メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1350.慟哭

     ダソス・ダロスが訝いぶかしがったのも無理はない。
     彼が目覚めのセカンドテイクを叫んだ時から、その場に伏せたペトラの鼻先は地面に向けられたままである。
     それどころか徐々に土を掘り下げているらしく、頭部の半分以上が土中に潜った状態で、フゴフゴ言いながら現在進行形で埋没作業に精を出している様だ。

     普段見た事が無い奇行に首を傾げながら、レイブはペトラの巨大な体を掴んで軽がると持ち上げる。

    「ペトラどした?」

     持ち上げられたペトラは顔中を土塗れにしながら、手足、いや、四肢をバタバタさせながら両の眼をきつく瞑ったままで質問に答える。

    『離してよレイブお兄ちゃん! 合わせる顔が無いのよぉ! 全部アタシのせいなんだからぁっ!』

     レイブは高々と持ち上げた腕を下げる事無くやや呆れた口調で返す。

    「いや蒸し返すなよ、さっきミロンとブロルが水に流してくれたじゃんか、なんだ? ダソス・ダロスにもカマって欲しくなっちゃったのか?」

    『グアッ! 料理も美味しいぞ! ペトラ気にするな、ガッガッガッ!』

     この二日間、急に腹ペコ食いしん坊キャラを始めたギレスラまで捕食を中止して優しい言葉を掛けている。
     だと言うのにペトラは黙ったままだ。

     レイブの両手が細かく震え始めるが、別にペトラが重過ぎる、とかではなくてペトラ自身の体がカタカタと震えているのである。
     レイブは驚きの表情を浮かべ慌てた声音で聞く。

    「お、おいペトラ、大丈夫か?」

    『グガッ?』

    『………………』

     目を瞑り震え続けるペトラは少し置いてから言葉を発する。

    『……せいなの』(ボソッ)

    「え? 何だって?」

    『聞こえないのだ、もっと大きな声でアゲインなのだ』

     兄達に促されたペトラは素直にリステートしたが、その声は搾り出した様な叫びにも似た物である。

    『だから全部アタシのせいなのよ! ハタンガが崩壊したのも、レイブお兄ちゃんやギレスラお兄ちゃん、ガトちゃんに辛い思いをさせちゃったのも、ダダ坊が地獄の十二年で再起不能な性格破綻の化け物と化したのもー! 全部全部全部、アタシのせいなのよー! うわーんっ!』

     最後には正に泣き叫びを上げたペトラはそのままオイオイ状態に陥ってしまった。
     多少面食らった顔を浮かべながらレイブは返す。

    「んな馬鹿な、じゃあ太陽が昇るのも雨の後虹が出るのもお前のせいなのかよ? やれやれ、自分に『回復』掛けといた方が良いんじゃね? 大分進んでるみたいだぞ、誇大妄想」

    『だな、あれか? 豚猪って精神保護的に脆弱な種なのか? ん?』

     ギレスラの尤もっともな質問には、不意に話を振られたダソス・ダロスが答える。

    『いやそんな認識は無かったけど…… ほら、私の場合だって十二年間の積み上げの結果じゃん? ペトラさんの場合固有のヤツじゃないかなーと』

    『おーいおいおいおい! おーいおいおいおいおーい!』

     兄’Sの慰めの言葉にも泣いてばかりのペトラの病状が心配になるな。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

    Copyright(C)2019-KEY-STU

    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ