
アカリウム深層 新種発見|イドーウ_ユウエンチ
これは実話です。
ただし、語っている「僕」は、もう一人の私です。
……と言いたいところだけど。
今回はたぶん、実話ではない。
⸻
今回も、あかりさんの企画
「アカリウム深層 新種発見」に参加します。
⸻
前回、アカリウム深層で新種を発見した。
その名も、
ミテンジャネーヨシバクゾ♫
「♫」までが名前である。
背中のシャボン玉には、ミニマムたちが暮らす帝国。
そして本人は、見られるのが嫌い。
そんな彼を、今日もKANUは双眼鏡で見ていた。
🖤「…………」
👓「KANU。見ないでって言ってたよね?」
🖤「見てないよ」
🐾「双眼鏡使ってるけどね」
その時だった。
ミテンジャネーヨシバクゾ♫の隣に、何かが現れた。
彼より少し小柄で、透き通った身体。
そして――
めちゃくちゃ美人。
🖤「……嫁?」
👓「第一声それ?」
🐾「でも距離近いね」
いた。
嫁がいた。
⸻
新種発見。
名前は、
イドーウ_ユウエンチ。
ミテンジャネーヨシバクゾ♫の嫁である。

旦那の背中には帝国。
嫁の背中には――
遊園地。
観覧車、ジェットコースター、メリーゴーランド。
遊園地を丸ごと背負って、深海を移動している。
🖤「遊びたい」
🐾「名前、そのまんまだね」
👓「分かりやすくていいんじゃない?」
⸻
しばらくすると、夫婦はゆっくり近づき、
添い寝するように横に寄り添った。
🖤「かわいい……」
🐾「KANU、双眼鏡下ろす気ないね」
その直後。
二匹の背中のシャボン玉がつながり、間に透明な連絡通路が現れた。
そして――
帝国のミニマムたちが、一斉に遊園地へ向かい始めた。
ぞろぞろ。
ぞろぞろぞろ。

🖤「行ってる!!」
👓「めちゃくちゃ行ってる」
🐾「大移動だね」
🖤「待って、走ってる子いる!かわいい!」
👓「もう聞いてないね」
🐾「いつものことじゃん」
KANUはご満悦で、遊びに向かうミニマムたちを眺め続けていた。
⸻
どうやらこの夫婦。
寄り添うと、
旦那の帝国と嫁の遊園地がひとつにつながるらしい。
遊び疲れたミニマムたちは、また透明な通路を通って帝国へ帰っていく。
その間、夫婦は隣でのんびり添い寝。
これが彼らの日常なのかもしれない。
⸻
イドーウ_ユウエンチ。
背中のシャボン玉に遊園地を乗せて、深海を移動する新種。
そして、
ミテンジャネーヨシバクゾ♫の嫁。
今日も二匹が寄り添う背中では、ミニマムたちが大騒ぎしている。
🖤「…………」
👓「KANU、まだ見てるの?」
🐾「もう帰るよー」
🖤「……あと一周だけ」
👓「何の一周?」
今日もKANUは、
見ている。
⸻
新種メモ
名前:イドーウ_ユウエンチ
一言解説:
背中のシャボン玉に遊園地を乗せて深海を移動する、ミテンジャネーヨシバクゾ♫の嫁。夫婦が寄り添うと帝国と遊園地が透明な通路でつながり、ミニマムたちの大移動が始まる。