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Photo byminimalorder

鬼乃家狂騒曲(Aメロ・Bメロ)

    ♪ ひっとりっと ひっとりが うっでくっめばあ~
    たっちまっち だっれでも なっかよっしさあ~ ♪


    これで何度目だろう。
    私はこんなにもがっちり腕を組んでいるつもりなのに、ピアノとは「なっかよっし♪」になれないらしい。
    ん?ピアノと?
    否、ピアノを奏でる小鬼(またの名を「我が子」)とだ。


    小鬼が「ピアノを習いたい」と言い出したのは、昨年の初夏。
    小鬼の将来の夢は「幼稚園の先生」。
    立派な幼稚園の先生になって、母校(母園?)に舞い戻るらしい。
    幼稚園の先生になるためにはピアノを弾けるようにならなければ…、と、珍しく現実的な思考に至った小鬼は、週に1度幼稚園にやってくるピアノの先生の教室で、ピアノを習いたいと言い出したのだ。

    昨今は習い事の送迎をしなければならない世の中であること、また、ピアノは宿題(練習)をさせるのが大変らしいという前情報を得たことから、年末の私の公務員退職を待って、小鬼は、この1月から念願のピアノ教室に通い始めた。
    練習初回、先生から「1年後に弾けるようになりたい曲を書いてね」と、ピアノ教室用の連絡帳をもらった小鬼。
    帰宅後すぐに「『友達讃歌』を弾けるようになりたい」と言い出し、私は「いいねえ♪」と可憐な奥様ママよろしく素直に書いたのだった。



    これが悪夢の始まりだった。



    翌週、連絡帳の「弾けるようになりたい曲」欄に書かれた「ともだちさんか」を見て、「いいね♪5月のピアノの発表会に弾こうか。小鬼ちゃんならきっと弾けるよ♪」と、先生。
    これで、奥様(私)には選択の余地もなく、発表会の頃には「まだピアノを始めて4ヶ月ほどです…」な小鬼の発表会参加が決定した。
    (小鬼の少し前に始めた子や、昨年発表会の練習に辟易(?)した小鬼のお友達は参加を見送っていた。)


    いや、「1年後に弾けるようになりたい曲」欄やで!?
    片手弾きもおぼつかへん小鬼が弾けるかいな!!


    2ヶ月後、3月。
    とうとう「友達讃歌」の楽譜をいただいてしまった。
    ちなみに、奥様はピアノ教室に通った経験がない。
    つまり、いきなり左右の手の動きが異なる両手弾きなんて、どう練習させたらいいのか分からない。
    わからないまま、わからないないなりに、練習をさせた。
    当然、うまくできるようになるはずもない。

    さらに1ヶ月後、4月。発表会前月。
    「片手ずつ、たくさん練習させてください。手が勝手に動くほどに。」と、先生。


    先生!

    、、、好きになってもいいですか?

    、、、それ早く言ってほしかった!!


    翌日から鬼乃特訓開始。
    右手15回、左手15回を交互に。
    その後、一行(?)ごとを両手で10回ずつ。慣れてきたら両手を通しで10回。
    慣れていなくて、曲のリズム感をつかみながら弾くことができない小鬼のために、意に反して鬼になった奥様が、片手弾きの段階から「友達讃歌」を歌い、それに合わせて小鬼がピアノを弾く…という練習をした。
    これを2週間。


    奥様、2週間、毎日「友達讃歌」を40回以上歌う。

    (階下に両親住んでるゼ。丸聞こえだゼ。)


    もちろん、小鬼も2週間文句なしに練習に耐えられるはずもなく。
    鬼乃特訓が始まってから1週間、意に反してリアル鬼に変身してしまった奥様の怒号が鳴り響いた。 


    もう、ええ!!
    自分でピアノ習いたいって言ったんやろ!?
    自分が弾きたい曲やったんやろ!?
    そないイヤイヤ練習するんやったら、今日はもう練習辞めや!!

    (あくまで「ピアノを辞めろ」とまでは言わない、「今日は」と言う、優しい奥様。)


    もちろん、小鬼は大号泣。
    スタエフで練習風景をライブ配信していたら、間違いなく放送事故になったことだろう。

    この日以降、小鬼はやや真面目に練習に取り組むようになり、先生の練習アドバイスを受けてから2週間で、発表会に間に合ったといえるほど、見違えるほどに上達した。

    ふう、やれやれ…。
    これでもう、私が歌うこともなく、1日10回ほど通しで練習させていたらいいか…。
    いやはや、大変やったけど、発表会に出させるのと出させないのとで、上達スピードも全然違ってくるんやろな…。


    と、少し感動した矢先…。


    「じゃあ、次はハンドベルの練習をしようか♪」
    「じゃあ、次は歌の練習を…♪」
    「おうちでも練習してきてね♪」


    …そうだった。
    こちらのピアノ教室、発表会では、ハンドベルと合唱もするんだった…。
    (小学2年生以降は、オカリナ又はリコーダーもついてくる。) 


    ということで、発表会までの最後の10日間ほど、「友達讃歌」の10回の練習に、ハンドベルと歌の練習が加わった。

    鬼乃家にはハンドベルがないので(当たり前)、小鬼には100均で購入したマラカスを持たせ、奥様はエアーで、先生がメール送信してくれた音源(「モアナと伝説の海」メドレー)に合わせて「ルネッサーンス!!」する。
    歌は、当日小鬼は楽譜なしで歌うため、曲調だけでなく、歌詞も覚えさせなければならない。


    奥様、10日間、毎日「犬のワシントン」を10回以上歌う。

    (階下に両親住んでるゼ。丸聞こえだゼ。)


    いやはや、ピアノ習わせてる親ってすごいな…。
    音大行かせるまでの親ってすごいな…。
    「おかあさんといっしょ」の うたのおにいさんと おねえさんの親ってすごいな…。
    ピアニストの親ってすごいな…。
    音楽一家って…もう言葉にならんわ…。

    奥様、発表会前日に、疲労困憊、敗北感。(何に敗北したんや…。)
    そしてnoteに逃避行。(←今ココ。)
    小鬼は特段緊張もなく、ひととおりの練習を終えてのんきにお店屋さんごっこを始めている。

    これまで、たくさん練習を頑張った。はず。
    小鬼も奥様も。
    小鬼のドレスもアイロンでキレイにした。
    あとは明日の本番に備えてたくさん寝る。だけなはず。


    ぜえ、ぜえ……😮‍💨
    #なんのはなしですか


    (小鬼はめっちゃ労われるけど、誰か奥様のことも労ってほしい…🥺)



    📷トップ画像お借りしました。ありがとうございます。




     
     
    note路地裏の星読み師。NLP心理学も受講中。 不定期更新。 しょうもないけど少し笑える日々のエッセイ、西洋占星術や心理学を織り交ぜたエッセイを書きます。 「ちょん界隈」名付け人。

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