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Photo by1nin

告りびと【毎週ショートショートnote】

    (だから虫じゃなくて、人間だっつうの)

    ちゃんと通じたかを確認して、栗原家の側から去った。

    木本は『告りびと』の血を継いでいた。『告りびと』は頭の中で思い描いたことを相手の脳内に伝えることができる特殊な能力を持っていた。

    依頼人の川崎は余命宣告された男性だった。小学生時代の親友を言葉で傷つけたことを後悔していて謝りたいとのことだった。

    …

    「喪服、どこにしまったかな?」
    「不幸があったの?」

    「小学校時代の友人が亡くなったんだ」
    「小学校?」

    「実家はど田舎だからさ、近所付き合いが濃密でさ」
    「そうなの」

    「久しぶりに実家にも顔を出そうかと思って」
    「わたしは行かないわよ」

    「大丈夫。俺、一人で行くよ。それにさ」
    「それに」

    「夢を見たんだ」
    「夢?」

    「ああ、亡くなった友人が夢に出てきて謝ってたんだ」
    「なにを?」

    「こびと栗」
    「こびと栗?」

    「俺、背が低いだろ。だから『こびと栗』ってよくからかわれていたんだ」
    「ふ〜ん」

    「虫の知らせってやつかな」

    (410文字)


    裏お題「こびと栗」につづく



    たらはかにさんの企画に参加しています。
    毎週ありがとうございます。

    #毎週ショートショートnote
    #ショートショート
    #告りびと


     
     
    ショートストーリー(というよりは端的に物事を伝える練習)を主に投稿してます。ドイツを一人旅しました。阪神タイガース、埼玉ワイルドナイツ、越谷アルファーズ、浦和レッズのファンです。ラジオを聴きながら、あちこち食べ歩き回ってます。たまに演劇を鑑賞します。21~24時頃に現れます。

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