メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bytomekantyou1

サンアントニオ交響楽団の終焉 オーケストラが消える時

    サンアントニオ交響楽団。

    アメリカ・テキサス州の大都市を拠点とするこのオーケストラは、1939年に設立され、芸術的にも高い評価を得てきた。

    日本のwikipediaでは、現在も存続しているように立項されている(4月11日時点)。


    しかし、このオーケストラはもう存在しない。

    英語版のwikipedeiaで、その「終焉 demise」の経緯が記されている。


    公式には、サンアントニオ交響楽団(San Antonio Symphony)は、昨年の時点で消滅した。


    現在は、元楽団員たちが「サンアントニオ・フィルハーモニック(San Antonio Philharmonic)」として活動を始めている。


    消滅の原因は、もちろん資金ショートである。


    *


    余談だが。

    私は、この楽団消滅の記事を3月30日に読んで、3月31日にnoteにアップしようとしたのだが、いったん取りやめた。

    なぜなら、偶然だが、3月31日は、「オーケストラの日」だと気づいたからだ。

    もっとも、日本だけの記念日である。「み(3)み(3)にいい(1)」という語呂合わせらしい。

    それにしても、オーケストラの日に、オーケストラの破綻の話をするのは、嫌味な行為ではないか。まあ、誰も読んでないとしても。だから延期した。


    *


    今年の2月には、ウィーン放送交響楽団(Radiosymphonieorchester Wien)が存亡の危機に陥り、首席指揮者のマリン・オールソップがツイッターで支援を呼びかけていた。

    Please sign and share: https://t.co/FirM6KlMRK pic.twitter.com/8ikTPULHXz

    — Marin Alsop (@marinalsop) February 24, 2023


    #MarinAlsop さんが首席指揮者を務めるウィーン放送交響楽団(RSO)は、54年の歴史を持ち、音楽都市として世界的に認められているウィーンを代表するものですが、オーストリア国営放送局の経費削減により存続の危機に陥っています!
    救済のための署名とシェアをお願いします。

    — hmktkn (@brunch_brunch) February 24, 2023


    *


    現在、全土でデモが吹き荒れているフランスでも、4月7日、フランス放送フィル(Orchestre Philharmonique de Radio France)がストライキを決行した。


    それについて、山根悟郎氏が論評していた。


    *


    クラシック界がパンデミックで追い詰められたのは間違いないが、オーケストラは、そのはるか以前から、どこの国でも安泰ではない。

    上のサンアントニオ交響楽団の記事にも書かれているが、コンサート収入だけで運営できているオーケストラは、たぶん1つもない。ほとんどは寄付と援助金で何とかやっている状態だ。

    日本でも、「レコード芸術」の休刊に象徴されるように、クラシック音楽やコンサート興行の行く末は明るくない。


    オーケストラは、たぶん、滅びつつある文化の1つだ。

    アマチュアとしては続くだろうが、プロ団体が存続できるかどうかは危うい。

    そして、オーケストラは、プロの音楽家を集めれば、いつでもすぐ成り立つわけではない。いったん演奏の伝統が途絶えれば、再生は難しい。

    それが存続できるかどうかは、ここ数年にかかっているような気がする。

    政府の少子化対策といい勝負の、細い可能性しかないとしても、今、何もしないわけにはいかないのではないか。

    どうすべきか。

    私にもアイデアはあり、いずれこのnoteで書きたい(が、大したものではないです)。

     
     
    会社を定年退職し、神奈川県は柿生の里に隠棲する。新聞社、出版社に勤め、記者や編集者をやっていた。独身、孤独を愛する。老人であることを自覚し、記憶力もあやしくなりつつあるので、ここに書き残したいことを書き残しておく。世間から引退したので、社交は望みません。

    あなたへのおすすめ