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Photo bytarohanamana

カウンセラーの日常52:心を整えるということ

    先日、ある相談者さんからこんな質問を受けました。

    「カウンセラーは日々重い悩みに向き合っていますが、ご自身のメンタルはどう保っているのですか? ストレス発散はどうしているのですか?」

    少し意外な問いでした。
    これまで、あまり深く考えたことがなかったからです。

    たしかに、表面的なことでいえば、ジョギングをしたり、お酒を飲んだり、料理をしたり。そういった時間が、気分を切り替えるきっかけにはなっています。

    ただ、あらためて振り返ってみると、もっと大きな要素は「環境」にあるように感じました。

    カウンセラーとして17年。
    今は個人で仕事をしていますが、33歳までは会社員や教員として、組織の中で働いていました。

    その頃と今とで、何が一番違うか。
    それは、人間関係です。

    会社員時代は、飲み会が多く、気の合わない上司とも付き合わなければなりませんでした。
    正直なところ、それが大きなストレスでした。

    だからこそ、「飲まないとやっていられない」という気持ちになり、気づけば飲みすぎてしまう。
    記憶がなくなるまで飲んだことも、一度や二度ではありません。

    そして、そのしわ寄せは、家族に向かっていきました。

    飲みすぎる。
    関係が悪くなる。
    そのストレスをまた飲み会で発散しようとする。

    そんな悪循環の中に、知らないうちに入り込んでいたのです。

    本来、一番大切にしなければならないはずの家族を、大切にできていなかった。
    でも当時は、そのことに気づく余裕すらありませんでした。

    今振り返ると、やっと見えてくることです。

    現在は、わずらわしい人間関係がほとんどありません。
    その分、家族との関係も落ち着き、穏やかな時間が増えました。

    だからなのか、以前のように強いストレスを感じることも少なくなりました。

    気づいてみると、私にとっての「ストレス発散」は、特別なことではなかったのかもしれません。
    家族と穏やかに過ごすこと。
    それ自体が、心を整える時間になっていたのです。

    ただ、これはあくまで私の場合です。

    組織で働くことそのものが悪いわけではありませんし、人との関わりの中で力を発揮できる人もたくさんいます。

    私自身が、たまたま組織の中での働き方にうまく適応できなかった。
    だからこそ、個人で働くという選択をした――それだけのことです。

    もし組織の中で充実している人がいるなら、それはとても素晴らしいことだと思います。

    どんな働き方が正しいかではなく、
    どんな環境が自分に合っているか。
    そこが大切なのだと思います。

    あの頃は外にばかり発散の場を求めていましたが、今は、いちばん近くにある大切な関係が、自然と心を支えてくれている。

    そう思えるようになりました。

    心を整えるというのは、何か特別なことをすることではなく、自分がどんな環境に身を置き、誰とどんな関係を築いているのか。

    そこに目を向けることなのかもしれませんね。

    「心のストレッチルーム」
    前田泰章

    #日記 #日常 #自分らしさ #カウンセラー #心理カウンセリング

     
     
    心理療法の物語作家|会社員→教員→18年間カウンセラー|相談6000件以上|相談室で出会った心の変化を物語に|著書は台湾でも翻訳出版|毎朝7時ごろ更新📢執筆の裏側、前田の頭の中、ときどき日常|相談室「心のストレッチルーム」は⇒https://www.kokoro-str.jp/

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