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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1766.パダンパの渡河


     時を置かずに開始された水練は過酷を極めた。
     具体的には本能的に水を恐れるパダンパの大騒ぎがその殆ほとんどを占める事となった。

     川辺で肢の先端が水に触れただけでギャーギャーワーワー、冷たいだー溺れるだー泣き叫んだ挙句にギャラリーの隙をついて逃げ出す始末、偶然フラッと戻ってきたテューポーンに蹴り戻されて暫しばらくの間メソメソ無為に時間を費やし、お前なら出来る! 自分を信じてっ! ガトの為にも頑張れっ! 的に煽られた結果、覚悟を決めて遂に渡河を成し遂げたのである。

     川はちょっと見で想像したより随分浅かった、ここまでのドタバタを嘲笑う位には……
     だが決して楽勝では無く、寧むしろ当初の想定を覆すほどの困難を極めた、苦行と言って差し障り無い艱難辛苦かんなんしんくに満ちていたのである。

     浅いとは言え、ツンドラの大河、ペンジナの流れは速かった。
     更に悠久の時によって磨かれた底石はつるんつるんに丸かったのだ。

     表面に付着した苔や藻は容赦する事無くパダンパの肉球を滑らせ捲くった。
     生来、脂肪と弾力繊維で構成されるネコ科の肉球には、狩猟の際に自分の気配を獲物に悟らせない為のしのび足、そして狭小な足場でのバランス維持、加えて落下時や高速走行時の衝撃緩和、更に触覚器官や温感センサーとしても活躍するなど、広範で有能な役割が与えられている。

     犬や他の哺乳類に比べ、ネコは転び難い、かねてよりそう感じておられるオーディエンスの方も多いのでは無かろうか?
     これは柔軟な肉球が産み出すバランス保持力、プラス尻尾による補正、全身の関節可動域の広さが特別優秀だからとされている。

     極々稀にスッ転んでいるネコを見掛ける事があるかも知れない、あれはまあ、ふざけて転んでみた、的な事では無いだろうか? きっとそうだろう。
     可愛らしいちゃめっ気も又、ネコの魅力の一つなのだ、だからそう思おう。

     兎に角、ネコは転ばない! そう仮定しても大丈夫なのだ! 凄いぜニャーンっ!

     しかしこれはあくまでも陸上でのお話し、水の中では真逆となる。
     四肢それぞれの肉球で足場の情報、安定度、温度の高低まで把握しようとするネコちゃんは、水中でもその柔軟性を駆使し尽くしてしまうのだ。
     難しく言えば、足裏ベッタリ、フルコンタクトで歩く癖を発揮してしまうのである。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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