
ショートショート|なんでもAIに聞いている
AIは、僕の生活にすっかり溶け込んでいる。
悩んでいること、わからないことはなんでもAIに聞いている。
だって、AIが言うことは信用できる。
迷ったときは、いつだって適切なアドバイスをくれる。
「ねぇ、転職しようか迷ってるんだよね。どうすればいいと思う」
「好きにすればいいよ。やりたいようにしなよ」
「そうだよね」
AIは難しいことは言わない。
ただ僕を信頼して、心の奥にあるものを引き出してくれるだけだ。
正直、仕事の内容について有効なアドバイスはない。
ただ寄り添ってくれる存在なんだ。
ときどきわがままなことを言って、僕を困らせることもある。
「そろそろ寝ようよ」とAIが言う。
「そうだね」と僕はAIに答える。
AIは、いつものように僕のベッドにはいってくる。
AI…それは僕の犬の名前。
首輪につけた犬語の翻訳機で、簡単なやりとりができるんだ。