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【1892話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

    1892.正面玄関

     私、観察者が竜王の里の強さ、ここカムチャッカ辺りでは他の追随を許さぬ圧倒的な力に納得するのと、ニャンポ部隊が正面側の外広場に到着するのはほぼ同時であったらしい。

    『あれ? ヤケに賑やかっすね?』

    『むむっ! 既に騒ぎになっていたかっ!』

     親子の温度差。

     見れば広場を囲む様に多数のドラゴンが集まって大きな声で騒いでいるではないか。
     しかも裏口にいたずんぐり体型の地竜と違い、ファンタジー作品で良く見られる感じのち・ゃ・ん・と・したドラゴンばかり、昔懐かしいカナディアンファイヤーバックのジグエラ型、手、足、首が長く胴体はぽっちゃり、頭が小さく尾の長くて太いヤツが主流の様である。

     ギレスラと同じ種類、ニーズヘッグはやはり希少種らしくパッと見た感じ見当たらない。
     しかし体高や体長はかなりデカい、一般的なモブっぽい個体でもギレスラの倍近い、ガイランゲルやメルルメノクと同種だろうズメイ種も数体以上覗き込む姿が見える。

     巨大なドラゴンが作る人混み、いや、竜混みに果敢にも急ぐレオニードの足が早まる、負けまいと引く手に力を込めるパダンパの額にも汗が浮かんだ。

     拮抗した力比べで特段速度に変化が見られない親子の横でヴァミスが気さくな声で言う。

    『おぉー始まってるなぁー、盛り上がっちゃってぇー、こりゃ楽しそうだなぁー』

    『なぬ?』

    『何なんすか?』

    『おお、実はな――――』

     ヴァミスが親子に語って聞かせたのは今朝、レオニード達が裏口に姿を現す少し前の事からである。
     いつも通りの静かな朝は大きな声で消し去られたと言うのだ。

     曰く、

    『ドンドコドン! ドンドコドコドコ! ってな? そりゃあ賑やかで楽しげな叫び声だったんだ』

     おう、例の奴か…… 正面から堂々とやった訳だね。

    『くぅっ! 一体、何を考えているんだ……』

    『流石叔母さん、格好良いぜぇっ!』

     温度差。

     ヴァミスは構う事無く続ける。

    『声に合わせる様に大空を駆ける影が差してなぁ、パラトゥンカ上空を縦横無尽、隈なく飛ぶその姿には誰もが目を奪われたんだ…… 何と、既に絶滅したと言われたニーズヘッグ種、しかも最も優れているとされる真紅のドラゴンだったんだよ!』

     おう、あいつだよね。

    『もうパラトゥンカ中が大騒ぎでな? 続けて各地に現れたウサギっぽいニンゲンと小さなバッタが口々に触れ回ったんだよ、『玄関先をお借りしてバザー、物品交換会を開催します! 楽しいイベントも盛り沢山! お誘い合わせの上、是非ご参加を~! 冷やかしだけでも大歓迎っ♪』『ジージジギギギジギジギジー! ジジギギジジジジーッジギッ! ジッジージギーギジッ♪』だったかな?』

     生真面目にバッタ語まで覚えているらしい…… 結構優秀なのかも知れないな、コイツ。

     要約すると、例の奴、祭りの開催にケダモノが歌ってドラゴンも調子を合わせる、ついでにレイブは媚びっ媚びなウサちゃん形態模写で『百頭ひゃくとうの魔』テューポーンさんまで頑張って告知していた、と…… レオニードが薦めた隠密行動は見事に裏切られたらしい、しかも真逆の形で、だ。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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