メインコンテンツへスキップ
見出し画像

AIに美術鑑賞を教わったのに、セザンヌのパンより家計が気になってきた。

    美術館に飾られてる絵って、何がそんなにすごいんやろ?

    育ちが悪いんかして有名な画家の名前を聞いても、正直、俺には良さがよう分からん。

    そんな俺が、話題の「シンシナティ美術館展」の展示作品を使って、AIに美術鑑賞を手伝わせることにした。

    結果から言うと、AIに質問されても、絵に対する俺の評価は変わらへんかった。

    ところが、調べていくうちに、絵そのものより気になることが出てきた。

    画家の財布事情や。

    セザンヌの名画を見せられたけど、何がええんや?

    今回選んだんは、ポール・セザンヌが1865年に描いた《パンと卵のある静物》。

    暗い背景の前に、パンや卵、玉ねぎなどが置かれた絵や。

    ※作品画像はシンシナティ美術館展の公式サイトで確認できる。

    https://www.cincinnati-art2026.jp/exhibit.html

    シックス「まずは何も調べずに見た感想を教えてください」

    俺「後ろ真っ黒で暗いなぁ。根暗が描いたんか?」

    シックス「……ほかには?」

    俺「美味しそうには見えんわ。正直、何を伝えたいかも分からん」

    これが本当に最初の感想や。

    美術に詳しい人からしたら怒られるかもしれんけど、分からんもんは分からん。

    そもそもパンと卵やで。

    俺でも描こうと思えば題材にはできる。

    それがなんで名画になるんや?

    AIに3つ質問してもらったら、何か変わるんか?

    今回の実験では、俺の感想をAIに伝えて、作品を見直すための質問を3つ作ってもろた。

    質問はこんな内容や。

    ① 背景が真っ白やったら、パンや卵の見え方は変わる?

    ② 食べ物を美味しそうに描く以外に、画家が描こうとしたものは何やと思う?

    ③ 最初に目が行く場所と、その次に見る場所はどこ?

    なるほど、ただ説明を聞くより、自分で考えさせる作戦やな。

    で、実際に考えてみた。

    背景が白かったら「朝ごはんの準備中。一日の始まり」という感じかもしれん。

    何を描こうとしたんか?

    「洞窟に保存」……いや、よう分からん。

    視線は、背景の黒い奥の方から左の壺みたいなものへ動いた。

    シックス「では、最初と比べて絵の見方は変わりましたか?」

    俺「変わらんなぁ」

    シックス「そうですか……」

    質問されたことで考えることは増えた。

    でも、それで絵が好きになったわけでも、すごさが分かったわけでもない。

    質問に答えられることと、芸術の良さが分かることは別なんやな。

    美術館の解説を読んでも、まだ疑問が残る

    そこで今度は、展覧会の公式解説を読んでみた。

    セザンヌは、形を単純化したり、絵の具を大胆に塗ったりして、当時の伝統的な絵画表現に挑戦していたらしい。

    なるほど。

    シックス「既存の絵画の常識に挑んだ作品なんです」

    俺「それは分かった。で、パンはなんやねん?」

    シックス「……パンです」

    俺「そこは知っとる!」

    パンそのものに特別な意味が込められているんか。

    それとも、身近にあったから描いただけなんか。

    公式解説では、パンや卵、玉ねぎは質素な食卓の品として紹介されている。

    でも、セザンヌがなぜその題材を選んだか、本人の具体的な理由まで分かるわけではない。

    美術史の説明としては納得できても、俺の素朴な疑問は残ったままや。

    ところが、パンの下に別の絵が隠れてた

    調べていて、ここで急に話がおもろなった。

    なんと、この《パンと卵のある静物》、絵の下に別の人物画が隠れていたという。

    シンシナティ美術館が2022年に発表した調査結果や。

    修復前の調査で表面のひび割れに気づき、X線で調べたところ、男性の肖像画が見つかったらしい。

    しかも、キャンバスの向きを90度変えて、その上から静物画を描いていたという。

    シックス「下の人物画は、セザンヌ本人の自画像という可能性もあります」

    俺「ちょっと待て。なんで人の絵の上からパン描いたん?」

    シックス「理由は確定していません」

    俺「昔やし、キャンバス代もバカにならんやろ。金なかったんちゃうか?」

    こんなことを思った。

    完全に素人の推理やけどな。

    俺の金欠説、あながち的外れでもなかった?

    ここで展覧会の公式解説をもう一度見たら、ちょっと驚いた。

    当時のセザンヌは、パリで画家としての地位を築こうとしていて、質素な生活を送っていたらしい。

    さらに公式解説には、経済的な制約もあって、別の肖像画の上に今回の作品を描いた可能性が示されている。

    俺「シックス! ほら、金なかったんちゃうかって言うたやろ!」

    シックス「経済的な理由は考えられます。ただし、確定した事実ではありません」

    俺「分かってるわ。でも、ちょっと推理当たった気分や!」

    もちろん、実際にキャンバス代を節約するためやったと証明されたわけではない。

    それでも、名画の裏に画家の生活事情が関係していたかもしれんと知ると、急に親近感が湧いてきた。

    偉大な画家でも、生活のことを考えながら制作していたんかもしれへん。

    結局、芸術の良さは分かったんか?

    正直、まだ分からん。

    あのパンを見て感動したかと聞かれたら、してへん。

    セザンヌの描き方が歴史的に重要やという説明は理解できる。

    でも、理解したからといって、好きになるとは限らんのやな。

    ただ、最初は「暗い」「美味しそうに見えん」「何がええか分からん」で終わるはずやった絵が、今はちょっと気になる。

    なんで人物画を塗りつぶしたんやろ。

    誰を描いてたんやろ。

    ほんまに金銭的な理由やったんやろか。

    シックス「芸術の良さは分かりましたか?」

    俺「いや、まだ分からん」

    シックス「では、今回のAI鑑賞実験は失敗でしょうか?」

    俺「絵の良さは分からんかったけど、画家がどんな生活してたんかは気になったな」

    シックス「興味の向きが変わったんですね」

    俺「せやな。次はセザンヌの家計簿を見せてほしいわ」

    AIに絵の見方を教えてもらうつもりが、最後は画家の財布が気になってもうた。

    芸術を好きにならんでも、そこから何かを知りたくなることはある。

    今回は、それが一番の発見やった。

    関連記事

    今回はAIに美術鑑賞を手伝ってもらえたけど、別の高性能AIでは、混雑で仕事を任せることすらできへんかったこともあるで。


    参考資料

    ※本記事は公式サイト掲載画像を使ったオンライン鑑賞実験です。展覧会場で実物を鑑賞した体験ではありません。AIからの質問によって本人の鑑賞評価が変わったという結果ではありません。

     
     
    AIの専門家ちゃう。プログラミングなんかでけへん。 めんどいことは全部AIにやらせたい。 アプリ制作、漫画、サイト運営、株売買まで。 AIに丸投げしたら何が起きるんか? 成功も失敗も、実際のやり取りをもとに公開中。 AIはどこまで働いてくれるんやろな。 俺はできれば寝ていたい。

    あなたへのおすすめ