介します。
大口投資家のマネーの流れを考えると、安全資産(債券・GOLDなど)かリスク資産(株・暗号資産など)か、のようにマネーが動くことが多いので、株にマネーが流入するタイミングでは株市場全体にマネーが入ります。そうすると、各国経済の状況に余程の差が生じていなければ、日本株市場は米国株をはじめとした海外株市場と連動することがほとんどです。
つまり、日本株中心の投資をやっていても世界経済の中心になっている米国の株価をウォッチすることはとても大切です。
おじさんは投資対象のほとんどが日本株ですが、米国株市場を注視している理由はここにあります。(と言っても、米国株をやらないわけではありません。米国株の長期保有はほとんどやりませんが、為替や金利の動向を見てETFを中心に、資金の15%程度を上限にして短期~中期の投資はやっています)。
VIX:恐怖指数
米国株市場の大きな変動を予想する指数として「VIX:恐怖指数」という有名な指標があります😱
VIXはVolatility IndeXの略称のことで、米シカゴオプション取引所(CBOE)が公表している指数です。米国を代表する株価指標の一つ、S&P500のオプション取引のボラティリティ(変動性)を基に算出されていて、投資家(主に大口投資家)が考える今後30日間の価格変動リスクの大きさを示しています。
VIXが上昇すると市場の不安定さが増して米株価下落の可能性が高まってきます。下のチャートを見れば一目瞭然。S&P500が大きな下落をするタイミングでは、必ずと言ってよいほどVIXがおおよそ20を超えているのがわかると思います。特大のVIXになっている2008年はリーマンショック、2020年はコロナショックです。

VIXが高い数値になってくると、市場は暴落を懸念し始めます。これが「恐怖指数」と呼ばれるゆえんです😱
TradingViewでは「VIX」というティッカー名で検索すれば出てきます。
SKEW:ブラックスワン指数
不安定性を示すVIXはボラティリティをベースにした指数なので、「投資家はどれくらいの株価変動を予想しているのか」という評価はできません。
この株価変動の方向性を数値化したのが「SKEW:ブラックスワン指数」という指標で、これも同じくCBOEが公表している指数です。
SKEWは市場の歪み(Skew=スキュー)を数値化したもので、S&P500オプション取引のコール(買う権利)に対するプット(売る権利)の需要の強さを示しています。
つまりSKEWが上昇すると株価下落に備えている人が増えていることを示し(プットオプションは株価下落の保険に使われます)、SKEWが下落すると株価上昇を期待する人が増えていることを示しています。ブラックスワン(Black Swan:黒い白鳥)というのは、金融市場で予期できない出来事が発生して暴落のような大きな衝撃を与えることを指した用語ですが、SKEWはブラックスワンに対する警戒度を示していることからブラックスワン指数とも呼ばれています🦢
下のチャートからわかるように、SKEWは株価の変動に少し先んじて動く傾向があって、SKEWが上昇してくると株価が下落、SKEWが下がり切ると株価が上昇してくることが読み取れます。
TradingViewでは「SKEW」というティッカー名で検索すれば出てきます。

SKEW-VIXスプレッド
VIXとSKEW、それぞれの特徴がありますがこの2つを連携させる「SKEW-VIXスプレッド」という指標があります。VIXとSKEWを同時に評価できるので便利ですね。この指標は非常にシンプルで、「SKEW÷VIX」で求めることができます。(インジケータはおじさんオリジナルです。)

ご覧のとおりS&P500の値動きの上下に一致するだけでなくて、この指標の大きさがマーケットリスクを教えてくれます。
SKEW-VIXスプレッドの値が大きいと「米市場は安定しているように見えるものの実際にはテールリスク(※)が高くて危険な状態」を示していて、逆に値が小さいと「米市場はパニックになっていて、パニックが終わると買い圧力が増す」ことを示しています🥹
※テールリスク:発生する可能性が低いものの巨大損失をもたらすリスク
このSKEW-VIXスプレッドのモメンタムを指標化すると、米株の先行きが別の視点で見えてきて、株価の動きに先んじたアクションを取ることができます。特に名前が付いていないので、おじさんは「SKEW-VIXスプレッドモメンタム」と呼んでいます(そのままです😅笑)。この指標もとてもシンプルで、SKEW-VIXスプレッドのモメンタムを数値化しているだけです。モメンタムを数値化する方法は、MACDやRCIといったいろいろな算出方法がありますので、試してみてください。

おじさんのオリジナル手法では上図の棒グラフのようになります。モメンタムがプラスになれば買い、減速すれば売りです。
図中にも説明がありますが、赤色のバーが出ていれば買い、ピンクに変化したら退避、グレーは売り、緑は打診買いを示しています。
橙色線で退避のタイミングを示していますが、株価が大きな下落をする前に退避できていることがお分かりいただけると思います。便利ですよね😍
(※ インジケータは本文の最後を見てください)
日本株の市場予測指標
続いて日本株の市場予測指標を見ていきます。
日経VI指数:日本版恐怖指数
日経VI指数(日経ボラティリティ指数)は、日経225オプションの価格をもとに算出される「期待ボラティリティ(予想変動率)」を示しています。米国のVIXと同様に、投資家が今後の相場変動をどの程度予測しているかを測る指標として利用されていて、「日本版恐怖指数😱」とも呼ばれています。日本版のVIXと考えて差し支えありません。
日経VI指数は、日本経済新聞社が日経225のオプション価格を基に今後30日間の予想変動率を算出して公表しています。オプション市場では「将来の株価がどの程度変動するか」を織り込んで価格が決まりますので、これを逆算することで市場参加者のボラティリティ予測がわかるという仕組みです。米VIXと全く同じですね。日経VIも20%を超えると市場が不安定化してくる目安になると考えられています。

このチャートから米VIXと同様に、日経平均が大きな下落をするタイミングでは必ずと言ってよいほど日経VIがおおよそ20を超えているのがわかると思います。
日経225プットコールレシオ
こうなってくると日本版SKEWが欲しくなりますよね。
残念🥹。日本版SKEWは公表されているものが無いのです。今年の1月にJPX(日本証券取引所グループ)が日本版SKEWの試算結果と有用性に関するレポートを発表していますので、もしかすると近い将来、JPXの指数として公表されることがあるかもしれません。
では、どうしましょうか。
SKEWはオプション取引のコール(買う権利)に対するプット(売る権利)の需要の強さの比で表される指数でした。ということは、日経平均のオプション取引のコールとプットの需要がわかれば自分で計算できることになりますね!😊
幸いなことに、JPXが先物・オプション取引のデータを公表してくれています。ありがたいですね。これを参照させてもらってデータベース化していけば、SKEWのような数値が計算できます。
具体的には、日経平均を対象にしたオプション取引(ラージとミニがありますが対象はラージ)における毎日のコールとプットの建玉残高をベースにして、「プット残高÷コール残高=プットコールレシオ(P/C Ratio)」と呼ばれる指数を算出します。
考え方はSKEWと同じです(注:厳密にはSKEWとは異なる指標です)。「プットは売り」で「コールは買い」ですから、P/C Ratioがが高くなると市場が近い将来の株価下落を予測していて、P/C Ratioが低くなると市場は上昇を見込んでいる、と考えることができます。P/C Ratioは反転指標として利用している人が多いのですが、長期チャートで見ると相関がよくわかります(下図)。

下の短期チャートは少し分かりづらいのですが、3月はレシオが上昇基調なので日経平均が大きく下げる可能性を懸念している大口投資家が増えてきていることが予測できますね。

日本版SKEW-VIXスプレッドやスプレッドモメンタムを示すインジケータを作りたいのですが、残念なことにTradingViewでは日本のオプション取引のデータが提供されていないので、誰でも使えるインジケータにすることができません。期待させてしまったら申し訳ないです。いつか作れたらいいなと思います😭 今は日経VIとP/C Ratioを見て総合的に判断していくのが現実的な手法です。
PCR-VIスプレッド(追記しました 2025.4.4)
やっぱり日本版SKEW-VIXスプレッドやスプレッドモメンタムを示す指標があった方が日本株の動きが読めて便利だなと思ったので、TradingViewでは無理ですけどExcelで作ってみました😉 オプションデータはJPXからもらってExcelで計算しています。
日経225オプションのPCR-VIスプレッドモメンタムはP/C RatioをVIで割ってスプレッドを算出して、スプレッドのモメンタムを数値化します。予想通り、S&P500のSKEW-VIXスプレッドモメンタムと同じように活用できそうです!
下の図を見てください。2025.3.24から退避シグナルが出ていますね・・・。そのあとはご存知の超速下落です😭
日経225オプションやTOPIXオプションのPCR-VIスプレッドモメンタムは、Excelが使えれば誰でも簡単に計算できます。使える指標ですのでぜひ試してみてください。
※ 毎日更新があるのでExcelファイルの配付はしませんが、たまにXでポストしたいと思います。
[作り方]
1. 上に書いたJPXのページから日経225オプションの日次データを取得(まとまったデータが無いので毎日拾わないといけません・・・🥹)
2. 同じく日経VIの日次データをどこからか拾ってきます(TradingView使ってる人はすぐに取得できます)
3. Excelで表にして、プットコールレシオ、PCR-VIスプレッドを計算します
4. PCR-VIスプレッドのモメンタムを計算してグラフにします(モメンタムの計算の仕方に決まりはありません!)

まとめ
大口投資家の動向から市場予測する指標を紹介しました。
大口投資家が近い将来の市場をどう考えているのかを予測することができれば、ここまで学んできたフジコ投資法やチャートパターンの活用はさらに強力なツールになります。というのも、いずれの手法も大口投資家の動きを掴む手法でしたよね😉
ファンダ分析とチャート分析の両輪で、億万長者になりましょう🤩
ではまた!😊
おまけ
SKEW-VIXスプレッドとSKEW-VIXスプレッドモメンタムを示すインジケータをおすそ分けします😊
完全版:SKEW-VIXスプレッド・SKEW-VIXスプレッドモメンタム
➡ 下記リンクで配付(PW付)
リンク:SKEW-VIXインジケータの配付
簡易版:SKEW-VIXスプレッド(配布期間:2025.4.4まで)
※配付は終了しました。インジケータ配付ページでDLできます。

※
いつもと同じで完全版はお知り合い限定でPW付配付にします🥸 相互フォローの方はいつでもどうぞ!
リンク先のzipファイルをパスワードで解凍してください。テキストファイルのみでウィルスは心配無用です。パスワードはXのDMで問合せしてください。(お返事できない方、申し訳ありません)
これまで記事を読んで下さっている方に向けた配布ですので、このインジケータを入手するだけが目的の方はご遠慮くださいますようお願いします。
おまけ2
月次のP/C Ratioのデータファイルをサービスで差し上げます。2015年からのデータが入ったCSVファイルです。
日次のデータはとても有用なデータなのでご自分で作ってみることをおすすめします。かなり苦労すると思うので、くじけてしまったときに限りご連絡ください😊笑 クレクレマンはスルーです!
※ 配布は終了しました。(再配付はありません)
