メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1687.怒りのツボ


     神とは言えやはり魔神だ、動かない全身の骨や臓器にまで浸み込む様な声音はカーミラの排尿ペースを一層加速させる、もうビシャビシャだ。

     味方は話せる、そのスキルの縛りで対象外らしい親子は各々言葉を発する。

    「仰せの通り、一点の曇りも無きご判断、お見事でございます」

     親父は相変わらずブレ無いが、息子の方は少し判り易い反応だ。

    「お言葉ですが我が君、彼の者達の罪は無知故の過ち! 我が君ご自身も先程お赦しの言葉を仰られていたでは無いですか! 一体、何故その様にお怒りになって居られるのです?」

     尤もっともだ、一体どこがイヤイヤポイントに触れてしまったと言うのだろうか。

    『お前の目は節穴かハシュドゥル! このジャリがふん反り返った場所を何と見る!』

    「え? 長いす、ですか?」

    「馬鹿者! 我が君が仰せなのはその下だっ!」

    「え、あ、はい…… 丸い石の台ですが、何でしょう?」

     ハシュドゥルはハスドルバルの名付けの元になった言葉、救いの意である。
     直訳で『バアルの救い』、そんな痛い名前を付けたハミルカルは偉そうな口調で次男に告げる。

    「そんな事も判らんのか、この大うつけめがっ! あれなるは我が君の御兄上君、ルキフェル様を祀る祭壇では無いかっ!」

    「あっ、確かに……」

    『ハミルカルよ、祭壇では無く我が敬愛する兄様の玉座だと思うのだが? 違うか?』

    「仰る通り、どこからどう見ても玉座に違いありません! ハスドルバルっ、どこが祭壇に見えるのだっ、全くお前と言う奴はいつもいつも世迷言ばかりほざきおって! この未熟者がっ! 猛省せよっ!」

    「え………… すみません」

     この魔神と狂信者の副官に仕える事は結構大変で強ストレスな案件で溢れているお家事情だけは充分理解出来た。
     このカルタゴの英雄兄弟、さぞ気苦労が多い日々なんだろうな、同情しかない。

     更にこのやり取りでバアルちゃんが何にグズっちゃったのかも判明したな。
     どうやら大好きなお兄ちゃん、まあ魔神王ルキフェルなのだが、彼を祀った祭壇の丸い石、バアル曰く玉座に低俗な(バアル談)、人間如き(バアル談)が偉そうにふん反り返っていた小便臭い(事実)小娘(事実)にイラついてしまった、そんな感じだったのだろう。

     にしてもバアル、大人気無いなぁ。
     仮にも位階第二位の魔神ともあろう者がたかだか一人の人間のうっかりでそこまで冷静さを欠くとはな…… 情け無い話じゃないかっ!

     神と称され一端の信仰を形作った精神体がね、んな事で自らを失う程怒ったりしたらいかんよー、うん、駄目だねー。
     それも世界最大の神殿とか造って貰っている神様だからね? ガキじゃ無いんだからさっ。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
    Copyright(C)2019-KEY-STU

    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ