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「夜、ひとりで眠る」という自分を守る方法を、作業療法士として考えてみた

    ※youtubeでのポッドキャスト始めました。ぜひこちらも聞いていただけると幸いです。下にスクロールしてもらえるとテキスト版があります。
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    私は今でも、ひとりで眠る。

    妻がいる。子どもがいる。でも家族であっても、誰かと同じ部屋で寝ることが、今でも少し怖い。

    これを人に話すと、たいてい不思議そうな顔をされる。「なんで?」と聞かれる。

    うまく説明できなかった。長い間、ずっと。

    でも最近、作業療法士としての知識と、自分自身の体験を重ねて考えたとき、少しだけ言葉にできるようになった気がした。


    「おかしい」んじゃなくて「敏感」なんだ

    HSPの人間は、感覚処理が人より細かい。

    音、光、温度、他者の気配。そういったものを、脳が無意識に拾い続ける。

    誰かが同じ空間にいるだけで、脳は「この人は安全か」「何か起きないか」と常にアンテナを張り続ける。これは意識してやっているわけじゃない。自動的に、反射的に起きることだ。

    だから、誰かと同じ部屋で眠ることが「休息」にならない人がいる。

    体は横になっていても、脳は休んでいない。他者の存在を感知しながら、ずっと低レベルの緊張状態が続く。

    これは「おかしい」のではない。感覚が鋭いゆえの、脳の正直な反応だ。


    トラウマが「安全の感覚」を狂わせる

    もう一つ、正直に話す。

    社会人1年目、毎晩23時まで罵倒され続けた体験は、私の中に「他者=危険かもしれない」という回路を刻み込んだ。

    作業療法士として学んだ言葉で言えば、これは「過覚醒」と呼ばれる状態に近い。強いストレス体験の後、脳が常に警戒モードになってしまうことだ。

    夜、無防備になる瞬間に他者がいることへの恐怖。これは弱さじゃなく、脳が「もう傷つきたくない」と学習した結果だ。


    「回復」とは完璧になることじゃない

    ここで一つ、大切なことを言いたい。

    私は15年経った今も、ひとりで眠る。これは「まだ治っていない証拠」なのだろうか。

    違うと思っている。

    作業療法の世界に「リカバリー」という概念がある。これは「元通りになること」ではない。「その人らしい生活を取り戻すこと」だ。

    ひとりで眠ることで、私はよく眠れる。翌朝、妻に優しくできる。子どもと笑って朝ごはんを食べられる。

    それで十分じゃないか。

    自分を守る方法を知っていること。自分の安全地帯を持っていること。それ自体が、回復の一形態だと私は思う。


    あなたの「ひとりの時間」は逃げじゃない

    人と一緒にいると疲れる。にぎやかな場所から帰ると、ぐったりする。ひとりの時間がないと、自分が保てない。

    そういう人に「もっと社交的になれ」と言うのは、左利きの人に「右手で書け」と言うようなものだと私は思う。

    ひとりで過ごす時間は、逃げでも甘えでもない。自分という存在を充電する、必要な時間だ。

    大切な人と一緒にいたいなら、まず自分を満たすことが先だ。空っぽのまま誰かのそばにいても、お互いが消耗するだけだから。


    今日あなたに伝えたいこと

    ひとりでいたいときは、ひとりでいていい。

    静かな場所に逃げたいときは、逃げていい。

    それはあなたが冷たい人間だからじゃない。あなたが自分を知っているからだ。

    自分の安全地帯を守ることは、わがままじゃない。それがあなたを、長く生かし続ける。
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    作業療法士・15年目。特養勤務。HSP・ISFJ。今日もひとりで、よく眠れました。