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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1199.漆黒のヘルム


     昨日見た通り、広場の中央辺りに進んだレイブは静かに魔石の山を地面に下ろして周囲を窺っている。
     ゴブリン達は四方に多数ある巣穴から顔を出してこちらの様子を注視している様だ。
     
     ギラギラと光る大き目の瞳が中々の迫力である。
     ただし、昨日と違って中々近付いては来ない、何故だろう?

     レイブ自身もそう思っているのか、やや訝しそうな表情で周囲の光る目を見回している。

    「ん? どうしたゴブリン? 餌だぞ! ほれ、出て来いっ! 美味しい魔石だぞ、ほれほれ! 出て来いよーっ!」

     緊張しながらも目一杯の笑顔で呼びかけるレイブの声に、ジワジワと顔を暗がりから覗かせたゴブリン達の顔も又、僅わずかでは無い緊張に包まれている様だ。
     そして、判で押した様に揃えた口元の涎は止め処なく流れ続けている。

     作り笑顔を引き攣らせるレイブに対してグフトマからの声が届く、多分に焦りを含んだ声だ。

    「レイブっ! これを被れっ!」

    「え? は、はいっ!」

     叫びと共に投げ込まれたのは、前日の餌やりにグフトマとホブゴブリン達が揃って被っていた黒い木製の帽子? ヘルメット的な物であった。

     それを軽くジャンプして受け取ったレイブは素直に頭に被せて着地を果たした。

    ――――うわあっ!

     声に出さずにギリギリ心中で叫んだ言葉も無理は無い。
     跳躍の直前には巣穴の出口付近にしかいなかったゴブリンが一瞬で自分の直ぐ側まで肉薄していたのだ。

    「下がれっ! ステイっ! ステイだ、ほらっ! ハウスっ! ハウスハウスっ!」

     続けて叫ばれたグフトマの声にジワジワと下がるゴブリン達。
     視線を逸らす事無くゆっくりと下がる姿は猛獣そのもの、鋭い爪や剥き出された牙はレイブをたじろがせるのに充分過ぎる代物であった。

     一瞥した限り十数頭の緑色の野獣達。
     その頭上を越えてレイブの前に銀色の光が一条、次の瞬間に姿を顕したのは鋼体術で十二本の角を生やしたグフトマの姿であった。

    「下がれぇっ!」

     再び叫んだグフトマの声を合図にしたかの様に、一斉に巣穴近くまで逃げ戻るゴブリン達。
     周囲に油断無い視線を走らせながらグフトマはレイブに言う。

    「うっかりしてしまい済まなかった、そいつを被っていれば大丈夫だろう、念の為、ゆっくりと出口に向かってくれ、ゆっくりとだ、良いな?」

     初めて至近距離で見たニンゲンのモンスター、ゴブリンの迫力にすっかり気圧されてしまったレイブは、無言のままで数回頷くと、指示に従いゆっくりと出口に向かって歩み始める。

     進路の先に居たゴブリン達はレイブを、正確にはレイブが被った木製のヘルムを避けるように道を空けている、その姿を見たレイブは思ったのである。

    ――――そうかっ! このヘルムがゴブリンに襲われない為に必要なんだな! って、太師匠、被ってないじゃないかぁっ!

     いや、被るも何もあんな角塗まみれでは不可能だろうが……



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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