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完全保存版】ヘンダーソン③「身体の老廃物を排泄する」を完全攻略

【完全保存版】ヘンダーソン③「身体の老廃物を排泄する」を完全攻略

「何日出ていない?」だけで便秘を見ていませんか?|高齢患者の排泄から学ぶアセスメント・看護問題・OP・TP・EP

ヘンダーソン14の基本的欲求を、1項目ずつ看護過程まで落とし込むシリーズ。

第3回は、

「身体の老廃物を排泄する」

です。

排泄のアセスメントというと、

「最終排便はいつですか?」

「便は出ていますか?」

「尿は何回出ていますか?」

ここで終わってしまうことがあります。

でも、

排泄は「出た・出ていない」だけではありません。

便の性状。

排便回数。

排尿。

食事。

水分。

活動量。

腹部症状。

薬剤。

排泄姿勢。

トイレ環境。

認知機能。

羞恥心。

その人の排泄習慣。

全部つながっています。

そして排泄は、

人間の生活の中でも非常にプライベートな行為です。

だからこそ、

身体機能だけでなく、その人らしさや尊厳まで見る。

今回は高齢患者の便秘を中心に、

情報収集
→アセスメント
→充足・未充足
→看護問題
→目標
→OP・TP・EP
→評価

まで一本につなげます。


1.「身体の老廃物を排泄する」とは何か

排泄と聞くと、

便と尿を思い浮かべると思います。

もちろん、それで間違いではありません。

しかし看護として考えるなら、

単純に、

「便が出た」
「尿が出た」

だけでは足りません。

重要なのは、

その人にとって適切な方法・頻度・状態で、苦痛なく排泄できているか。

です。

例えば、

毎日便が出ていても、

強くいきまないと出ない。

硬便。

残便感が強い。

排便時に痛みがある。

下剤を過剰に使用しないと出ない。

このような状態なら、

単純に「毎日出ているから問題なし」とは言えません。

逆に、

2日に1回でも、

本人にとってそれが通常の排便習慣であり、

苦痛なく排泄でき、

便性状にも問題がないのであれば、

必ずしも異常とは限りません。


2.排泄は「回数」だけで判断しない

ここは最初に押さえておきたいところです。

例えば、

「3日排便がない」

という情報があります。

学生の頃なら、

すぐ、

便秘。

と書きたくなるかもしれません。

でも一度止まる。

普段は毎日出る人なのか。

もともと3日に1回なのか。

便意はあるのか。

腹部膨満は?

腹痛は?

食事量は?

水分は?

活動量は?

薬は?

排便場所は?

こうした情報が必要です。

つまり、

「何日出ていないか」ではなく、「その人の通常と比べてどうなのか」を見る。

これが大切です。


3.今回の事例

86歳女性。

大腿骨骨折術後。

入院前は自宅で生活しており、

ほぼ毎朝、朝食後に排便していた。

現在は術後6日目。

離床は進んでいるものの、

移動には歩行器と見守りが必要。

排便は3日間みられていない。

本人から、

「お腹が張る感じがする」

との訴えあり。

食事摂取量は5〜6割。

水分摂取量は約700mL/日。

腹部はやや膨満。

腸蠕動音は聴取できる。

悪心・嘔吐なし。

鎮痛薬を使用中。

本人は、

「人を呼んでトイレに行くのが申し訳ない」

と話しており、

便意があっても我慢することがある。


4.この事例で「便秘」だけを見ると失敗する

この患者さんの情報を、

「3日間排便なし」

だけで考えると、

看護計画は、

水分摂取を促す。

排便を促す。

だけになりがちです。

でも、

よく見ると原因候補がたくさんあります。

入院前より活動量が低下している。

食事摂取量が低下している。

水分摂取量が少ない。

鎮痛薬を使用している。

排泄環境が変わっている。

介助を頼むことへの遠慮がある。

便意を我慢している。

つまり、

原因は一つとは限らない。


5.K式|排泄は6方向から見る

僕なら、

排泄の情報を大きく6方向から整理します。

①何が、どのくらい出ているか

②どんな状態で出ているか

③自分で排泄できるか

④排泄に必要な条件が整っているか

⑤排泄を妨げているものは何か

⑥本人は排泄をどう感じているか

この6つです。


6.①何が、どのくらい出ているか

まず基本。

便なら、

排便回数。

最終排便日。

排便量。

排便時間。

本人の通常の排便習慣。

尿なら、

排尿回数。

尿量。

夜間排尿。

失禁。

残尿感。

などを見ます。

ここで重要なのは、

「普段との比較」

です。

今回の患者さんは、

入院前、

ほぼ毎朝排便していました。

現在は3日間排便なし。

つまり、

明らかに普段の排便パターンから変化しています。

この情報は重要です。


7.②どんな便なのかを見る

便秘のアセスメントでは、

回数だけでなく、

便の性状

を見る必要があります。

硬い。

兎糞状。

軟らかい。

水様。

細い。

黒い。

血液が付着している。

粘液がある。

大量。

少量。

こうした情報があります。

「排便あり」

という記録だけでは、

十分な情報にならないことがあります。


8.便の形から考える

便の性状は、

腸管内にどれくらい留まっていたのか、

水分がどの程度吸収されたのか、

などを考える手がかりになります。

例えば、

非常に硬い便。

コロコロした便。

排便時に強いいきみが必要。

こうした情報があれば、

水分不足や腸管内での便の停滞なども考えます。

看護師は、

「出たかどうか」ではなく、「どう出たか」を見る。


9.③排泄動作ができるか

ここを忘れてはいけません。

排便機能に問題がなくても、

トイレまで行けなければ、

その人は十分に排泄できません。

例えば、

立ち上がれるか。

歩けるか。

ズボンを下ろせるか。

便座へ移乗できるか。

座位を保持できるか。

排泄後に清潔を保てるか。

ナースコールを押せるか。

今回の患者さんは、

術後で移動に見守りが必要です。

つまり、

排泄そのものだけでなく、排泄行動にも制限があります。


10.「便意を我慢する」という重要な情報

今回、

患者さんは、

「人を呼ぶのが申し訳ない」

と話しています。

これは非常に重要です。

身体的には便意があっても、

心理的な理由から排泄行動を控えている。

つまり、

排泄の未充足は、

身体機能だけの問題ではありません。

本人の遠慮。

羞恥心。

職員への気遣い。

これらが、

排泄を妨げることがあります。

だから、

「便が出ない人」ではなく、

「なぜトイレへ行けないのか」

まで考えます。


11.④排泄に必要な条件は整っているか

正常な排便には、

さまざまな条件が関係します。

食事。

水分。

活動。

排便姿勢。

排便時間。

腸の動き。

プライバシー。

環境。

今回なら、

入院前より食事摂取量が低下。

水分量も少ない。

活動量も低下。

トイレへ行くには人を呼ぶ必要がある。

ここまで条件が変わっています。

当然、

排便習慣にも影響する可能性があります。


12.食事と便秘

食事摂取量が低下すれば、

便の材料自体が少なくなります。

食物繊維の摂取量も変化する可能性があります。

つまり、

「便秘だから食物繊維」

と単純に考えるのではなく、

そもそもどれくらい食べられているのか

を見る必要があります。

第2回の「適切に飲食する」と、

今回の「排泄」は、

しっかりつながっています。


13.水分と便秘

水分摂取量も重要です。

水分摂取量が不足すると、

便が硬くなる一因になります。

ただし、

ここでも、

「便秘だから水を飲ませればいい」

ではありません。

心不全。

腎機能。

嚥下状態。

医師からの水分制限。

こうした背景がないか確認する必要があります。

看護は、

一つの症状だけを見て援助を決めない。


14.活動量を見る

今回の患者さんは、

大腿骨骨折術後。

入院前より活動量は低下しています。

歩行。

離床。

身体活動。

こうしたものが減れば、

腸の動きにも影響することがあります。

さらに、

動くと痛い。

転倒が怖い。

トイレへ行くのが大変。

という状況なら、

便意があっても我慢する可能性があります。

ここで、

疼痛・活動・排泄

がつながります。


15.⑤薬剤を見る

 
 
36歳|看護師・管理職|ケアマネ資格保有 1介護職7年、看護師9年、看護主任5年、課長4年を経験。 現在は管理職として、現場・職員指導・チーム運営に携わっています。 現場経験をもとに発信しています。 Amazonのアソシエイトとして、Kは適格販売により収入を得ています。

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