
The Backroomsの話。
あと一時間半で私は映画を見に行く。噂のThe Backroomsだ。だからこの時点で安心してほしい。この記事には一切のネタバレなどないことを。
この映画自体、私はぶっちゃけよく知らない。でもなんとなく面白そうだと思った。実は、私はそもそも映画に全く明るくない。そして好きな映画の話になると私はすごく恐縮する。
え、アルマゲドンが一番好きってそんなに悪いことですか?
私は「コハクシスさんの心の映画はなんですか?」と聞かれるたび、堂々と「はい!アルマゲドンが大好きです!」と答える。そしてその度に冷や水をぶっかけたような腐った笑いを浴びてきた。
なんだあの「あっ・・・(笑)」みたいな妙な間は。
今でこそ「冷笑系」とか言われているが、私からするとふざけるなと思う。こちとら何年その視線を味わってきたか、少しは考えてから言って欲しい。
なぜだか知らないが、アルマゲドンにはやたらとアンチが多い。そして、うちの妻がその筆頭だ。まず、ストーリーが単純で展開がすぐに予測できるらしい。え、それって色んな作品を観てきた人だからこそ言える言葉ですよね?少年漫画の王道展開に文句言うなら、ドラゴンボールにもケチをつけるんですか?と言いたくなる。
また、演出が臭いとも言われる。例えるならジャンクフード、マクドナルドのチーズバーガーとか。いやいや、チーズバーガーうまいでしょ。私はマクドナルドに行ったら確実にチーズバーガーを頼む。そりゃ季節によっては月見だとか、フェアメニューに浮気することはあっても、結局一番うまいのはチーズバーガーでしょ。何をふざけたことを言ってるのか分からない。
どこの誰がやってるか知らない、よく分からんアメリカンダイナー崩れでこれまたよく分からんハンバーガーを2,000円出して食べるくらいなら、私は迷わずマクドナルドのチーズバーガーを選ぶ。もちろんケチャップをドバドバかけて、口の周りはベッタベタ。
んで、それをコーラで流し込む。最高だろう。チーズバーガーを喉に詰まるくらい口の中に押し込んで、それをあの炭酸にぶち当てるだけで脳汁がドバドバ溢れ出す。
もう何度観たか分からないがアルマゲドンを観ているとき、私はいつもそういう気分になる。特に最高なのは──いや、やめておこう。初上映からもうすぐ三十年。金曜ロードショーなどでも繰り返し放映されており、もはや一度も観たことのない人類など存在しないかもしれない。しかし、それでも万が一のことを考えると、やはり私にあの感動を奪う権利などどこにもないのだ。
話が大きく逸れてしまった。まあこんな具合で私と妻の映画の趣味は全く合わない。というか、嗜好全般が合わないと言ってもいい。
実は、妻は今日の昼に台風のなか一人でThe Backroomsを観に行った。なぜ今日かというと、近所のイオンシネマは月曜日だと安いのだ。しかし子どもも一緒に連れていける映画でないので、私たちはバラバラで観に行くことにした。
夕方ごろ、妻が帰宅した。私はムスメと折り紙などをして遊んでいた。妻との約束、それは映画の内容に関して一切口にしないこと。帰宅早々私は妻の顔を見た。見事なポーカーフェイス。お互いに、〝何もない〟を装って、少し遅めの夕飯を取る。
ふと、妻がカツレツを摘まみながら、口を開いた。
「そういえば夜だけど、雨、強くないといいね」
私はその言葉で全てを察した。恐らく妻にはこの映画は合わなかったのだろう。俄然私は興味が湧いてきた。しかもこの落胆ぶり。最高だ。間違いなく私にド刺さりすること確定だ。
上映開始まではもう少し時間がある。それまでに、絶対お手洗いは済ませておく。
