
介護ではパソコンスキルは不要なのか? 必須ではないが覚えて損はないし、業務改善につながる可能性もある
介護職でもパソコンスキルはあったほうがいい
介護未経験で入職してきた方の中には「介護でもパソコンを使うのですね」と困惑されることがある。と言うのも、介護の仕事はオムツ交換や入浴介助、食事介助といった肉体仕事しかないと思ってたからだ。
介護でもパソコンを使う場面はある。それは面接時などに事前に伝えているが、いざタブレット端末も含めた記録システムなどを目の当たりにすると萎縮してしまう。
特にこれまでの職場や自宅でパソコンに触れる機会が少なかった新人スタッフはそうなる。これは中高年層と思われがちだが、スマホ中心の時世において若い人でも珍しくない。
そのため、スキルによっては記録システムの操作とは別枠で、その人のためにパソコン講座を開催することもある。
これに対して「紙じゃダメですか?」「パソコンだけ他の人にお願いできませんか?」といったことも要望される。もちろん不可能ではない。しかし、特に代理で作業するスタッフが負担になってしまう。
・・・このようなパソコンに苦手意識のあるスタッフは介護現場には少なくない。「パソコンをするために介護の仕事に来たのではない」と言いたくなる気持ちもわかる。
しかし、介護職でもパソコンスキルはあったほうが良いと考えている。
DX化が進む介護業界でパソコンが使えておいて損はないはずだ。
介護におけるパソコンスキルとは?
では、介護職でパソコンで何ができればいいか?
何を覚えておけば良いか? どこまで使えれば損はないか?
結論から言えば「キーボード入力で文章作成できる」だ。
あとはプリンタで印刷できれば十分である。
別にエクセルで表を作ったり関数を扱えなくてもいい。また、文章作成といっても長文まで求めてない。せいぜい「本日受診、定時薬に変更なし」くらいの文量ができれば十分だ。
「そのくらいでいいの?」と思われるかもしれないが、そのくらいでいい。
また、カタカタカタっターン!!とタイピングできなくてもいい。あまり時間がかかるのも困るが、大切なのは内容の正確さである。
キーボード入力方法はかな入力でもローマ字入力でも何でもいい。本記事では入力の勉強法は割愛するが、検索すればたくさん出てくる。
そうそう、キーボード入力ができればインターネットで検索するにしても、ChatGPTなどのAIでアイディア出しするにしても楽になる。
スピードは二の次として、キーボードで入力できるだけで仕事の幅も増えるし、紙への記入作業の削減にもなる。タブレット端末の補助もできる。
スマホやタブレット端末があれば十分?
上記でタブレット端末という言葉が何回か出たが、今や訪問系でも施設系でも介護では、介護サービスの提供記録、バイタルや排泄などの管理のためのデバイスは普及している。オンライン前提でスマホアプリやクラウドサービスだって当然のようにある。
このような話になると、「スマホやタブレット端末のほうが使いやすい」「スマホやタブレット端末があるならパソコンはいらないじゃん」と突っ込みが入る。実際、新人だけでなく既存スタッフからも言われる。
確かに数字やチェックへの入力などの最低限の入力端末、および登録情報を簡単に確認する目的だけならば、スマホやタブレット端末で十分である
しかし、介護記録に限らず、システムと呼ばれるものの多くは中核にパソコンが存在している。例えば、物流システムでもハンディ型スキャン機を使っているが、その先の本社で集約・管理するとなるとパソコンを用いている。
詳しい話をすればそれをパソコンと呼ぶには適格ではないのかもしれない。それでも、現場ではスマホやタブレット端末などの現場で直接用いる機器の先には、現場とは違った目的からパソコンを用いて行う作業があることは確かである。
これはスマホやタブレット端末などの現場用機器では全体を完結できないのではないということもあるが、目的に応じて各機器を「使い分け」しているのであり、その目的を果たす1つにパソコンがあると考えていただきたい。
内容によってはスマホやタブレット端末でも作業できるかもしれないが、パソコンがあったほうが都合がいいというだけのこともある。
身近で持ち運べるデジタル機器に頼ることも良いが、パソコンを覚えておいたほうが仕事の幅が広がるという意味はこういう視点からもお分かりいただけたら嬉しい。
パソコンスキルは業務改善にもつながる
本記事でお伝えしたのは、介護現場におけるパソコンの必要性という側面から「パソコンスキルはあって損はない」という話をしてみた。
もちろん、このような話をしたところでパソコンに苦手意識があったり、興味はあったけどパソコンに触れる機会がなかった人たちの顔が明るくなるとは思えない。
しかし、多少でもパソコンスキルを身に着けておけば、その職場においてプラスになる。それは個人のスキルアップが全体の効率化になるという話もあるが、「職場内でパソコンスキルがあるスタッフの業務負担を減らせる」ということもお伝えしたい。
冒頭でパソコンに苦手意識のあるスタッフが「パソコンだけ他の人にお願いできませんか?」と要望すると伝えたが、ここで言う他の人はパソコンスキルがある人である。
パソコンスキルがある人は、パソコンが苦手な人から「これ代わりに入力しておいてください」とか「パソコンのやり方教えて」などと日常的に言われがちである。
最初のうちは存在価値や評価につながるので喜んで引き受けても、その人も同じ介護スタッフなので介護業務の合間にそのような対応も追加するとなると負担になるのは目に見えている。それは職場として解決すべき問題だ。
となると、その職場で誰もが最低限の入力作業をできるようになって、代理作業や基本的な質問が減るだけで業務改善になる、という話になる。
――― 介護現場におけるパソコンスキルの有益性に関する話をすると長くなるので今回はここまでとするが、もしもパソコンに苦手意識がある方が本記事を読んで一考いただく機会になれば幸いである。
ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた