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書斎派アウトドア司書の冒険読書【南極&北極編】/『ながいながいペンギンの話』『北極のムーシカミーシカ』

    暑い夏こそ、読書で「冒険」に出かけましょう!

    「夏の冒険読書」の連載では、児童文学の名作たちを、
    毎回1冊ずつ紹介してきました。

    ▶️バックナンバーは『夏の冒険読書ガイド』マガジンからどうぞ!

    「夏の冒険」は前回配本でいったん一区切り。

    ……ですが、夏の暑さはまだしばらく続きそうですよね。

    ということで、今回は追加配本として、
    「南極&北極編」をお届けします。

    南極と北極、両極端の涼しさをお楽しみください!
    ……「両極」だけに(笑)。


    南極読書

    『ながいながいペンギンの話』いぬいとみこ(理論社)

    今回は涼しさ重視で選びました。
    何が涼しいって、これは、南極のお話ですからね!

    そこらじゅう、氷だらけです。
    涼しいですよ!! 

    本書は、双子のペンギン、ルルとキキが大活躍する冒険物語です。

    「ルル」といえば…
    そう、「くしゃみ3回、ルル3錠」でおなじみの風邪薬。

    あれ、実はこの物語の主人公の名前からつけられたものなんです。

    また、本書が刊行された翌年(1958年)、
    日本の南極観測隊が「宗谷」で探検に出かけたとき、
    この本も観測隊によって昭和基地へ運ばれたそうです。

    そして、作者のいぬいさんの元へ
    「ペンギン代表ルルとキキ」のサイン入りの便り
    (昭和基地にある郵便局の消印つき!)が届いたとのこと……。

    素敵なエピソードですね。

    「第1回国際アンデルセン賞国内賞」を受賞した名作中の名作。
    オリジナルは理論社ですが、岩波少年文庫にも入っています。

    小学生低学年から自分で読む本として、
    また、読み聞かせにもぴったりな本として、おすすめします。

    こわいものしらずのおにいさんのルルと、おくびょうだけど心のやさしいキキが、力をあわせて危険をのりこえ、たくましくそだっていきます。
    南極に生まれたふたごのペンギンの物語。


    北極読書

    『北極のムーシカミーシカ』いぬいとみこ(理論社)

    同じ作者でもう1冊。
    「第5回国際アンデルセン賞佳作賞」を受賞した、作者の代表作です。

    北極に住む双子のクマ、ムーシカとミーシカの物語で、
    こちらも、あたり一面、氷だらけです。

    楽しいだけでなく、「生きること」の意味まで考えさせてくれる名作です。

    知りたがり屋のムーシカと、いたずらっ子のミーシカは北極グマのふたごのきょうだい。母さんグマが目を離したすきに雪の穴を飛び出したふたりは、たちまちまいごになってしまいます。
    友情、愛、正義を描く、心に残る名作中の名作。


    さて、今回は、南極と北極、
    両極端の涼しさを堪能できる2冊
    をご紹介しました。

    南極・北極に生きるペンギンやしろくまに思いを馳せ、
    地球温暖化についても考えてみませんか。


    おまけ

    今回紹介した2冊の本の共通点は、
    主人公が「双子」であることです。

    実は、作者・いぬいとみこさんの双子ものは、他に2種類あります。


    双子シリーズ第3弾
    『ぼくらはカンガルー』いぬいとみこ(講談社文庫)

    オリジナルの理論社版は絶版ですが、講談社文庫版がKindleで読めます。


    第4弾
    《白鳥のふたごものがたり》シリーズ 全3巻

    ①『ユキとキララと七わの白鳥』いぬいとみこ(理論社)

    ②『ユキのぼうけんホノカのうた』いぬいとみこ(理論社)

    ③『ちいさいナナと魔女ガラス』いぬいとみこ(理論社)

    残念ながら、すべて絶版です。

    同じ中古市場でも、ちょっとプレミア化しているものと、
    安価のものに分かれていますね……


    愛蔵版
    『四つのふたご物語』いぬいとみこ(理論社)

    ここまでにご紹介した、ペンギン・しろくま・カンガルー・白鳥。

    約30年に渡って書き継がれた4組の双子の物語をすべて収録した、
    ブ厚い全1冊の愛蔵版です。

    冒険好き、動物好き、双子好き(?)の方には、特におすすめですよ!
    ……と言いたいところですが、これも残念ながら絶版(涙)。

    ――前回の記事(冒険読書/神秘の島)で、
    (過去に書いた「本の紹介文」が)「約20年のときを経て内容が古くなってしまった」と書いたのは、まさにこの状況のことです。

    20年前は普通に読めた本でも、だんだんと入手が難しくなりつつあるんですね。

    今回後半で紹介した本は、正直マニアックな部類かもしれませんが(笑)、
    『ながいながいペンギンの話』と『北極のムーシカミーシカ』は、
    幼年童話として、オールタイムベスト級の名作です。

    いつまでも、一般書店で、子どもたちが手軽に手に取れる状態であってほしいものです。


    児童文学への思い

    最後に、前回記事に書いた内容と重複しますが、
    改めて、児童文学への思いを。

    私は子どもの頃、多くの本を読んで育ちました。
    「冒険読書」の連載で紹介した本も、夢中で読んだ思い出の本たちです。

    そして、「冒険読書」という企画は、私が30代の頃、子育てをしている時期に、近所の「子どもの本とおもちゃを扱う店」の会報誌に寄稿していたコラムで生まれたものです。

    とはいえ、当時書いたコラムの原稿をそのまま使うことはできませんでした。

    理由は、
    ・時事ネタ、地元ネタが満載だったため
    ・約20年のときを経て内容が古くなってしまったため
    ・当時は字数制限があり全然書き足りなかったため
    ……です。

    気づけば、私も50代になりました。

    今の私が児童文学を紹介するにあたり――

    子どもの頃に夢中で読んだときの気持ちで書くべきか。
    司書として、子育て世代に寄り添う気持ちで書くべきか。
    それとも、大人になった今、もう一度読み返した気持ちで書くべきか。

    いろいろな思いが交錯しますが……

    間違いなく言えるのは、
    私は、今も児童文学が大好きだということ。

    本は、読むたびに新しい顔を見せてくれます。

    子どもの頃の自分にも、
    子育てをしていた自分にも、
    そして、今の自分にも。

    だから私は、これからも児童文学に関する記事を書き続けていきます。

    今後は「冒険」以外のジャンルも幅広く紹介していきますので、
    また、私と一緒に本の旅に出かけていただければ嬉しいです。


    <小学生の頃の読書、児童文学への思いを綴った記事>


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    関西在住。1級FP、独立系司書。50代でFIREを達成し、 何があっても「この先、生きのころー!」をテーマに 自称「マルチ・ポテンシャライター」(多趣味ライター 的な造語)として活動。今まで読んだ5000冊以上の本 から生まれたアイデアをもとに、童心で楽しむ日常 や創作を発信中。

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