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月夜の寝ぐせ【毎週ショートショートnote】

    『寝ぐせもいうことを聞かないわね』
    『いいから、はやくなおしてよ』

    『まったく誰に似たんだか』
    『そんなの母さんに決まってるだろ』



    念願のテレビ局に入社して順風満帆の人生を送ってきた。周りからは無能無能と言われ続けてきたが、そんなことは気にしない。

    24時間365日なんでも上司の言う通りに実行すればいいだけだ。俺の出世を妬んでいる奴らは、なぜそんな簡単なことができないのか?

    今回だって上司の言う通りにしただけなのに、なぜ俺が自宅謹慎になったんだ。まあ、そのうちなんとかなるだろうと高を括っていた。

    しかし、連日テレビでニュースを見ていると雲行きが怪しくなってきた。そのうちCMまでもが公共のCMを流し出すようになってきた。かなりやばいことになってきた。

    ずっと部屋に閉じこもっていて、今が昼なのか夜なのかわからない。カーテンを少し開けるときれいな満月が浮かんでいた。月明かりで鏡に映った俺の顔は寝ぐせのついた少年だった。

    「母さん…」

    (410文字)



    たらはかにさんの企画に参加しています。
    毎週ありがとうございます。

    #毎週ショートショートnote
    #ショートショート
    #月夜の寝ぐせ


     
     
    ショートストーリー(というよりは端的に物事を伝える練習)を主に投稿してます。ドイツを一人旅しました。阪神タイガース、埼玉ワイルドナイツ、越谷アルファーズ、浦和レッズのファンです。ラジオを聴きながら、あちこち食べ歩き回ってます。たまに演劇を鑑賞します。21~24時頃に現れます。

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