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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    第三章 苦痛の葬送曲(レクイエム)
    540.ループ3-2

    はじめての方はコチラ→ ◆あらすじ◆目次◆

     フェイトはコユキに向けて頷くと中断していた話を続けた。

     コユキと善悪、そして長女のミユキを殺してその身に取り込んだ自称ルキフェルは、太古の昔、ニブルヘイムに君臨していた当時と比べても遜色ない程に強靭な魔神へと覚醒したそうだ。

     話し方や一つ一つの動作なども往時を知る面々には懐かしい物に戻って見えたと言う。

     喜びに溢れるニブルヘイム軍の中で、唯一人、副官である純白の悪魔が自称ルキフェルに大声で問い正したらしい、お前は何者だと。

     今の自分こそ正真正銘、ルキフェルだと答える声を途中で制しオルクスは言ったそうだ。

    『虚言はやめろ、貴様は断じてルキフェル様ではない! 確かに今の貴様はかつて地獄の三層に君臨していた頃のルキフェル様と見紛う程の強さだ、それどころか魔力はより濃密で上質な物へと進化している様だ…… 他の者の目ならばルキフェル様にしか思えない事だろうがこのオルクスにはハッキリわかる! 貴様は偽物だ! 最高位の神の名を騙かたるとは不敬の極み! 正体を見せよ!』

    『何を言っているのだオルクスよ、我がルキフェルでなくて何者だと言うのだ? 魔力紋を見よ! 貴様も良く知っているだろうが、この魔神王ルキフェルの魔力紋、世界に二つと無い神聖幾何学模様の輝きを!』

    『確かに…… 大変美しく力に溢れたフラワーオブライフだ、我々とアルテミスが分裂した際の八か所の欠損部位もこの星に突入した際と全く同じだな、だからこそ気が付く事が出来たんだが…… なあ、偽物よ? 一つ教えてくれないか? 何故九つ目の欠損が無いのかを!』

    『なに?』

    『やはり知らなかったようだな? 九番目に力を分け与えられた我らの末弟、ハーキュリーズ、又の名をヘーラクレースの存在を!』

    『ば、馬鹿な、奴に息子が!』

    『どうした? 奴とは誰だ? 若しかして本物のルキフェル様の事では無かろうな? お前が本物なのだろう?』

    『む、無論本物だ! 分かり切った事を言うなっ! 我が、我だけがルキフェルだーっ!』

     オルクスは酷く大仰に言ったそうだ。

    『本物…… それは重畳ちょうじょう! では我が君、よもや我ら兄妹弟きょうだいの刃をお避けにはならんでしょうな? 『断罪の剣コンヴィクトソード』、んまあ、避けずとも我ら七柱如きの攻撃など創生者たるルキフェル様には一条の傷を負わす事も出来ないでしょうが…… 他者の魔力を吸収したばかりでご自分の魔力へと変換中でない限りは……』

    『なっ!』

    『モラクス!』

    『おうっ! 行くぞ兄者、『同化同調アフォモイオシィ』!』

     渦を巻いてオルクスの漆黒の神剣、ダグル・バリザに六色のオーラが溢れたらしい。

     オルクスは大きな声で言った。

    『行くぞっ! 貴様の心を示せっ! 審議の刃! 喰らえぃ! 『断罪の剣コンヴィクトソード』ぉ!』

    『ひ、ヒイィッ!』

     叫びながら頭を抱えて蹲うずくまったサタンに向けてオルクスは振り上げた剣を静かに降ろしながら言ったそうだ。

    『それが答えだ! 偽物めがっ! 今は殺さないで置いてやろう…… 我が君を見誤った我々自身の愚かさを噛み締める為に…… 去れっ! この紛い物がっ! 貴様がルキフェル様の如き力を手に入れた理由はたった一つしか考えられぬ…… 聖女かその旦那かどちらかが、誠、ルキフェル様のアートマンを引き継いでいたのであろう、若しくは二人で半分づつであろうか…… そして既に命を落とした我が末弟のアートマンは…… あのミユキと言った娘に…… くっ! 見逃してやろうと言うのだっ! さっさと去れぃ! 偽ルキフェルめがっ!』

    『ひれ伏せっ! シヴァッ!』

    『応っ!』

     グッシャアァ! メキメキ…… ゴロリッ!

     シヴァが力いっぱい踏み潰しただけで自称ルキフェルはめちゃめちゃに砕け散り、大きく真紅の魔石をその場に転がしたらしい。

     ラマシュトゥが間髪入れずに叫んだそうだ。

    『『弱体治癒プトゥシ』!』

    『ロングホーンランスっ!』

     パッキーンッッイィーンー!

     いとも呆気なく自称ルキフェル、サタナキアの魔核は砕け散ってしまったそうだ。

     オルクスは呆れた顔で言ったそうだ。

    『あー、やっぱり我慢できなかったかぁー、んまあ、仕方ないな、それでお前等、どうするんだ? あの偽物に忠誠を立てて、我らに滅せられるのか? それとも我らの真の王の忘れ形見、あの二人の子供を守って戦うのか? ゆっくり考えれば良いさ、私の妹弟達の気が長いと思うのならば、な』

     問われたニブルヘイム軍団は一斉に頭を下げてオルクスに言ったそうである。

    『貴方様に従います、純白の魔王、オルクス卿……』

    『宜しい、ならば王子と王女の元へ馳せよう、着いて来い!』

     その後、怒り狂ったトシ子ツミコ、リョウコ、リエ、光影達に従ったアムシャ・スプンタとニブルヘイム軍団の活躍によって、三回前の周回より二年先、二回前より一年後、アスタとバアルの軍団は駆逐されてしまい、無事(?)、現時点から四年後に世界は滅亡を迎えたそうだ……

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    拙作をお読みいただきありがとうございました!

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