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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

    あらすじ・目次 


    第三部 六章

    リベルタドーレス ~解放者たち~

    1633.ヨハンの思い出


     ………………なるほどね、そーゆー経緯だったのか、納得である。
     それであんな感じの、ある種中途半端な悪魔になってしまった訳か、しかもレッサー扱いだし……
     まあ良い、過ぎた事だしな、大切なのはこれから、未来の話だろう。

     ん? あーっ、そうでした、皆さんにご説明を失念していました。
     大変失礼した、心よりのテヘペロを表明したい。

     では、改めてガトの記憶、サタンの悔恨かいこんの思い出をご紹介させて頂く事としよう。

     地下に降りたヨハンは不気味な形状をした金属を見せた。
     黒ずんだその固まりは、所々が泡の様に膨らんだり内側から爆発したかの様な突起が鋭利に飛び出していて、もしも誰かの手による造形物なら、作者の精神状態がかなりヤバイとしか表現出来ない有様であった。

    「何よコレ?」

     サタンの問いは当然だろう。
     ヨハンは答えたが、その内容は意外な物である。

    「こちらが救って頂きたい女性、カーミラさんなのです」

    「は? コレが?」

     悲痛な表情を浮かべてヨハンは事情を話した。

     時は彼がまだ幼い頃に遡っていた。
     その頃の彼は名門中の名門、ブランデンブルク家の長男として、やりたい放題、蝶よ花よとこの世の春を楽しみ捲り、散財と我が儘だけを生きる意味としていた可愛らしい少年だったそうだ。

     当時の口癖は、

    「おいお前、馬になれ」

    と

    「これで貴様は終りだ、無論貴様の一族もな、わははは」

    だったそうである、なんとも清々しい。

     サタンも頷いて先を促していた、確かにコイツにも覚えがある行動パターンだからだろう。
     似た物同士の会話はつつがなく続いた。

     ある時、屋敷に出入りを許されていた商人に、使用人を馬に見立てて散歩をしていたヨハン坊やは声を掛けてあげたらしい、曰く、

    「おい欲深な物売りめが! また父上にいい加減な物を売り付けに来たのだろう! 卑しい輩め、成敗してやる!」

    「め、滅相もありませんっ! 私は領主様に呼ばれて参っただけでございます、どうかお許しを」

    「うるさいっ! 僕に口答えをしたなっ! これで貴様は終りだ、無論貴様の――――」

     割愛しよう。

     殺されては堪らない、そう当然至極な思いを抱いた商人は、最近手に入れたとっておきの品を頭のおかしい少年に差し出して許しを請うたそうだ。

     それは掌てのひらに乗る位の小さな錫スズ製の人形であった。
     つまらなそうに眺めているヨハン少年に、その人形は丁寧な礼をして流暢に語り掛けてきたのだと言う。
     普通ならびっくり仰天、腰を抜かして這い逃げる案件かも知れないが、当観察では当たり前、フィギュアが踊ろうが巨大ロボがビームを発射しようが妙齢の女性が1トンを超過しようが日常茶飯事、慣れっこなのだ、今更である。

     サタンにしても皆さんと同様らしく、ふーん、それが? 的に聞いていただけだ。
     凄いでしょう? そう言わんばかりの勢いでちょっとドヤっていたヨハンはつまらなそうにしながらも話を続けた。



    お読みいただきありがとうございます。
    感謝! 感激! 感動! です('v')
    まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
    皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
    これからもよろしくお願い致します。
    拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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