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暮らしの森|境界と始まりの朝

    朝が静かにほどけていく。
    私はいつものように窓際の椅子に腰掛け、
    一冊の本を手に取る。

    ゆっくりとページを開くと、視界がやわらかく揺れ、霧の向こうに細い石畳の道が現れる。

    左右に並ぶ木々が、まるでトンネルのように道を包み、その奥へと続いていく。

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    ここは──
    この世界と『暮らしの森』をつなぐ、
    境界のような場所。

    本を開いた時に現れる、森への入口だ。


    光のトンネルを進むと、向こう側の木の根元に『モコ』がいた。

    寝ぼけ顔でしゃがみ込み、朝露に濡れた葉っぱを、ぼんやりとひっくり返している。

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    小さな風が吹き抜け、葉がカサカサと鳴る。

    モコは顔を上げて、少しだけ目を細めた。

    変わらない朝の光。
    変わらない風。

    ◆

    私はそっとページを閉じた。
    紙の手触りとともに、森の光景が遠ざかっていく。

    黒猫のキキが「ニャア」と寄り添った。

    森は息づき、今日がまた始まる。

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    「暮らしの森」を見守る管理人🌳 1話2〜3分の小さな連作。森の住人たちの日常に、家事・暮らしのヒントや小さな発見を混ぜて綴っています。 人とのつながりが物語になり、歩いた足跡が森の地図になっていく。 読む場所ではなく、帰ってこられる場所を目指して🕯️

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