メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【1904話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

    1904.不随意

     優れたヴァミス、いや、山本ヴァミス五十六いそろくのアドヴァイスを受けてギレスラは更なる動きを見せる、元帥閣下の思いが通じたのか?

     ギレスラはゆっくりと横を見た、指摘に従って右手や右翼を動かすのではなく、彼から見て左側、応援しているレオニード、パダンパ、ヴァミスの方向へ、少しだけ首を動かして確かにそちらを見、そして少しだけ笑みを見せたのである。

     多分だが、自分に向かって必死に口や体を動かしている一団の気持ちに出来る限りのお返しをしたのでは無いだろうか?
     想像に過ぎない推測だがはっきり判った事もある、やはり聞こえていないらしい…… 横を向いた時、確かに見えたのだ、彼の左目の後ろ、内耳ないじの辺りがしとどに濡れていた事が、鮮血で……

     恐らく未体験の高速で投げ出された事により、急激な気圧の変化とかがどーこーしたとかの影響だと思われる、やはり無茶だった様だ。

     兎に角。
     首を動かした瞬間、ギレスラの首はへし折れた。
     左側を向いた形のままで、長めの首の中心が、新鮮なアスパラの新芽みたいにポキっと行って、続けざまに頚骨の全てがボキボキと先を争う様に折れ曲がり続けたのである。
     げに恐ろしきは空気の抵抗圧力、そーゆー事だろう。

     哀れ、左に偏って首を曲げたギレスラは崖の手前で衝突を避ける僥倖ぎょうこうを得た。
     応援団は口々に彼を褒め称えた。

     曰く、

    『あー逆のまんま、っすねぇ……』

    『ああ、我等の指示には従ってはくれなかったな…… 残念だよ……』

    『寧むしろわざと逆に行ったのかも知れんぞ? ニーズヘッグは孤高の戦士、とかなんとか聞いた気もするからな? 我等の声が煩わしかったのかも…… いやっ、煩わしかったのだ!』

    『えー何かがっかりっすねぇ』

    『五月蝿うるさいなぁ、とか?』

    『だろうな…… 彼は孤高の戦士、なんだろうさっ!』

    『最低っす!』

    『うん…… 折角ぅ、なあ?』

    『立派な物だな、伝説の竜種様とやらはぁっ!』

    『嫌な感じっすね』

    『ケッ!』

    『我等とは違うんじゃないか? ほら、身分? とか』

     ギレスラの評判は地に落ちた。

     反して肉体は左に緩やかに旋回を果たし、グラムランドの顔周りをクルリと一周してどう言う具合か更に上昇した、これぞ奇跡だ。

    『むう……』

     首を力なくぶら下げたままのギレスラの思いがけぬ見事な飛翔に、竜王グラムランドは巨大な体を伸ばしてその姿を目で追いつつ唸る。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
    Copyright(C)2019-KEY-STU

    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ