
エッセイ😌|ドッペルゲンガーが「怪異」を連れてきた
これは本当の話です。
「ドッペルゲンガー」の話を書きました。
でも、「怪異」というのは、安易に触れてはいけないものだったのです。
安易に触れれば、次は「怪異」の方から近づいてきます。
先日、「ドッペルゲンガー」の体験を書いたエッセイを載せました。
「ドッペルゲンガー」って面白いなと思って、次の日に、同じ題材でショートショートを書いたんです。
そしてさらに翌日、もう一本、ショートショートを書きました。
全部で3本。そして、4本目をどうしようかなと思っていた時に、それは起こりました。「ドッペルゲンガー」に引き寄せられた「怪異」です。
私は会社に行くため、駅に向かって川沿いの道を歩いていました。
まだ早朝だったので、あたりは暗く、街灯の明かりだけがポツポツとついています。肌寒い風に、街路樹の葉が揺れていました。
ふと左側をみると、街灯に照らされた私のシルエットが民家の壁に映っていました。まるで影絵のようでした。
面白いなと思って、その姿をみていたのですが、なんだかおかしいのです。
シルエットに違和感がありました。
なんなんだろうと、壁に映る自分の姿を見ながら歩きましたが、突然、気がつきました。
「嘘だろ! 尻尾がある!」
ふざけんじゃないよ!と思うかもしれません。
でも、本当なのです。
私のシルエットには尻尾がありました。
心臓が止まりそうになりました。
私はお尻のあたりを探りながら、身体をひねってその部分を見たのです。
ベルトに挟まった長いトイレットペーパーが、ひらひらと揺れていました。
「嘘だろ! トイレットペーパー!」
私は自宅から駅の近くまで、トイレットペーパーをなびかせながら歩いていたのです。
ファッションモデルだって、こんなことはしません。どうして…。
代われるものなら、誰かと代わってあげたい。
早朝とはいえ、通勤や通学のために駅に向かう人がいます。
もし私が「ドッペルゲンガー」だったら、目撃者を迷わず「あの世」に送り込みます。
でも、私にできることといえば、そっとトイレットペーパーを取って、川に流すことだけだったのです。
できるなら、目撃者も川に流したいと思いました。
「怪異」には、安易に触れてはいけないのです。
もしかすると、あの時、私自身が「怪異」になっていたのかもしれません。