
小説資料『騎士道精神』
ファンタジー小説を書いていると、「騎士道精神」という言葉に出会うことがあります。
「主君に忠誠を誓う」
「弱き者を守る」
「女性を尊重する」
「卑怯なことをしない」
「名誉を重んじる」
「勇敢に戦う」
こうしたイメージは、騎士を扱う物語では非常によく登場します。
しかし、騎士道とは単純に「優しくて正義感の強い人間になるための教え」だったわけではありません。
騎士道は、中世ヨーロッパの騎士階級と結びついた行動規範であり、軍事的な勇気、主君への忠誠、宗教的な奉仕、名誉、礼節、寛大さなど、さまざまな価値観が組み合わさって形成されていきました。時代によってその内容も変化しています。
小説で騎士を描くのであれば、「騎士道とは何か」を知っておくだけで、キャラクターの行動に説得力を持たせやすくなります。
騎士道とは何なのか
騎士道を簡単に説明するなら、「騎士としてどう生きるべきか」という理想です。
英語では「chivalry」と呼ばれ、もともとは騎士や騎兵階級と結びついた言葉でした。それが次第に、勇敢さや名誉、礼儀正しさといった騎士に求められる行動規範を意味するようになっていきました。
重要なのは、「騎士道」というものが、最初から完成された1つの法律のように存在していたわけではないことです。
時代や地域、身分、宗教、騎士団などによって、重視される価値観には違いがあります。
そのため、小説を書くときも、
「騎士なら絶対にこうする」
と決めつけるより、
「この国の騎士は、何を騎士道と呼んでいるのか」
と考えたほうが、世界観を作りやすくなります。