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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1493.珊瑚と露草


     二つの数値が3000を優に超えたドラゴンはそれと知らずに言う。

    『起きたかペトラ、早速だが解体を手伝ってくれ』

    『うん』

    「おう、降ろせよギレスラ、そこの沼でバラしちまおうぜ」

    『うむ、珊瑚さんごと露草つゆくさは…… おお、いるな』

    『『キュー』』

     兄弟妹きょうだいのやり取りに答えた二つの声はレイブが歩き始めた先の沼から聞こえた。

     あちらこちらに点在する小規模な沼はまるで大きな水溜りの様である。
     その一つからこちらに顔を覗かせているのは二匹のヤツメウナギ、ランプリーだ。

     察しの良いオーディエンスの皆さんなら既にお気付きであろうが、ミロンとブロルにタリヒマルとエレーロギャップを譲った依り代の前任者、所謂いわゆるパイセンの二匹なのである。

     あの日からの三日間、行く先々の水場に現れては物欲しそうな視線を送っていたのに気が付いたレイブが、戯れに自分の食事を分け与えたりした結果、なんとなく懐いてしまい名前を付けて可愛がり始めた、そう言う訳だ。
     薄赤い方が珊瑚、水色の方が露草と、甚はなはだ安直ではあったが二匹とも気に入ったのか呼べば来る、位にはコミュニケーションが成り立っていたのである、意外に賢いのかも知れない。

     ミロンとブロルに確認した所、元々魔界にいた二柱が地上に顕現する為に近くにいた水生生物から適当に選んだだけらしく、依り代としてのキャリア的には一瞬きり、いわば腰掛け的に利用されただけだったそうだ。
     当然、スキルやステータスの恩恵にも与れてはいないのでは? 多分戦力にはなりませんよ? そう語ったミロブロの前でレイブは少し寂しそうな表情を浮かべていたものだ。

     その後、自分の食事を分ける度に何やら話し掛けてはいるみたいだが、残念ながら今朝まで返事をしてはくれていない、キューキュー鳴くだけである。
     
     今も自分達の浸かった沼の近くに移動して、獲物の解体を始めるスリーマンセルを見ながら同じ声を上げ続けているランプリー達。
     その姿をチラチラと横目にしながらぺトラは以前から感じていた疑問を口にする。

    『この子達って不思議よね…… 一体どうやって追い掛けて来ているのかしら? それぞれの沼は繋がっていないのに……』

     ギレスラが答える。

    『日が落ちてから地上を這っているのかも知れんな、それかテューポーンさんみたいに地中を移動しているとか? ではないか?』

    『えー、鰓呼吸なのにー?』

     レイブは獲物の腸を引き抜く為に肛門に突き刺していた節くれ立った茨いばらを持つ手を止めて会話に参加する。

    「『鑑定』ではそれ系のスキルとか持っていなかったんだよな」

    『うん、レベルキャップが一万弱に増えている以外はごくごく普通の野生動物みたいだったわ』

    「ふむ、判らんな」

    『謎なのだ』

     言葉とは裏腹に、止めていた手を動かし始めるレイブとすぐさま補助の手を合わせるギレスラは、実の所、それほど彼等の移動手段を気にしてはいないのだろう。

     慣れた手つきで手際よく臓物を抜き出した後は、ぺトラがモンスターの後肢を牙に架けて持ち上げ、レイブがゼムガレのナイフで首を落とす。
     下にはダソス・ダロスを救った時にも使用した皮袋が広げられている、モンスターの血液を集めるらしい。
     ギレスラは脇の地面に向けてブレスの炎を吐き出している、どうやら抜き出した消化器系の臓物を焼き尽くしているらしい。

     この間に今朝の収穫五匹の大型モンスターを全て牙に架け終えたぺトラと、その鼻先で忙しく皮袋の世話をし続けるレイブ、見る見る間に二つの大きな袋はモンスターの血液で一杯になったタイミングで滴り落ちる滴も勢いを失うのである、ピッタリとはいやはや、感心する他ないなこりゃ。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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