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堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    第一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
    165.イノセンス・メイデンズ (挿絵あり)

    はじめての方はコチラ→ ◆あらすじ◆目次◆

    「フ ジャンボ! アリシアいないか…… 残念ね」

     鮮やかな太陽の色、オレンジ一色の装束に身を包んだ、褐色の肌を持った女性が話しかけて来た。
     黙っていようと決めていたコユキであったが、反射的に返事をしてしまった。

    「シ ジャンボ! って、あ…… ごめんなさい……」

    彼女は喜色満面の笑顔を湛えて口にするのだった。

    「ごめん、ちがう! アリシアは大事! でも、エンカの故郷、ニホン、同じ位、大事ね! 」

     何だかコユキをフォローしてくれてるみたいだった、優しい、コユキもスワヒリ語圏の人をチョット好きになった瞬間であった。

     でも、アリシアって誰だろう?
     そう思った瞬間、カレーっぽいサンスクリット女子が重ねて言葉にした。

    「強大な魔を感じちゃった! これアリシア、真なる聖女いないと祓はらえない! どうする? キャス? タンドリーチキン」

     この語尾…… 絶対に適当に付けてるだろう、梅干! っとコユキは真似しながら思った。
     そして、新たな声がその場に響いた、

    「ズドラーストヴィチェ、貴方たち、新世代は未だ知らなかったのねコフ、アリシアとラーシュの悲劇のお話しをニコフ」

     ゴージャスな赤と白のドレスでその身を包んだ、語尾から察するにロシアっぽい貫禄のある女性が言葉を発し、コユキ含んだ全員が彼女を見つめた。

    「スウェーデンの聖女、いいえ我々イノセンス・メイデンズのリーダー、真なる聖女、アリシア・ニルソンと彼女のパートナー、聖魔騎士ラーシュ・ヨハンソンの二人は…… 二十四年前、ある高位悪魔の討伐に、クラックに入って行ったキリ…… 行方知れずになっているのよ、コフ」

    「え、ほんと! アンビリバヴォ──!! 」

    「まじアルカ……」

    「やばいカレー、信じられないチャイ」

    「うそだ! シリキウトゥンドゥ! 」

    「ごめんねコフ、マジなのよヴィチ」

     一様にショック状態であるようだ、聖女ショックっ!!

     そのメンバーの中でも若手、コユキと同い年のキャシーの発言力は、国力と比例して高い様で、WWW2後の世界ではやはり一目置かれているようであった。

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    「待って! 仮に大魔を祓はらえなかったとしても、今回の魔界クラックを見つけられたのは僥倖ぎょうこう! 敵性勢力を確実に削り取る事が出来るでショー! それをワタシの親友、コユキが成し遂げた事に、まずはイノセンス・メイデンズ全員で祝福を送るべき、べき? ん、んんんん? !? 」

     四桐シキリ鯛男タイオばりに、仕切り始めていたキャシーは、コユキの両手に握られていたかぎ棒を目にした途端に、目を剥いてビックリ仰天の顔をした。
     そして、コユキに聞いたのであった。

    「ね、ねぇコユキ? アンタなんで神器…… 二つ持ってんの? 」

    「え、これ? かぎ棒の事? えっと、予備だけど…… だめなのん? 」

     コユキの返答に答えず、コユキの横でハグハグ羊羹を頬張っている善悪に目を移して、キャシーは少し緊張気味に声を掛けた。

    「アンタ、あ、隣のクラス委員長だったコーフクだよね? ねぇ、アンタの持ってる黒いの、それなんなの? 」

    答える善悪。

    「ん、これでござるか? これは、僕ちんがお爺ちゃんから渡された念珠、半生ムニ、いやアンラ・マンユでござるよ」

     その言葉を聞いた聖女たち、いやその言葉が聞こえた至近にいた全ての聖女・聖戦士も揃って、戦いを放棄して膝を付いて丁寧すぎる礼をするのであった。

     キャシーがコユキと善悪に告げた。

    「真なる聖女様、そして封印の担い手、聖魔騎士様に我等の尊崇そんすうを捧げます」

    と。

     何が何やらわけワカメのコユキと善悪に対して、大きい体と裏腹に親切なロシアの聖女、ナターシャが丁寧な説明をしてくれたのであった。
    彼女が語った内容に、コユキと善悪の二人は大いに驚かされるのであった。

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    拙作をお読みいただきありがとうございました!

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