
絵本を「読み聞かせ」るのではなく、「子どもと一緒に読む」
日本語絵本・英語絵本の読み聞かせ・選書のプロフェッショナル、一般社団法人こえとえほん日英絵本読み聞かせ協会のかわのまさみです。

(こちらは一昨年に掲載したニュースレター記事を、再編集したものです。)
2024年10月15日。
昨日、訃報が入りました。
絵本作家で児童文学者、中川李枝子さんがお亡くなりになったということ です。89歳でした。
中川李枝子さんは、妹の山脇百合子さん(2022年逝去)と、『ぐりとぐら』シリーズのを手がけられた方です。姉が文を、妹が絵を描 くという姉妹合作絵本で多くの子どもたちの目を輝かせてきました。

あなたももしかしたら、子どもの頃に読んでもらった記憶があるかもしれ ません。
それもそのはず。
『ぐりとぐら』は昨年、刊行60周年を迎えた、超ロングセラー絵本なんです。実は白状すると、私自身は中川李枝子さんの大ファンというわけではないので、現在も全ての作品を読んだわけではなく、娘が幼児の頃にもっていたのはこれだけです。

(『ぐりとぐらのあいうえおと1‧2‧3』なかがわりえこさく やまわき ゆりこえ∕福音館書店)
義母が買ってくれた時、「ああ、ちょっとくらい持ってたほうがいいよね。」くらいの感覚でした。
ところが、子どもが3歳の時でしょうか。
図書館で『ぐりとぐら』を借りて読んだときに、その言葉のリズムに、びっくりしたんです。
「ぼくらの なまえは ぐりとぐら このよで いちばん すきなのは おりょうりすること たべること ぐり ぐら ぐり ぐら」
楽しい呪文のように感じて、くりかえしたくなりました。
そこまで何度も読んだわけではないのに 、私も、現在10歳の娘も、いまだに「そら」で言えてしまいます。
カステラが焼けるほくほくのイメージや、
はなしの終わりかたの秀逸さを、よく専門知識をお持ちの方々が解説されていますが、私が感じたのはこの1点。
「声は記憶にのこる。」
絵や物語の魅力もさることながら、耳に残るリズムがあるから、この絵本 は、大人の皆さんが「あ、この絵本知ってる!」と声を上げる絵本なので しょう。

謹んでお悔やみ申し上げるとともに、
ここで中川李枝子さんが遺された言葉をご紹介します。
「読み聞かせ」ではなく、子どもと一緒に読む。
中川さんは、保育園で17年間子どもたちと過ごした経験があるのですが、保育の現場にいるなかで、「絵本や物語が嫌いな子は一人もいなかった」とおっしゃいます。
「もし嫌いな子がいるとしたら、大人の与え方が下手だったのでしょう。よほどつまらない本をあてがわれ、うんざりしてしまったとか。」
この後に、お母さんもワクワク一緒に楽しめる絵本を選びましょうね、と いうニュアンスのことを書かれています。
なかなか鋭い指摘で、耳の痛い話だと感じる方もいらっしゃるでしょうが、私も同意見です。
読書家になるかどうかは別として、子どもの時から絵本や物語が好きでない子なんていないと思います。
だから。
さぁ!また今日から、
子どもと一緒に絵本を楽しみましょう。
あなたの声でお話を聴けることを
子どもたちが待っています。