メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    964.潤い


     そこから喧々諤々けんけんがくがく、ペトラまで倉庫内に戻って来て様々な意見が活発に交わされたのであるが……

    『んじゃあさっ! 一旦分解してさっ、それをアタシが穴ぐらの中で組み立てなおすわよ! そうして滴しずくから水を溜めてレイブお兄ちゃんに渡せば良いんじゃないの? ほら、解決よ!』

     ペトラとは思えぬ暴言であった。
     そもそも分解してしまった水桶を簡単に直せると思っている辺りが大間違いだ、桶職人舐めんな、ゴラッ! って話である。

     更にレイブがペトラの案の穴をつく。

    「えっ? 奥で組み立て直しちゃったらこっちに通らないじゃないか? どうやってこっちに持ってくるの? まさか…… もう一回バラすとかじゃあないよね? 水は? 僕、水が欲しいんだよ? 何、何なの? 桶を如何いかにして受け渡すかっ! 的な事言ってるのぉ! 水だよ水、水をおくれよぉ!」

    『う、う~ん……』

     口ごもるペトラをそのままに、しゅばっ、そんな擬音が聞こえて来そうな位に素早い動きを見せたのはギレスラであった。
     ほんの少しだけの時を経て、通路から顔を出したギレスラは嬉しそうにはにかみながら自身を見つめるレイブに語り掛ける。

    『レイブ! ホラ、オミズ、ダヨ! ノンデ、ウルオッテ! ア? アレレ? コボレチャッタカ、ァ……』

     ギレスラなりに、この事態を何とかしようとしたのだろう。
     滴しずくが滴り落ちている水場に向かい、自分の翼を合わせてたっぷりの水をレイブに渡そうと運んで来たらしい……

     だが途中には体を伏せざるを得ない、狭苦しい通路が存在するのだ。
     躓つまづいたり、転んだりしながら辿り着いた倉庫へは、溜め込んだ筈の水を届ける事は適わなかったのである。

     僅わずかに湿り気を残した翼を美味しそうに舐め上げながらレイブが言う。

    「ありがとうギレスラ、お前の翼は濡れそぼっていてとっても美味しいよ、愛を感じるよ、うふふふ」

    『レイブ…… ハ、ハズカシイ、ヨ……』 ぽっ
     ※ BL要素は皆無ですのでご了承下さい

     まあ、普通に翼に付いていた水滴を舐め取って人心地つけたレイブは大きな桶二つをギレスラから受け取って笑顔で告げる。

    「んじゃあ、二つ先の沢の取水地まで行って来るからさ、その間に二人は穴倉の奥を整理整頓しておいてね、頼むよ、良しっ! 行って来ます!」

     ピューッ! スタコラサッサーッ!

     取り残された二人はそっれっぽい言葉を交わす。

    『えっと、んじゃギレスラお兄ちゃん、粉薬から貰って良いかな?』

    『ガッ? モ、モチロン、ハイ、コレェ』

    『うん、ありがとう……』

     それから程無くして戻ってきたレイブは生来の用心深さからだろうか、水場と岩窟を四往復して桶のみならず巨大なタライをも清廉な水で満たしたのである。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

    Copyright(C)2019-KEY-STU

    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ