メインコンテンツへスキップ

最初のヤクザ

    YouTubeで無料公開中の「花と竜」のことを書いたからでしょう。


    YouTubeのAIが、次に、同じ北九州市・若松を舞台にした映画「日本大侠客」を勧めてきました。

    でも、違法物だったらしく、すぐ消えたw


    画像
    「日本大侠客」(1966)


    「日本大侠客」は、鶴田浩二が、若松の大親分「吉田磯吉」の若き日を演じた映画です。

    ヤクザと言われますが、吉田磯吉は、若松の発展に尽くしたとして、若松の高塔山に銅像になって立っているような人物。

    この「大侠客」も、その偉人を描くというので、当時の若松の商店会とか、婦人会とかの全面協力で作られています。

    藤純子や近衛十四郎が共演している、面白い映画です。


    吉田磯吉は、「近代ヤクザの祖」とも言われます。


    吉田磯吉と、「花と竜」の玉井金五郎は、若松の顔役の先輩・後輩であり、かつ政治的には対立し合う関係でした。

    石原裕次郎が金五郎を演じた1962年の「花と竜」では、芦田伸介が吉田磯吉を演じていました。


    画像
    「花と竜」(1962)で吉田磯吉を演じる芦田伸介
    画像
    石原裕次郎演じる金五郎(手前)に、磯吉が貫禄を見せつけるシーン


    中村錦之助が金五郎を演じた1965年版「花と竜」では、月形龍之介が吉田磯吉を演じました。

    高倉健が金五郎を演じた1969年版「花と竜」では、若山富三郎が吉田を演じました(ただし役名は吉田機青)。

    画像
    高倉健が「玉井金五郎」を演じた「日本侠客伝 花と竜」(1969)


    九州北部における、吉田家、玉井家、そして政界フィクサーの杉山家の関係は、大変興味深く、しばしば研究の対象になっています。


    画像
    毎日新聞 2023/2/17福岡地方版「特別展「玉井家・吉田家・杉山家」」より



    私も、火野葦平研究の延長で、このあたりを勉強しなければならないと思っています。


    いずれにせよ、若松や小倉など、北九州は昔から荒っぽい人気(じんき)で知られます。

    若松には「近代ヤクザの祖」吉田磯吉の銅像が立ち、小倉には、やはり博徒の「無法松」松五郎の碑があります。

    博徒の銅像や碑がある自治体は、他にあんまりないでしょう。


    そういう風土から、工藤会のような凶暴な暴力団も生まれてきたわけで、元北部九州人としては、申し訳ない気がします。

    でも、吉田磯吉とか、玉井金五郎とかは、そういう暴力団ではなく、いわゆる侠客、正義の「親分」でして、一緒にしてほしくない、とも思います。


    今、ヤクザは、日本から排除されつつありますが、北九州の歴史に残る、その最良の文化だけを保存できないものでしょうか。



    <参考>


     
     
    会社を定年退職し、神奈川県は柿生の里に隠棲する。新聞社、出版社に勤め、記者や編集者をやっていた。独身、孤独を愛する。老人であることを自覚し、記憶力もあやしくなりつつあるので、ここに書き残したいことを書き残しておく。世間から引退したので、社交は望みません。

    あなたへのおすすめ