
毛布を被った月(シロクマ文芸部)
月を見るようになった、今日この頃。
「今日はまん丸お月様が見れる日だから、夜に見ようね」
そう息子と約束した。
けれど、その日は一日中曇り空。
夜になっても、月は見えないだろうなと思っていた。
夕飯を終えると、
「月、見よう」
息子がそう言うので、あまり期待せずにベランダへ出た。
やっぱり空は曇っている。
「今日は見えないね」
そう思った次の瞬間、
「雲の隙間から月が見える!綺麗だね」
息子の声。
見上げると、雲の隙間から、まん丸の月がほんの少しだけ顔を出していた。
雲に隠れては、また少し顔を出す。
そのたびに見える月が、なんだかとても神秘的に見えた。
「今日の月は、毛布を被ってるんじゃない?」
息子がそう言った。
なるほど。
今日は雲の毛布をかぶっているのか。
たまに顔を出してくれるからこそ、
「見えた!」と嬉しくなる。
そんな夜も、わるくない。
息子と一緒に見上げた、雲の毛布をかぶったまん丸のお月様。
なんだか、忘れたくない夜になった。
シロクマ文芸部さんの
お題で書きはじめるnote企画に参加させて頂きました。
よろしくお願いします。
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