メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1776.色眼鏡


    『むぅ、フヴェルゲルミル、それにナーストレンドか……』

     ギレスラの声音には釈然としていない不満がタラタラ漏れ出している。

    『ま、ま、憧れてるんじゃないですか? ねっ?』

     お腹一杯、フルサイズのトラ、と言うより黒縞猫型の怪獣と化したレオニードが無責任に宥なだめた。

     新たな旅の供を加えたスリーマンセル一行は、カムチャッカ半島の南側、パラトゥンカを目指してテクっている最中だ。

     パラトゥンカは言うまでも無く、極東ロシア最大の温泉地である。
     オーディエンスの皆さんにとっては最も訪問し易い外国保養地の一つだった筈だ。

     いや…… この観察を皆さんがご覧になるのは初出で令和七年だったな…… 前言撤回、皆さん西側諸国に暮らす方には世界中で最も行き難く、同時に生き難くもある場所だったみたいである、陳謝する。

     判り易く表現すれば、悪の中の悪、他人の嫌がる事だけをやってヘラヘラ喜び、自国民には嘘ばっかり、正しく清廉な国家群を嘲笑う様な気の狂った国家が有する保養地がこのパラトゥンカ、そう表現すればご理解して頂けるだろうか? ハラショー!

     確か皆さんの時代ではやりたい放題、国家間の取り決めなんてまるで無視な無茶苦茶、滅茶苦茶でどーしようも無い、地図から消えれば良いベストワンの国だった筈である。

     観る者、観察者として何を語るべきでも無い、それは十二分に理解しているつもりだ。
     しかし、ほんの二十年前、民主化の免罪符を掲げた暴徒、いや市民だったかな? 彼等が暴・力・で・往時の大統領別邸を占拠した。
     先立つ選挙で不正が為されていたから、それがお題目となり錦の御旗として喧伝けんでんされた。

     それ以来、正義の弱者は悪の強者によって蹂躙され続けている、世界の良識ある国は正義を助けるのだ! だってカーイソーじゃん! 仮に自国民が飢えたとしてもっ! 欲しがりません、正義が勝つまではぁ! それが皆さんの時代だったですよね? 立派な事です。

     む、麦が無えー、蟹もニシンもたっ、鱈たらまでぇっ! そしてぶり返しの米騒動…… 立派な事です。
     若もしも、万が一、ひょっとして…… 台本ありのプロレスだったらどうします? いや、仮定の話ですけど……

     麦、増えそうですよね?
     戦後の古麦とか脱脂粉乳、油採った後のクジラ肉みたいな感じでしょうか?
     米高いですからね、麦を食べれば良いのでしょうね、外国産の♪
     米価が上がれば頑張っている農家も…… 少なくとも卸業者とかも助かりますから良い事なんでしょう、きっと。

     国を挙げて協力している、とても美しく心打たれる献身です。
     相手の狂った奴等は悪魔です、しかも一億を優に超える、言わば魔軍なのです。
     早く全滅すれば良いのに…… 賢く先進な全てのマトモな人々が願っている事でしょう。

     爺も婆も男も女も少年も少女も赤ん坊も、飼っている犬や猫もその地に咲く花も、何もかも地上やネットから消え去ってしまえば良いのにっ! 出来れば奴等の間・違・っ・た・信仰ごとっ!
     素敵で進歩的です、原住民の崇める劣った神、いいや悪魔は滅ぼさないとね♪

     知性や博識、権威とか正邪の別、何を以ってしても殺人は殺人、相手が強くても差別は差別、自分の神と違っていても侮蔑は侮蔑、人が他者を害する醜い行為に他ならない筈だったのでは?
     ましてや相手より優れた武器での虐殺と来た日には、ソレ、無抵抗な小動物を嬲なぶり殺すのと違わないのでは? である……
     格好良いかな? 判らん……



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
    Copyright(C)2019-KEY-STU

    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ