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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1069.考察


     最悪な事は更に、まだまだ続いた。
     倒れている場所のすぐ近くから、モンスターの体越しに聞こえてきたのは聞きなれたギレスラのさも苦しそうな叫び声であった。
     恐らくレイブやペトラの身を案じて地上に降り立ってしまったのだろう……
     離せだとか下がれ下郎だとか無礼者だとか言う叫びは程無く止んで、モンスターの重量に耐える呻き声だけが聞こえるまでは僅かな時間を要しただけである。

    ――――にしても、ぐるぐるぐる、これ、ぐるぐる、どうすりゃ良いのだろうか? ぐるぐるぐる

     幼い頃から師匠バストロと共に、体内の魔力を高速で循環させる修行を続けて来たレイブである。
     そのスピードが最高点に達した場合、ズィナミの『身体強化』三十枚掛け以上の肉体強化が可能であった。
     その万力を発揮すれば、如何に堆くうずたかく重なったモンスターであっても押し退けるおしのける事等、お茶の子さいさい、朝飯前である。
     では何故今、進退きわまっているかと言えば、自分に覆い被さり積み重なっているモンスターから押し寄せ続ける魔力の存在、その尋常ならざる濃密さによってであった。
     体内の魔力を高速で循環させる技、所謂ぐるぐるの効果は主に二つだ。
     一つは前述の身体能力強化の効果であり、今一つは接触した過剰な魔力から自身の肉体を守る事、これである。
     レイブだけでなくペトラやギレスラ、最近ではラマスはじめ弟子たちも、モンスターの汁やフレッシュミートを摂取した際、石化が始まるまで待ってからぐるぐるやっているのは、命を掛けてスキル『ぐるぐる』を習得する為なのである。
     長年この技術を磨き続けた経験則からレイブは熟知していた。

    ――――ぐるぐる、これほど濃密な魔力の中じゃあ石化の防止が優先されるから身体能力は殆ど強化出来ないぞ…… ぐるぐる、肋や関節がミシミシ言い始めてるし…… このままじゃジリ貧、遅かれ早かれ押し潰されてお終いだ…… ギレスラ、ペトラ、ぐるぐるぐる…… む、無念…… ん? んんん? こ、この音は!

    ズリズリズリ……

    ――――ペトラの居た方から? ぐるぐる、はっ! こ、こっち、ギレスラが居た方向からもっ! ぐるぐる?

    ジリッ、ジリッ、ジリッ……

     二つの音が聞こえた瞬間、レイブは即座に理解する事が出来た。

     これらは自分同様モンスターに圧し掛かられて身体の自由を奪われてしまったペトラとギレスラが、最後の力を振り絞って自分の元を目指しにじり寄ってくる音、それに相違ないと……



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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