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恋文

    若い頃の私は、今からは想像もつかないほど、高温で高圧で、暑苦しい存在だった。
    密度が濃すぎて、光すら真っすぐに飛べなかった。
    私は、電磁気力と戯れ、至る所で、若気の至りを産んだ。

    そんな私も、昭和の枯れすすきとなった。
    髪は流星として流れ去り、体は、やせ衰えて冷えた。
    ときどき女を捕まえたヒッグス場も、もはや、ハエ取り紙の如し。

    そんな時、君と云う、ごくごく弱い力に触れた。
    私は、か弱さを見出し、優しき風に震えた。
    君の本体を、必死に探した。

    しかし、君はあまりに静かで、まるで本体は高次元にあるかのように、捉えがたい。
    それなのに、君から染み出し、漏れ出す波は、何処に居ても、私に作用する。
    君が、どれほど遠くにあり、姿は見えずとも、君は私の心を曲げる。

    嗚呼、私は、貴女という穴に落ちた。
    禿げた長兄は、それを『井戸』と云い、時に『イデ』と訛った。
    私のイデアは、貴女という井戸に落ちた。

    私は、今も心を貴女に捕らえられたまま。
    私は、未だ可能性の獣に過ぎない。
    今朝も、オールトの雲間に漂う。

    貴女は、愛であり、慈悲であり、夢であり、
    私は、貴女を重力と呼ぼう。
    君を愛している。

     
     
    20代をゲームライターとして過ごし、30代を端末コレクターとして生き、40代で中年の危機を迎え、50代でコレクションを処分しました。タダの廃人ですw コンシューマー向けもギャルゲもエロゲも書きました。 コレクターとして、およそ250台のPC、250台のスマホを持ってました。

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