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オリジナル短編小説『携帯鳴らし屋~届かなかった声、届いた言葉』

    ​大学の夏休み。

    お金は欲しいけれど、きついアルバイトをするのは面倒くさい。

    そんな安易な動機から、辰巳は男友達の篤人、昌平と3人で『携帯鳴らし屋』という代行サービスを立ち上げた。

    ​サービス内容は多岐にわたる。

    モーニングコールをしてほしい女性。

    寝落ちするまで電話を繋いでいてほしい人。

    彼氏のフリをしてほしい人。

    親に対して上司のフリをして電話してほしい人。

    飲み会の途中、自然に帰れるように鬼電をかけてほしい人。

    ​需要は意外なほど沢山あった。

    3人でシェアハウスしているアパートにいながら、スマホ一台で仕事になる。

    「人生、楽勝モードだな」と、辰巳はスマホの決済アプリに貯まっていく残高を見て、すっかり余裕ぶっていた。

    ​そんな浮ついた気持ちのまま迎えた、ある日の朝。

    辰巳は常連客の鳴海という女性にモーニングコールをかけた。

    コール音が長く続く。

    あれ、出ないな……と思った矢先、ようやく電話が繋がった。

    ​「鳴海ちゃん? おはよー! 起きれそう? おーい、鳴海ちゃーん」

    「……もしもし。お前、誰?」

    返ってきたのは、見知らぬ男の低い声だった。

    「あーー、すみません! 間違えました」

    ​辰巳は慌てて通話を切った。

    番号を確認したが、間違いなく鳴海のものだ。

    しかし、スケジュール帳を見直してハッとした。

    火曜日は彼女へ電話をかけなくていい日だったのだ。

    完全に自分の確認ミスだった。

     
     
    吃音があり、兄はひきこもりでかなり苦労した学生時代。それでも大好きなサッカーと音楽に助けられて生きてきた。子供が発達障害で、脳みそフル回転でどうやったら楽しく生きていけるか試行錯誤中。ハンデを背負っても笑って過ごせる。友達や恋人や家族の支えで乗り越えられる。笑顔の明日を!

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