
アルストロメリアが散った後【毎週ショートショートnote #マッチョ華道】
私が勤める花店は、マッチョ華道全国大会に花材を納品している。
実は私がここに就職したのは、推し選手に良い花を届けるためだ。そして他の選手の花材は少し元気のない花にする。
その甲斐あって推しは現在三連覇中だ。
しかし今年は推しの最強ライバル、村雲が出場する。村雲の注文はピンクのアルストロメリア。よし、散る間際の花を提供しよう。
マッチョ華道は、ボディビルのポーズを一つ決めるごとに、三メートル先の花器に花を投げ入れる。ポーズの美しさと、投げ入れた花々が無作為に造る姿の美しさが審査対象だ。
推しはバラの投げ入れを美しくまとめた。
最後に村雲が登場する。
彼はポーズを決め、アルストロメリアを投げた。
アルストロメリアは一気にバラバラと花びらを散らして飛ぶ。花器に入った時には花びらがない。会場は失笑。予想通り。
村雲は顔色を変えたが演技を続けた。用意したアルストロメリアの花びらはすべて散った。
おしべとめしべだけの茎がたくさん入った花器。ダサい!
これで推しの四連覇は決定したも同然だ。
「優勝は村雲選手です!」
会場はざわめいた。
審査委員長の借家崎先生が、村雲の演技を再生して投影した。
「落ちた花びらが、村雲選手から花器までの道を作っていて大変美しい。そして近年、故意に傷んだ花材が提供されている疑いがあります」
人影を感じて振り返ると、私の背後にマッチョ男性がいた。
「お話を聞きたいのですが」
大会運営委員長だった……
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お題「マッチョ華道」
文字数オーバー、すみませんm(__)m
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【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
「アルストロメリア」で検索。
道で見かけたとのこと。咲いているお家があるんですね。いいなぁ。
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