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【1817話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1817.乖離って


     災害や戦争、虐待や痛み、時として強烈な自己否定の念から生じるトラウマ、心的外傷は原因となった出来事、その一切をアクセス不能にする事で精神の健全性を維持しようとする事がある。
     当然隔離された領域にある記憶を本人が知る事は出来ない、そりゃそうだ、簡単に知れる様ではそもそも隔離した意味が無いのだから。

     んで、この領域、主に大脳皮質や海馬に当たるのだが、ここに前出の幽霊なんかが入り込む事がある。
     ふらふらしていたら元々の体に酷似した意識の格納場所が見つかった、やったぜっ! 的に入り込んで来てしまうのだ。

    「おおっ! んじゃあるんだな、多重人格!」

     あります。
     ただし、乗り移った人格(幽霊の)はその体を動かせませんよ?

    「なぬ?」

     そりゃそうでしょ、他人の体、細部のRNAが持つ記憶は勿論、部位のサイズから癖、成長や怪我で作り上げた筋力から毛細血管のバイパス、視力からアクセス出来る知性まで違うんだから、動かせたら逆にびっくりでしょ?
     んな事が可能なら脳出血や脳梗塞、頭部外傷なんかで苦労してリハビリしている人なんかがいる訳無いじゃん。

     ましてや外国人だとか遥か昔の人だとか…… 話せないし、ピザとか牛丼とかラーメンとか食べれないでしょ? テレビとか見せたら卒倒しますよ? 普通に考えれば、ね。

     だから断言しよう、もし皆さんの周囲に解離かいり性の障害のせいで多重人格になった、そう主張する人がいて、動作に不自由が無かったり何でも食べてたりシャワーも湯船も何だったら追い焚きまで使っていたり、スマホがどうのこうの、洗浄便座の具合がどーの、その上、外国人風のキャラ設定をして来た場合、そ・れ・は・狂・言・で・す・。

     まあ全てでは無いでしょう、何事にも例外はある訳ですし。

     例えば対象者が夜中の公園で必死に体を鍛えていて、

    「漸ようやく馴染んで来たな…… クフフフ、今少し、か」

    とか呟いていたり、あとは、皆で楽しく宅飲み中に、

    「Qui es-tu?」 ※仏「貴方たちは誰っ!」

    とか突然騒ぎ出したりしたらワンチャンあるかも知れないので注意が必要になる、それは本物っぽいからね。

     大体、入り込んだ幽霊はその体を支配して元からいる意識を追い出そう、若もしくは染め直して自分の物にしようとする、ここら辺はいつの間にか同居している無職の自称友人なんかと同じだろう…… リアルでガチの友達や親戚を総動員して追い出した方が良いだろう、場合によっては警察や行政に相談しても良いかもしれない、急いでっ!

     こんな手を打たず、体を奪われる事を憑り殺される、そう表現するのだ。
     肉体ではなく魂や意識の消失、言い換えれば食われるに等しい惨劇、それが多重人格の未来なのである。
     そうなるともう解離では無く人としてのあり様からの乖離のが近いだろう。

     とまあ、そこら辺の恐ろしさを熟知していたレオニードは迷って出たレイブの成仏を祈った、そうだったのだ。
     しかし、石っぽい質感の顔面になったままのレイブ(幽霊)は消えてはくれ無かった、只々ニヤリとした笑顔を浮かべて闇の中に立ちこちらを見つめているだけだったのである。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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