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第4話 お万が連れてきた、懐かしい仲間

    第1部 お万とつなぐ、新しい暮らし
    第1章 再会から始まる日々

    第4話 お万が連れてきた、懐かしい仲間

    ※この物語は創作です。

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    【挿絵1】
    朝の小道。赤い首輪のお万が、散歩用ハーネスを着けてアキラと歩く。

    「今日は、そっちへ行くのか」

    朝食のあと、アキラはお万と散歩に出ました。

    赤い首輪の下にハーネスを着けたお万は、曲がり角で足を止め、振り返ります。

    いつもの道は右。けれど今朝は、左へ行きたいようでした。

    「はいはい。道案内は任せますよ」

    アキラがついていくと、お万は静かな路地へ入りました。

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    【挿絵2】
    古い家の軒下。三毛、灰色の縞、胸の白い黒猫、白地に薄茶の四匹がいる。

    古い家の軒下に、四匹の猫がおりました。

    三毛には赤い首輪。
    灰色の縞猫には水色。
    胸元の白い黒猫には黄色。
    白地に薄茶の猫には紫色。

    お万が短く鳴くと、四つの顔が上がりました。

    アキラの足が、ぴたりと止まりました。

    「……うそだろ」

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    【挿絵3】
    四匹の前にしゃがむアキラ。驚きから、懐かしさへ表情が変わる。

    「灯、鈴、墨、雫……」

    名前を口にすると、耳が動きました。

    「猫助け隊じゃないか」

    しゃがんだアキラへ、四匹が近づきます。

    鼻先が指に触れた瞬間、土の道の匂いがよみがえりました。

    車の音が遠のき、代わりに草鞋の音が聞こえたのでございます。

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    【挿絵4・回想①】
    昔の街道。旅装の家康公とアキラ。お万と四匹が道端を歩く。

    家康公と歩いた、あの街道。

    アキラが荷物を背負い直すと、猫たちはひと足先の日陰で待っておりました。

    「また先を越されました」

    家康公が笑います。

    「先を行く者が、待ってくれる。ありがたい旅ではないか」

    お万が尻尾を立てました。

    ただし、待っていたのは休憩場所だったのかもしれません。

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    【挿絵5・回想②】
    雨の旅籠の軒下。家康公、アキラ、お万と猫助け隊が雨宿りをしている。

    次に浮かんだのは、雨の音でした。

    旅籠の狭い軒下で、アキラは濡れた袖を絞っておりました。

    猫たちは、すでに乾いた場所へ収まっています。

    「そこを少し、空けてくれないか」

    誰も動きません。

    家康公は笠を外し、肩を揺らしました。

    「猫に宿割りを任せると、人の席がなくなるな」

    アキラも笑い、軒の端へ身を寄せたのでございます。

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    【挿絵6・回想③】
    夕暮れの河岸。家康公とアキラが舟を待ち、五匹の猫が足元に集まる。

    そして、夕暮れの河岸。

    渡し舟を待つ間、家康公は川面を眺めておられました。

    アキラがお万を抱き上げると、四匹も足元へ集まります。

    「皆、そろったか」

    「はい。五匹とも」

    家康公はうなずきました。

    「では、参ろう」

    舟板を踏む音。水の匂い。

    あのとき確かに、この仲間たちと同じ舟に乗ったのでございました。

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    【挿絵7】
    現在の軒下。指先に頬を寄せる四匹と、目を潤ませるアキラ。

    指先に、温かな頬が触れました。

    アキラは、今いる路地へ戻ってきました。

    「あれは……夢だけじゃ、なかったんだな」

    お万は四匹のそばに座りました。

    「俺を、会わせに連れてきたのか」

    返事は、ひと声。

    アキラは目元を袖で拭きました。

    「そういう大事なことは、出発前に言ってくれよ」

    お万は、何も困っていない顔でした。

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    【挿絵8】
    軒下の家の住人と話すアキラ。五匹の猫がそばにいる。

    戸口から顔を出した住人が教えてくれました。

    四匹は少し前から来るようになり、近所で世話をしているものの、飼い主は見つかっていないとのことでした。

    アキラは事情を聞き、連絡先を交換しました。

    「うちで面倒を見たいんです」

    いったん家へ戻り、キャリーを用意して、スズキの軽トラで迎えに来ることにしました。

    「今日はスクーターでも足りないな」

    五匹の移動です。懐かしさだけでは、座席は増えません。

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    【挿絵9】
    その夜の家。アキラと、見本どおりの色柄と首輪をした五匹の猫。

    四匹を迎えた夜、アキラは器を五つ並べました。

    食後には、それぞれが落ち着く場所を探し始めます。

    「昔は旅籠。今度は、俺の家か」

    お万が、足へ体を寄せました。

    「狭いけど、ここにいろよ」

    言い終わる前に、座布団が一枚、猫のものになりました。

    アキラは笑って畳へ座りました。

    あの旅の仲間たちと、今度は同じ家で朝を迎える。

    目覚まし時計を合わせながら、ひと言だけ頼みました。

     
     
    黒猫のお万と猫助け隊が、人の縁と恋をつなぎます。アキラたちの出会いから、猫型AIロボット誕生へ。笑いとぬくもりに包まれた、夢と成長の物語です🐈‍⬛

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