
介護支援専門員に読んでほしい。『ケアマネ実務120のポイント』という、迷った時に戻れる一冊
介護支援専門員に読んでほしい。『ケアマネ実務120のポイント』という、迷った時に戻れる一冊
こんなケアマネさんにおすすめです
今回紹介したい本は、
こんな方におすすめです。
ケアマネになったばかりで、何を見ればいいか迷う
アセスメントに自信がない
ケアプランが毎回似た内容になってしまう
本人の「真のニーズ」をどう捉えるか悩む
サービス担当者会議が報告会になってしまう
モニタリングで何を確認すればいいか迷う
記録やケアプランを書くことが目的になっている気がする
利用者・家族・事業所の間で板挟みになることが多い
一度、ケアマネジメントの基本に戻りたい
一つでも当てはまるなら、
手元に置いておいて損はないと思う一冊があります。
『ケアマネ実務120のポイント』。
この本は、
ケアマネジャーの仕事を、
インテークからアセスメント、
ケアプラン、
サービス担当者会議、
モニタリング、
そして終結まで、
ケアマネジメントの流れに沿って整理しています。
「ケアマネって、結局何を見ればいいんだろう?」
と迷った時に、
基本へ戻るための一冊です。
ケアマネの仕事は、正解が見えにくい
介護支援専門員の仕事って、
独特だと思います。
例えば、
血圧なら数字があります。
薬なら用量があります。
介護技術なら、
ある程度手順があります。
でも、
ケアマネジメントは、
そう簡単ではありません。
同じ要介護度。
同じ疾患。
同じ年齢。
それでも、
必要なケアプランは違います。
本人が何を望んでいるのか。
家族はどう考えているのか。
生活歴。
身体状態。
認知機能。
経済状況。
住環境。
家族関係。
地域とのつながり。
全部違うからです。
だから、
経験を積んでも、
「このプランで本当にいいのかな」
と思うことがあります。
むしろ、
真剣に考える人ほど、
迷う仕事なのかもしれません。
サービスを入れることが、ケアマネジメントではない
ケアマネをしていると、
つい、
サービスから考えてしまうことがあります。
「デイサービスを週2回」
「訪問介護を入れよう」
「福祉用具をレンタルしよう」
もちろん、
必要なサービスを調整することは重要です。
でも、
本来の順番は逆です。
まず、
この人は、どんな生活を送りたいのか。
そして、
その生活を難しくしているものは何なのか。
本人ができることは何か。
家族ができることは何か。
地域で使えるものはないか。
それを考えた先に、
必要なサービスがあります。
サービスありきで考えてしまうと、
ケアプランが、
ただの
「介護サービス予定表」
になってしまいます。
ケアマネの仕事は、
サービスを並べることではありません。
生活を組み立てること。
ここを忘れないようにしたいと思います。
アセスメントは「情報収集」ではない
ケアマネ業務で、
かなり重要なのがアセスメントです。
でも、
情報をたくさん集めれば、
良いアセスメントになるわけではありません。
病名。
ADL。
認知症の程度。
家族構成。
住環境。
既往歴。
服薬。
経済状況。
もちろん全部必要です。
でも、
大事なのは、
集めた情報から、
「だから、この人は今何に困っているのか」
を考えることです。
例えば、
「歩行不安定」
という情報がある。
そこで終わるのではなく、
歩行が不安定だから、
買い物へ行けなくなった。
買い物へ行けないから、
人と会う機会が減った。
人と会わなくなって、
活動量も落ちてきた。
こうやって、
情報同士をつなげていく。
そこから、
本当に支援すべき課題が見えてきます。
「できないこと」だけを見ると、ケアプランは暗くなる
高齢者支援では、
どうしても、
できないことに目が向きます。
歩けない。
入浴できない。
料理ができない。
薬の管理が難しい。
認知症がある。
でも、
できないことだけを並べると、
その人は、
「支援されるだけの人」
になってしまいます。
実際には、
まだできることもあります。
自分で食べられる。
昔の話ならよく覚えている。
庭仕事が好き。
近所の人と話せる。
洗濯物なら畳める。
孫のことなら何時間でも話せる。
こういうものも、
立派なアセスメント情報です。
ケアマネが見るのは、
課題だけではなく、強み。
できないところをサービスで埋めるだけではなく、
できることを、
どう残していくか。
その視点がないと、
支援すればするほど、
本人のできることを奪ってしまう可能性があります。
「本人の希望」を聞くだけでも足りない
ケアマネジメントでは、
本人の意向を尊重することが大切です。
ただ、
「どうしたいですか?」
と聞くだけでは、
なかなか答えが出ない人もいます。
「別にない」
「家にいたい」
「今のままでいい」
それだけで終わることもあります。
だから、
もう少し掘る。
家にいたい。
では、
家で何をしていたいのか。
テレビを見たいのか。
家族と食事をしたいのか。
庭を眺めたいのか。
仏壇を守りたいのか。
近所の友人と話したいのか。
同じ「家にいたい」でも、
意味は全然違います。
ここまで分かると、
必要な支援も変わってきます。
家族の希望と、本人の希望が違う時
ケアマネをしていると、
これはかなり難しいところです。
本人は、
「家で暮らしたい」。
でも家族は、
「もう施設に入ってほしい」。
本人は、
「デイサービスには行きたくない」。
家族は、
「昼間一人にできないから行ってほしい」。
どちらが正しい、
という単純な話ではありません。
本人には本人の生活があります。
でも、
家族にも家族の生活があります。
だからケアマネは、
どちらかの味方になるのではなく、
両方の事情を整理する役割
があると思います。
本人は何を大切にしているのか。
家族は何に困っているのか。
どこまでなら続けられるのか。
何が一番の不安なのか。
そこを言葉にしていく。
サービス調整以前に、
こういう部分が、
ケアマネの大切な仕事だと思います。
サービス担当者会議を「報告会」にしない
サービス担当者会議。
開催したけれど、
各事業所が近況を報告して、
「ではこの内容でお願いします」
で終了。
そんなこともあります。
でも、
本来は、
各専門職が持っている情報を集めて、
一人の利用者さんの生活をみんなで考える場所
です。
訪問介護から見る本人。
デイサービスから見る本人。
訪問看護から見る本人。
福祉用具専門相談員から見る本人。
家族から見る本人。
ケアマネから見る本人。
全部、
少しずつ違います。
だから、
それぞれの情報を出して、
「じゃあ今、一番大事な課題は何だろう」
と考える。
ケアマネは、
全部の答えを持っている必要はありません。
むしろ、
みんなの専門性を引き出すこと
が重要だと思います。
モニタリングは「変わりありません」だけで終わらせない
月1回訪問して、
「体調変わりなし」
「サービス利用継続」
「本人希望あり」
これだけだと、
もったいない。
モニタリングで見るのは、
単なる状態確認ではありません。
ケアプランで立てた目標に、
近づいているのか。
サービスは、
本当に役立っているのか。
本人の生活は、
良くなっているのか。
家族の負担は、
どう変化しているのか。
新しい課題は、
出ていないか。
例えば、
デイサービスを週2回利用している。
「問題なく利用されています」
だけではなく、
利用することで、
日中の活動量が増えた。
家族の休息時間が確保できた。
本人に友人ができた。
逆に、
帰宅後かなり疲れている。
そういうところまで見て、
初めて、
サービスの意味が評価できます。
ケアプランを書くことが目的になっていないか
ケアマネは、
とにかく書類が多いです。
ケアプラン。
アセスメント。
経過記録。
モニタリング。
担当者会議録。
利用票。
提供票。
忙しくなると、
どうしても、
「書類を完成させること」
が目的になってしまいます。
でも、
ケアプランは、
提出するための書類ではありません。
その人の生活を、
本人・家族・専門職で共有するためのものです。
だから、
文章が立派でも、
本人が読んで意味が分からなければ、
少し違う。
「ADLの維持向上を図る」
より、
「自分でトイレまで歩いて行ける生活を続ける」
の方が、
本人には伝わりやすいかもしれません。
専門職のための文章だけではなく、
本人の生活が見える言葉にする。
ここは、
ケアプランを書く時に大切にしたいところです。
ケアマネは「何でも屋」ではない
利用者さん。
家族。
施設。
病院。
訪問看護。
訪問介護。
行政。
福祉用具。
さまざまな人から、
ケアマネに連絡が来ます。
すると、
何でもケアマネが解決しなければならない、
と思ってしまうことがあります。
でも、
ケアマネ一人ですべてを解決することはできません。
医療の問題なら、
医療職へ。
介護の問題なら、
介護職へ。
制度の問題なら、
行政へ。
地域の課題なら、
地域包括支援センターへ。
必要な人につなぐ。
これも専門性です。
自分で全部やる人が良いケアマネなのではなく、必要な専門職をつなげられる人が良いケアマネ。
僕はそう思います。
新人ケアマネほど「基本」に戻れる本を一冊持っておく
介護支援専門員は、
資格を取った瞬間から、
かなり幅広い知識を求められます。
介護保険。
医療。
認知症。
リハビリ。
福祉用具。
家族支援。
制度。
地域資源。
権利擁護。
すべてを最初から完璧に理解するのは、
無理です。
だから、
分からない時に、
戻れる場所を作っておく。
『ケアマネ実務120のポイント』は、
インテークから終結までのケアマネジメントプロセスを、具体的なチェックポイントと事例で確認できる構成になっています。
新人は、
「これで合っているかな」
と思った時に開く。
中堅は、
自分の仕事が自己流になっていないか確認する。
ベテランは、
後輩指導の材料として使う。
そんな使い方ができる本だと思います。
この本を一言で表すなら
僕なら、
こう表現します。
「ケアマネとして迷った時に、基本へ戻るための本。」
ケアマネジメントには、
一つの絶対的な正解はありません。
だからこそ、
迷います。
でも、
正解がないことと、
基本がないことは違います。
本人を知る。
課題を整理する。
強みを見る。
目標を考える。
多職種で共有する。
実施する。
評価する。
必要なら変える。
この基本を、
何度も繰り返す。
それが、
ケアマネジメントなのだと思います。
介護支援専門員に、一度読んでほしい
今回おすすめしたい一冊。
『ケアマネ実務120のポイント』。
ケアマネの仕事は、
派手ではありません。
むしろ、
調整。
電話。
記録。
訪問。
会議。
確認。
そういった小さな仕事の連続です。
でも、
その一つ一つが、
利用者さんの生活につながっています。
だから、
迷った時ほど、
一度基本に戻る。
「この支援は、本当に本人の生活につながっているだろうか?」
サービスを入れることが目的になっていないか。
書類を作ることが目的になっていないか。
家族の希望だけになっていないか。
専門職の都合だけになっていないか。
そうやって、
時々立ち止まる。
介護支援専門員として働いている人に、
手元に置いておいてほしい、
そんな一冊です。