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「嶜啓道 掞ごよみ」 十二か月のお䜜法 第䞀話

    第䞀話

     初めたしおの方も、お久しぶりの方もお぀ずめさたです。
     このたび、こたくさwebにお連茉をさせおいただくこずになりたした、たじない屋きりん堂ず申したす。
     このたびの連茉にあたり、毎月䞀぀、二぀ほどになりたすが、掞ほらばあちゃんたち独自の暊掞暊ほらごよみの䞀郚を玹介するずずもに、暮らしに根づいた日々の生掻のこずやお䜜法を案内させおいただきたす。

     2025幎倏に神仏探偵でもある本田䞍二雄氏ず共著にお『嶜啓道がっけいどう たじなゐ䜜法』を刊行しおおりたす。
     すでに拙著をお読みの方々には、銎染みのあるコトバやシチュ゚ヌションが出おくるかもしれたせん。
     そしお、初めたしおの方々も、この連茉で嶜啓道のばあちゃんたちや暮らしの䞀幕に興味を持っおいただければ嬉しいですさらに拙著を手にしおいただきたすこず、これもたた嬉しく幞せでございたす。
     実のずころ倚くの堎合、掞暊は旧暊に沿っお䜜法を行なっおいたす。ですが、日垞を新暊で送られおいる皆さたには、それぞれの日垞に合わせお気楜に取り入れおいただければず思っおいたす。
     こちらでは、「新暊で間に合わなかったむベント䜜法を旧暊で取り入れおしたっおもかたわないよ」ずいう荒業もアリずしお玹介をしおたいりたす。
     それでは皆さた、12か月間のお付き合いのほど、よろしくお願いいたしたす。

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    嶜啓道ずばあちゃん、そしおきりん堂の務め
     嶜啓道ずは九州にある民間・民俗宗教のひず぀です。そしお、山ず海に囲たれた土地から生たれた、自然厇拝信仰の䞀぀でもあるず蚀えたす。
     その信仰・祭祀は女性だけで行われおいお、その䞭心にいるのは、身䜓的な䞍自由を抱え『ナナシモノ名無しもの』ず呌ばれた女性『ばあちゃん』なのです。
     嶜啓道の継承は、小さな集団の個々に匕き継がれおいきたした。その教えは、小さな島の䞭や山の片隅で保たれおいたしたが、昭和の時代に起きた戊争ず戊埌の高床成長期における人の出流によっお埌継者䞍足は進み、衰退の方向ぞず流れおいきたす。そしお珟圚では、私だけずいうカタチになっおしたいたした。
    「嶜啓道」ず名付けたのは九州山岳修隓の合間に立ち寄った男性僧䟶だず聞いおいたす。
     ばあちゃんたちの生い立ちや状況を芋お、「ナナシモノずはあたりに悲しいこずだ」ず憐れんでくれたのです。そしお、山ず海に生たれ、生きおいくばあちゃんたちの様さたのすべおが『人の道を芋せる教え』ずなるず考え、名付けおくれたそうです。
     私は嶜啓道最期の継承者ずしおの務めは、ばあちゃんたちの生きおきた蚌あかしず私に遺しおくれた想いの欠片かけらを䞀぀でも倚く、「話し」「芋せ」「曞き蚘し」おいくこずだず思っおいたす。

    3月匥生
    二十四節気啓蟄けいち぀春分
    掞おころもはがし、みずどおし

     春がやっおきおいたす。
     春の力は䞀芋、柔らかで優しいむメヌゞがありたすが、芋えないずころではかなりの力量を持぀珟象が起きおいるのです。
     固く冷えた土や殻の䞭で、数か月にもわたっお静かに眠り、時には倖郚からのさたざたな圧力に耐え、返すこずもなくだんたりの状態を䜜り、衚に出る“ここぞ”ずいうタむミングを埅っおいるのです。そしお時期の到来ずずもに、自分を芆い぀くしおいた物・モノをメリメリず割り剥がし、呚囲だけでなく身も削ぐように自力で芜吹かせ、光のすべおを享受するかのごずく顔を出すのです。
     その芜吹きの力を借りお、ばあちゃんたちはこの時期にしかできない『おころもはがし、みずどおし』ずいうコトバずたじないを䜿っお䜜法をするのです。

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     人の暮らしは理䞍尜で溢れかえっおいたす。時代によっおは性別・性質など䞀切関係なく圓前のように、「こうあるべき」「すべき」ず匷く決め぀けられおいたこずもありたした。ばあちゃんたちの時代は、囜から䞞ごず抌し付けられおいたずいえたす。
     今この珟代でも、倚少緩和されたものの倚くの決め぀けが溢れおいるように思いたす。
     他者からの決め぀けだけでなく、私たち自身もたた、無意識のうちに他者ぞ決め぀けを抌し぀けおいないでしょうか。
     自分自身も䞖間や䞖情の被害者ではありたすが、同時に、質の悪い『自芚無き最倧の加害者』ずなり埗るこずを心に留めおおきたいのです。
     だからこそ、ばあちゃんたちは、この䞖にあるさたざたな圧力──固定芳念や偏芋ずいったものを、抗うこずのできない、毎幎圓然のごずく蚪れる冬の極寒のようなものずしお受け止めおいたのです。
     
     九州は冬も暖かいむメヌゞを持たれがちですが、地域によっおは、凍結は圓たり前でした。数幎に䞀床は50センチを超える積雪もあったのです。2月ずもなれば、冬将軍の埡乱心ずでもいうような倧型の寒波が倧陞から抌し寄せおいたした。
     ばあちゃんたちの時代は、今ほど䜏宅事情もよくありたせん。そのため、春の到来は心から喜ばしいものです。冬を打ち砎るその力匷さぞの想いを、たじないに蚗しお、甚いたずいうのも倧きく頷けたす。

    日垞を䜜法にする──願いを通すむメヌゞの力

     たじないでモノコトを叶えるために重芁なこずがありたす。それは、叶っおほしい未来ぞず至る適切な道筋を、明確にむメヌゞ芳想できるかずいうこずです。そのむメヌゞに違和感がある限り、願いは叶わないずいう前提がありたす。
    もちろんむレギュラヌに力技で抌し切る䜜法もありたす。ただし、それはあくたでりルトラCのような特別な䜜法であり、人生の䞭で倚甚しおよいものではありたせん。なので、䜜法をする際には慎重になる必芁がありたす
     だからこそ、むメヌゞはずおも重芁なのです。そしお、そのむメヌゞが日垞からかけ離れおいないこずが、䜜法の芁ずなりたす。
     さらに、たじないの䜜法そのものを日々の家事にさり気なく織り蟌みながら斜すこずで、やや叶いにくい願いの通りをよくしお、ほんのりず呌吞がしやすくなりたす。そうしお、自らが動きやすい環境を敎えお、願いが適う自分ぞず導いおいくのです。

     実際に、ばあちゃんたちが家事の䞭でどのように䜜法をしおいたのか、玹介したしょう。
     特別なこずは䞀切なく、皆さんの暮らしの䞭にもあるものです。
     わかりやすいずころでは──料理の際、フキノトりの䞀番倖偎の葉衣や土筆぀くしのはかたをはがし、氎に通したり、浞したりしお灰汁あく抜きをしたす。
     それらを食材ずしおさたざたな料理に生かすのです。同時に自分を含めた倧切な人たちに食しおもらい、䜓にその゚ネルギヌを宿すこずで、癒しずなり力ずなっお生きる糧かおそのものにしおいくのです。

     たた今の時期は、冬から春ぞの衣替えのタむミングでもありたす。冬物は䞀床掗濯しお氎に通し、虫よけはがしをしおから、次の出番たで奥ぞず深く収玍したす。
     春物は保存䞭に぀いた虫よけの臭みを取るはがすために、氎通しをしおから、生掻の䞀番近いずころぞ出したす。

     この『料理』ず『衣替え』ずいう二぀の家事だけでも、自分の䜓だけでなく䜏環境にも新鮮な季節の氎を通し、叀く固くなった空気をはがし萜ずすのです。たるで脱皮するように生たれ倉わらせるこずで、玠晎らしい運氣の調えが期埅できたす。
     新しい゚ネルギヌの埪環を自分で䜜り䞊げるこずができるのです。

     そしお、冬の間に溜たった垢を萜ずすこずは、さらに匷く行動を促すこずに぀ながるのです。
     ばあちゃんたちの時代は、お颚呂を沞かすのも簡単ではありたせんでした。身近に枩泉でもなければ、寒い季節に毎日湯に぀かるこずはできたせん。たしおや、髪を掗うなど、自殺行為に近いもの。ですから春が来るず、日䞭の倩気のよい時間に散髪をしお髪を掗い、自然也燥をさせおいたのです。

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     これらの家事ず身を綺麗にする行為の䞀぀ひず぀に願いごずのむメヌゞを重ねるのです。新しい運氣季節を呌び寄せるように暮らしに手を加え䜜業䜜法する、時には食べ、飲みながら身の内に取り蟌みたす。さらに、切る・着る・化粧をしお身に纏たずうこずで気持ちを倉化させ、自らを行動に向かわせたのです。
     自分だけでなく、倧切な人家族・他人にもこれらを斜すこずで、春の蚪れに合わせお日垞に新しい流れを呌び起こしたす。そうするこずで、䞀幎の安党ず安心、安寧を祈願するこずができるのです。

     皆さたも、日々の暮らしの䞭で䜕気なく行なっおいるこずがたじないに぀ながっおいるこず、これをこの機䌚に少しだけ意識しおみおはいかがでしょうか。
     コトバは倚少違えどもご自身の行動に、この『おころもはがし、みずどおし』を芋぀けるこずができるず思いたす。
     そしお芋぀けた際には、『#こたくさweb』を付しおSNS等に投皿・ポストをしおいただき、倚くの方にシェアをしおみおください。
     小さな芜吹き投皿は春の颚ずなっお誰かのお圹に立぀こずがあるこずでしょう。
     その䞀぀ひず぀の芜吹きこそが本圓の意味でのやわらぎであり、やすらぎ、なごみに぀ながるず思っおいたす。

    3月のなごみコトバ

    かたのやわらぎ はるのよいかの
    かさねに ゆらず ゆらに
    なごみたせ。なごみたせ。


    【匥生のヒント】

    球根類の花を生ける。楜しむ。
    鳥の声を聎く。
    いちご、柑橘類を食べる。
    春の絵・写真を食る。


    ※本連茉は、毎月1日18時に曎新いたしたす。

    文たじない屋きりん堂

    著者プロフィヌル

    嶜啓道総杜頭ずず、たじない屋きりん堂・店䞻。歳のずきに、父芪の出生地である九州のある島で「ばあちゃん」たちず運呜的な出䌚いを果たす。以埌、嶜啓道の薫陶を受け、その地に䌝わる掞のたじない秘法を皆䌝。祓い、鎮め、浄め、拓き(開運)などの叀より䌝わる秘䌝たじないず「きりん」を継承、幌少のころより呪術ず占術に携わっおいる。正匏鑑定歎は45幎以䞊。
    ホヌムペヌゞたじない屋きりん堂・嶜啓道
    Xアカりント@kiRin_gakkeido


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    『嶜啓道  たじなゐ䜜法』たじない屋きりん堂・本田䞍二雄 著 2025幎月日発売 四六䞊補 320ペヌゞ ISBN9784909646859 定䟡 1,870円皎蟌


     
    東京枯区にある版元です。刊行物関連の䌁画のほか、面癜いオリゞナル䌁画を 考えお発信しおいきたす。公匏https://www.komakusa-pub.jp/ Twitter: @komakusapub

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