
夫婦の価値観⑦|目的のない時間が好きな私と苦手な夫
皆さんは、
目的のないぼーっとした時間を楽しめますか。
私はわりと得意な方だ。
休日にカフェでのんびり過ごす。
何となくテレビを観る。
特に買う予定もないのにぶらぶら歩く。
休みの日に「今日は何をするの?」と聞かれたら、
「何もしない時間を楽しむ」くらいに思っている。
一方、夫は
昔から目的のない行動が苦手だ。
例えば買い物。
私は特に欲しいものがなくても、いろいろなお店を見て回る。
雑貨屋をのぞき、本屋に入り、洋服を見る。
疲れたらカフェに入ってゆっくりする。
その中で思いがけず素敵なものに出会えたらうれしい。
でも夫は違う。
「今日はこれを買う」
と決めたら、そのお店に向かって一直線。
そして無事に買えたら、
「目的達成。帰る?」
となる。
「え、せっかく来たのにもう帰るの?」
と思うのだが、夫にとっては
目的のない寄り道にあまり魅力を感じなかったそうだ。
カフェも同じだった。
私はカフェでぼーっとするのが好きだ。
コーヒーを飲みながら外の景色を眺めたり、
本を読んだり、考え事をしたり。
何もしない時間そのものを楽しむ。
でも昔の夫は、
「カフェで何するの?」
と思っていたらしい。
のんびりする意味が分からない。
何をするわけでもない時間の楽しさが分からない。
常に何かをしていないと落ち着かない。
そんなタイプだった。
当時は、
「どうしてそんなに休まず動けるんだろう」と
不思議だった。
振り返ると、
その背景には夫なりの大変さもあったのだと思う。
夫はいつも何かを考えていた。
仕事が忙しい時は特にそうだ。
休日でも頭の中では仕事のことを考えている。
常に脳が動いていて、なかなか休まらない。
管理職になってからは睡眠障害にも悩み、
眠るために毎日薬を飲んでいた時期もあった。
眠い。
寝たい。
それなのに眠れない。
そんな状態だったそうだ。
一方の私はというと、
いつでもどこでも眠れる。
布団に入ればすぐ眠るし、朝までぐっすりだ。
夜中に目が覚めることもほとんどない。
そんな私を見て、
夫はうらやましいと思っていたらしい。
結婚してから、
一緒に過ごす時間が増えた。
特に何をするわけでもなく、
テレビを観たり、カフェで過ごしたり、
休日にゆっくり散歩したり。
そんな時間を重ねる中で、
夫の過ごし方も少しずつ変わってきた。
昔なら目的のお店だけ行って帰っていたのに、
今ではふらっと別のお店に立ち寄ることもある。
たまたま入ったお店で
気に入ったものを見つけて購入することもある。
以前なら考えられなかったことだ。
週末にNetflixをいっき見して休日を過ごしたり、
カフェで景色を眺めながらのんびりしたり。
そんな過ごし方も楽しめるようになった。
そして最近は、仕事の状況にもよるが、
睡眠薬を飲まなくても眠れる日が増えてきたそうだ。
もちろん、それが私のおかげだとは思っていない。
ただ、
夫が少しだけ肩の力を抜けるようになったのだとしたら、
それはうれしい。
昔の私は、夫を見て
「もっと休めばいいのに」と思っていた。
でも今は、それだけではないことも分かる。
夫は夫なりに、目標に向かって努力を続けてきたからこそ、
今の仕事やキャリアがあるのだと思う。
私はそんな夫から、
頑張ることの大切さをたくさん学んだ。
たくさんアドバイスももらった。
そして夫は、
何もしない時間の心地よさや、
目的のない時間の楽しさを少し知ったのかもしれない。
夫婦になるというのは、
自分にはない価値観に出会い、
少しずつ世界を広げていくことなのだと思う。
どちらが正しいわけでもない。
頑張ることも大切。
休むことも大切。
目的に向かって進む時間もあれば、
寄り道を楽しむ時間があってもいい。
不思議なもので、
何かを必死に考えているときよりも、
ぼーっとしているときの方が
良いアイデアが浮かぶことがある。
仕事で行き詰っていたことの解決策を
急に思い付いたり。
一度考えることをやめた時に、
脳のどこかで整理が進んでいるのかもしれない。
これからも、
その時々で頑張ったり、ゆっくり休んだり、
お互いの良いところを少しずつ分け合いながら、
ふたりの”いいとこ取り”で
仲良く暮らしていきたい。