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【1827話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1827.絡み合う糸


     生れ落ちた時、彼、レオニードには兄弟がいた。
     黒白の自分とは違い、一般的なアムールトラっぽい弟? 兄かな? 良く判らないが兄弟は生まれ故郷に残った筈だ、理由は単純、黄色ベースの体毛が故地の生活に適していたから、それだけだ。

     ステップと呼ばれる平原はイネ科やキク科の丈が低い植物しか生えない、しかも通年で枯れ木みたいなカサカサ、茶色な状態なのだ。
     準砂漠とか表現されちゃう可哀想極まり無い惨めな土地であっても故郷は故郷、きっと何か思い入れとかそんなのがあったのかも知れない、知らんけど……

     兄弟はあそこで地べたに這い蹲りながらマーモットでも狩っているのだろうなぁ。

     確か近所のヒグマやカリブーの子供等と遊びながら、

    『我こそは赤き悪夢なりっ!』

    だとか、

    『平原を統べるはこの僕、人呼んで馳せ王だいっ!』

    だとか、

    『クフフ、密林こそが俺、暗殺者の狩場、己の不運を怨むが良い』

    だとか? 判り易く馬鹿な事をほざいたりしていたからもう死んだかもしれない、いや、きっと死んだのだろう、馬鹿だから。
     愚かな事は非力や迂闊さ、弱さと同義なのが厳しさしかない大自然で生きる、そうなのだ……

     幼かった私は馬鹿な兄弟や友人と別れて北方のタイガ、針葉樹林を目指して旅に出た。

     母親から、

    『アンタ黒いからあっちの方が隠れるのに良んじゃね』

    そう言われた為、素直に従う事にしたのである。

     旅の途中で極東を目指して旅をする親子のドラゴンと知り合った、この子供が現在の竜王だ。
     仲良くなったレオニードはちゃっかり同道して竜王の里で何不自由無く成長し、出世した幼馴染のお蔭で魔獣軍団の長にまで成り上がった、つまり縁故で昇進したのである。

     順風満帆、のんびりゆったりまったりと日々を過ごす中、運命の出会いは突然訪れた。
     レオニードの問いに、武者修行の旅をしている、そう答えた雌は自分をライオンだとも告げた。

     聞いていた凶暴な獣だとは信じられない程、彼女は美しかった。
     二匹が恋に落ちるのに時間は必要無かった、もうあっと言う間も無くイチャイチャし捲ったのである。
     やがて、若い二匹がお互いの体に飽き始めた頃、彼女は武者修行の旅とやらを再開したのであった。

     それから数年後、いなくなってもう戻ってこないだろうと思っていた彼女がレオニードを訪ねて来た。
     何でも獣王になるから子供を引き取って! などと訳の判らない主張を繰り返しては無理やりコギタナイ幼獣を押し付けていきやがったのだ。

     無責任な嫁の名はパリーグ、醜い子供はパダンパといった。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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