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Photo byotetenotefusen

彼女は気にしない【毎週ショートショートnote】


    ガシャン!
    デスクに置かれたペンケースが床に落ち、筆記具が散乱した。
    「ごめんなさーい」
    玲美はあわてて拾い集めるが、三色ボールペンが遠くまで転がってしまう。
    それを拾ったのは日焼けした大きな手。加納主任だった。
    「すみません。月末締めの書類が山になってて押されちゃって」
    「これは多いね!今日時間あるから手伝うよ」
    「ありがとうございます」
    玲美は一番可愛く見えるはずの角度で加納を見上げ、すまなそうな笑顔をつくって会釈した。

    その様子を見ていたマヤは、握っていたタオルハンカチを噛みしめた。
    「キーッ!みんなの憧れの加納主任に」
    「わざと未処理の書類を溜めこんでさ」
    紅茶を淹れながらハルも加わる。
    「主任が来るタイミングでぶちまけたわよ。あざといっていうか小賢こざかしいっていうか」

    陰口は玲美の耳に届くが気にしない。
    その通りだもん。
    もっと言うと、三色ボールペン、少し重く加工してるのよ。狙ったところに投げやすいようにね。みんなもいろいろ工夫してから陰口叩けば?


    (417字)

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    #毎週ショートショートnote に参加しました。
    お題「こざかしい落下」

    今どきは「書類の山」なんて、ないかもしれないですが……

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    【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
    「文房具」で検索。
    ペンケースからペンがこぼれ落ちるシーンのようで。

     
     

    kao

     
     
    短い小説を書き、短歌も詠む足が遅いランナー。春から秋はガーデニングも。 還暦プラス4です。

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