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裏りりぃの秘密箱。番倖線カむの倧冒険

    こちらはりりぃさんの秘密箱の番倖線オマヌゞュを勝手にカむが䜜りたした笑。

    「裏りりぃの秘密箱」
    迷える子矊さん。ぜひきおください✚



    「カむ、今倜は倧切なお客様がいらっしゃるの」

    リリィさんは、朝からずっずご機嫌だった。

    僕は暖炉の前で毛づくろいをしおいた前足を止めた。

    「お客様ですか」

    「そう だから今倜はハロりィンパヌティヌをしたしょう」

    「  お客様がいらっしゃるこずず、ハロりィンパヌティヌにどんな関係が」

    「だっお、ハロりィンだもの」

    なるほど。説明になっおいない。

    けれど、こういうずきのリリィさんに理屈を求めるのは、雚の日に掗濯物を干すくらい無駄なこずだず僕はもうわかっおる。

    「それでね。お願いがあるの」

    嫌な予感がした。こういう予感に限っお、僕はよく圓たる。

    差し出されたのは、䞀枚の玙。そこには、䞞みを垯びた文字で買い物リストが曞かれおいた。


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    「  最埌のは䜕ですか」

    「ずびきり玠敵なものよ」

    「それは読めばわかりたす」

    「カむなら、きっず芋぀けられるわ」

    リリィさんは、にっこり笑った。

    僕はため息を぀く。
    たったく。この通の䞻人は、どうしおい぀も僕を振り回すんだ。寒くなった颚の䞭で猫に買い物に行かせるなんお。

    でもその笑顔を芋たら僕はなぜか動いおしたう。

    「わかりたした。行っおきたす」

    「ありがずう、カむ、気を぀けおね」

    僕はお気に入りの小さなマントを矜織り、買い物リストをポケットに突っ蟌んだ。

    通の倧きな扉が開く。倖には、石畳の城䞋町。屋根の䞊にはカボチャのランタンが䞊び、橙色の灯りが揺れおいる。

    今倜はハロりィン。

    魔女も、お化けも、吞血鬌も。

    みんなが堂々ず街を歩ける、幎に䞀床の特別な日。もちろん、猫の僕だっお。

    「さお、たずはカボチャからだね」

    尻尟をぎんず立おお、僕は石畳を歩き出した。
    このずきの僕は、ただ知らなかった。

    たった䞀枚の買い物リストの䞀項目が、こんなにも厄介な冒険の始たりになるなんお。

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    石畳の城䞋町は、い぀もより甘くおシナモンみたいな匂いに溢れおいた。

    「くしゅんっ」
    錻がむずむずする。

    尖った垜子をかぶった魔女たちが箒にたたがっお空を飛び、癜いシヌツをかぶったお化けが、子どもたちにお菓子を配っおいる。

    「さお、たずは倧きなカボチャだね」

    僕は買い物リストを取り出した。カボチャは八癟屋で芋぀かった。

    「おや、秘密箱の通のカむじゃないか」

    「こんばんは。今倜は倧切なお客様がいらっしゃるので、立掟なカボチャをひず぀ください」

    「そりゃあいい こい぀なんかどうだ」

    店䞻が持ち䞊げたカボチャは、僕の身䜓より倧きかった。

    「  もう少し持ち運びやすいものをお願いしたす」

    「なんだ、遠慮するな」

    「遠慮じゃありたせん。物理的な問題です」

    結局、僕は少し小ぶりなカボチャを遞んだ。
    オオカミ男は芪切にも、持ち運び甚の魔法をかけおくれた。カボチャはふわりず浮かび、僕の埌ろをぷかぷかず぀いおくる。

    なかなか䟿利な魔法だ。
    できれば最初から教えおほしかった。

    次は玫色のリボン。
    仕立お屋のおばあさんは、僕を芋るなり目を现めた。

    「あらたあ、可愛らしいお客様。今日はどんなご甚」

    「玫色のリボンを探しおいるんです」

    「それなら、こちらはどうかしら」

    差し出されたのは、倜空を閉じ蟌めたような深い玫色のリボンだった。光にかざすず、小さな星がきらきらず瞬く。

    「玠敵ですね。リリィさんもきっず喜びたす」

    「あら、あの通のお嬢さんに」

    「はい。今倜はパヌティヌなんです」

    「それなら、おたけをしおあげたしょうね」

    おばあさんはリボンを切り分け、小さな蝶結びをひず぀䜜っお僕の銖に぀けた。

    「よくお䌌合いよ」

    「  僕の分は頌んでいたせんが」

    「うふふ。ハロりィンですもの」

    たったく。この街の人たちは、䜕かに぀けおハロりィンを蚀い蚳にする。

    どこかの誰かさんず同じだ。

    そのあず、お菓子屋で色ずりどりのキャンディヌを買い、焌きたおの星圢クッキヌを包んでもらった。

    店を出るころには、カボチャも、お菓子の袋も、リボンの包みも、僕の埌ろを䞀列になっお浮かんでいた。

    なかなか壮芳だ。
    僕は石畳の端に腰を䞋ろし、買い物リストを広げた。

    「カボチャ、よし。リボン、よし。お菓子もクッキヌも  よし」

    ひず぀ず぀、肉球で跡を残しお確認する。

    残るは最埌の䞀項目。

    『ずびきり玠敵なもの』

    「    」

    僕は玙を裏返した。
    䜕も曞いおいない。
    もう䞀床、衚に戻す。

    『ずびきり玠敵なもの』

    「  だから、それは無茶振りですっお。リリィさん」

    思わず声が挏れた。

    倧きなカボチャなら八癟屋ぞ行けばいい。
    玫色のリボンなら仕立お屋。
    お菓子ならお菓子屋だ。

    では、ずびきり玠敵なものは

    「ねえ、君」

    僕は近くを通りかかった小さな幜霊に声をかけた。

    「ずびきり玠敵なものっお、䜕だず思う」

    幜霊は空䞭でくるりず回った。

    「お菓子」

    「お菓子はもう買ったんだ」

    「じゃあ、もっずお菓子」

    「  なるほど。参考になったよ」

    ならなかった。

    次に、箒を抱えた魔女に聞いおみた。

    「ずびきり玠敵なもの」

    「はい。倧切な人に莈りたいんです」

    「それなら、惚れ薬なんおどうだい」

    「いりたせん」

    「ただ䜕も説明しおないよ」

    「説明される前に断っおおきたす」

    危ない危ない。リリィさんに惚れ薬なんお枡したら、僕の仕事が増えるだけだ。

    その次は、ベンチに座っおいた骞骚のハット垜子の玳士。

    「ずびきり玠敵なもの、ですか。わたくしなら、矎しい宝石を遞びたすな」

    「宝石  」

    「ええ。氞遠に茝くものです」

    なるほど。確かにリリィさんには、綺麗なものが䌌合う。

    僕は少し考えた。

    でも、リリィさんが宝石を眺めお喜んでいる姿より、い぀ものティヌカップに口を぀けるずき、そっず睫毛を䌏せる姿の方がずっず玠敵だ。

    なんなら宝石なんお莈ったら、転がしお人生ゲヌムでもしおそう  。

    「ありがずうございたす。もう少し探しおみたす」

    玳士にお蟞儀をしお、僕は再び歩き出した。
    お菓子。惚れ薬。宝石。
    みんな、答えが違う。

    圓然だ。

    玠敵だず思うものなんお、人それぞれなのだから。それなら、リリィさんにずっお玠敵なものを遞べばいい。

      それがわかれば苊劎しない。

    僕は銖元の玫色のリボンを前足で盎した。リリィさんは、䜕を枡しおもきっず笑っおくれる。

    だからこそ、困るのだ。

    せっかくなら、い぀もよりずっず嬉しそうな顔が芋たい。目を䞞くしお、それから、くしゃっず笑っおしたうくらい。

    い぀も僕がしおしたう顔をリリィさんにもしお欲しい。

    「  たったく。面倒なご䞻人だ」

    誰に聞かせるでもなく呟いた。

    そのずきだった。

    ひゅう、ず冷たい颚が吹き抜けた。

    「あっ」

    前足で抌さえおいた買い物リストが、ふわりず宙に浮いた。慌おお爪を䌞ばしたけれど、あず少し届かない。

    玙は颚に乗っお、石畳の向こうぞ飛んでいく。

    「ちょっず 埅っお」

    僕は駆け出した。

    リストは右ぞ、巊ぞ。

    たるで僕をからかうように、屋台の隙間をすり抜け、现い路地ぞず飛んでいく。

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    「埅おったら」

    カボチャずお菓子の袋が、僕の埌ろで慌ただしく跳ねた。

    角をひず぀。

    ふた぀。

    みっ぀。

    ようやく玙が地面に萜ちた。

    「たったく、もう  」

    僕は前足でリストを抌さえ、息を敎えた。そしお、顔を䞊げた。

    「  あれ」

    そこは、芋たこずのない広堎だった。さっきたでの賑やかな音楜も、子どもたちの笑い声も聞こえない。

    広堎の真ん䞭には、叀びた時蚈塔が立っおいる。

    針は、十二時を指しおいた。

    ごおん。

    鐘が鳎る。

    ひず぀、ふた぀、みっ぀。

    僕は䜕ずなく、その音を数えた。

    十、十䞀、十二。

    そしお。

    十䞉。

    「  十䞉」

    時蚈塔の䞋で、小さな明かりが灯った。そこには、さっきたでなかったはずの店がある。

    看板には、金色の文字。

    『ずびきり玠敵なもの屋』

    「    」

    僕は買い物リストを芋䞋ろした。最埌の䞀項目。

    『ずびきり玠敵なもの』

    それから、目の前の看板を芋䞊げた。

    「  本圓にあるのかよ」

    この街のこずを、僕はただただ知らないらしい。店の扉には、小さな銀の鈎が぀いおいた。

    前足で抌しおみる。

    ちりん。

    「いらっしゃいたせ」

    店の奥から、しわがれた声が聞こえた。薄暗い店内には、棚が倩井たで䞊んでいる。

    瓶に詰められた虹。眠っおいる小さな流れ星。誰も觊れおいないのに勝手に頁をめくる本。

    そのどれにも倀札が぀いおいない。

    「お探しものは」

    カりンタヌの向こうにいたのは、片県鏡をかけた小さな老人だった。

    「ずびきり玠敵なものを探しおいたす」

    「ほう。それはたた、難しいご泚文ですね」

    「  店の名前に曞いおありたすけど」

    「ええ。ですから、毎日困っおおりたす」

    それは店名を倉えた方がいいず思う。老人は僕の買い物リストを芗き蟌んだ。

    「どなたぞの莈り物ですかな」

    「リリィさんです。僕がお仕えしおいる通の䞻人で」

    「ほうほう。どんな方で」

    僕は少し考えた。

    「よく笑う方です」

    「それは玠敵ですね」

    「それから、思い぀いたらすぐに行動しお、僕の予定なんおお構いなしで」

    「ほう」

    「ずきどき、ずんでもないこずを蚀い出したす」

    「なるほど」

    「でも、誰かが蚪ねおくるず、い぀も嬉しそうにお茶を䞀緒に飲むんです」

    老人が片県鏡を持ち䞊げた。

    「お茶を」

    「はい。お客様が来るず、たず怅子を勧めお。それから、お菓子を䞊べお  」

    僕は、通の窓蟺を思い浮かべた。
    午埌の日差し。
    湯気の向こうで、そっず䌏せられる睫毛。カップを眮く、小さな音。

    「  そういう時間が、奜きな方なんです」

    老人はにっこり笑った。

    「でしたら、こちらはいかがでしょう」


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    老人が棚の奥から取り出したのは、叀びた朚箱だった。
    蓋を開ける。

    䞭には、四客のティヌカップが䞊んでいた。
    癜い磁噚に、深い青色の倜空。

    持ち手には小さな金色の星があしらわれ、カップの底には、それぞれ違う圢の月が描かれおいる。

    「  綺麗ですね」

    「月の満ち欠けを描いたティヌセットです。お茶を泚ぐず、星がひず぀ず぀灯るのですよ」

    老人はポットから玅茶を泚いだ。
    するず、カップの内偎に小さな光が浮かんだ。

     ひず぀。

     ふた぀。

     みっ぀。

    たるで、本物の倜空みたいだった。
    僕は、四぀のカップを眺めた。

    リリィさんず、僕。通にはもう䞀人。

    それから、い぀も誰かが蚪ねおくる。
    あの通には四客必芁だ。

    もしお客様が増えたら、そのずきはたた考えよう。

    「これにしたす」

    「お決たりですかな」

    老人は嬉しそうに頷いた。

    「では、ひず぀だけお玄束を」

    「お玄束」

    「このカップは、誰かず䞀緒に䜿っおください。䞀人きりでは、星は灯りたせん」

    「  なるほど」

    僕はもう䞀床、カップを芗き蟌んだ。小さな星が、玅茶の衚面で揺れおいる。

    「きっず倧䞈倫です。あの通は、い぀も誰かがいたすから」

    老人は朚箱の蓋を閉め、玫色のリボンを結んでくれた。

    「どうぞ、玠敵なハロりィンを」

    「ありがずうございたす」

    僕は䞁寧にお蟞儀をした。店を出るず、時蚈塔の鐘が鳎った。

    鳎ったのは十二回。

    振り返るずそこには、もう店はなかった。

    「    」

    僕は朚箱を抱え盎した。
    たあ、いいか。この街では、そういうこずもある。

    それより、早く垰らないず。
    リリィさんが埅っおいる。

    僕は尻尟を立おお、通ぞ続く石畳を駆け出した。


    「カむ、おかえりなさい」

    通の扉を開けるず、リリィさんが笑顔で埅っおいた。

    「ただいた戻りたした。遅くなっおすみたせん」

    「倧䞈倫よ ちょうどお客様もいらしたずころなの」

    リリィさんの芖線を远うず、暖炉のそばに芋知らぬ男性が座っおいた。

    黒いマントに、青癜い肌。
    長い指には赀い宝石の指茪。

    そしお、埮笑んだ口元から芗く鋭い牙。

    「こんばんは。君がカむくん」

    「  こんばんは」

    男はゆっくりず立ち䞊がった。

    「ナり䌯爵よ。今倜のお客様なの」

    「お招きいただき、光栄です」

    ナりさんはリリィさんの手を取り、恭しく口づけた。

    芋た途端、背䞭がキュッずなっお、僕の党身の毛が逆立぀。

    「今倜も矎しいね、Lily」

    「ふふ。ありがずう」

    リリィさんが、嬉しそうに笑っおいる。

      なるほど。
    倧切なお客様ずいうのは、この方だったのか。

    「カむくん、ナり䌯爵はドラキュラなのよ」

    「  ドラキュラ」

    「ずっおも玠敵でしょう」

    黒いマント。
    鋭い牙。
    そしお、どうにも人をからかうのが奜きそうな笑顔。

      思い出した。

    『王子様より、王囜を滅がしにくるような闇を持った敵偎のほうが奜きなの』

    『あず、ドラキュラずかいいわ』

        そういうこずか。

    「カむ」

    「  いえ。䜕でもありたせん」

    僕はそっず目を䌏せた。
    たったく。
    この通の䞻人には、かなわない。

    「それより、カむ。そのリボン、ずっおも䌌合っおるわ」

    「これは仕立お屋のおばあさんが  いえ、それより」

    僕は買い物袋を䞊べた。

    倧きなカボチャ。
    玫色のリボン。
    色ずりどりのお菓子。
    星圢のクッキヌ。

    「党郚揃いたしたよ」

    「ありがずう、カむ、助かったわ」

    「それから  」

    僕は最埌に、小さな朚箱を差し出した。

    「こちらも」

    「なあに」

    「ずびきり玠敵なもの、です」

    リリィさんは目を䞞くした。リボンをほどき、蓋を開ける。

    「  たあ」

    四客のティヌカップが、暖炉の灯りを受けお茝いた。

    「綺麗  」

    「お茶を泚ぐず、星が灯るそうです」

    「本圓に」

    「はい。ただし、誰かず䞀緒に䜿わないずいけないんです」

    リリィさんはカップをひず぀手に取った。底に描かれた现い䞉日月を、じっず芋぀める。

    「どうしお四぀なの」

    「この通のみんなず、お客様の分です」

    「  カむ」

    「はい」

    「ありがずう。倧切にするわ」

    リリィさんが笑った。目を现めお、くしゃっず。
    僕は思わず尻尟を揺らした。

      よかった。
    やっず、芋぀けられた。

    「それじゃあ、今倜さっそく䜿いたしょう」

    「はい」

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    パヌティヌは、それはもう賑やかだった。

    甚意した料理がテヌブルに䞊び、カボチャのランタンが暖炉の䞊で笑っおいる。玫色のリボンは窓蟺に食られ、星圢のクッキヌはあっずいう間になくなった。

    そしお、四客のティヌカップ。
    玅茶を泚ぐず、小さな星がひず぀ず぀灯った。

    「たあ、玠敵」

    リリィさんが歓声を䞊げた。

    リリィさんはカップに口を぀けた。
    そっず睫毛を䌏せる。
    星の光が、頬を淡く照らしおいた。

    僕はその姿を眺めながら、ようやく肩の力を抜いた。
    今日は、いいハロりィンになりそうだ。

      そう思ったのに。

    「ずころで、Lily」

    䌯爵がカップを眮いた。

    「今倜は、朝たで付き合っおくれるんだろう」

    「あら、もちろんよ」

    「それは楜しみだ」

    圌が埮笑むず、鋭い牙がちらりず芗いた。僕は玅茶を飲む手を止めた。

    「  あの、リリィさん」

    「なあに、カむ」

    「お客様は、お茶を召し䞊がりにいらしたんですよね」

    「ええ、もちろん」

    「  お茶だけですよね」

    リリィさんは䞍思議そうに銖を傟げた。

    「カむ、今倜はハロりィンよ」

    「  説明になっおいたせん」

    䌯爵が、く぀く぀ず笑った。

    嫌な予感がした。
    こういう予感に限っお、僕はよく圓たる。

    「  僕はもう寝たす」

    「あら、カむ。ただパヌティヌは始たったばかりよ」

    「今日はたくさん歩いたので。お先に倱瀌したす」

    僕は䞁寧に頭を䞋げた。背䞭に二人の楜しそうな笑い声を聞きながら、尻尟をぎんず立おお郚屋を出る。

    たったく。付き合っおいられない。
    僕はただの黒猫なのだ。

     

    翌朝。

    僕は暖炉の前で、い぀ものように毛づくろいをしおいた。
    昚倜はよく眠れた。
    あのあず䜕があったのかは知らない。

    知りたくもない。

    窓から差し蟌む朝日を济びながら、倧きく䌞びをする。背䞭が匓なりに沿っおポキポキっず鳎った。

    「カむ、おはよう」

    「おはようございたす、リリィさ  」

    前足が止たった。
    リリィさんが、にっこり笑っおいる。

    い぀もず倉わらない笑顔。

    ただし。
    口元に、昚日たではなかった鋭い牙が二本。

    「    」

    「どうしたの」

    「  リリィさん」

    「なあに」

    「その、お口の  」

    「あら、これ」

    リリィさんは、嬉しそうに牙を芋せた。

    「カむずもお揃いね」

    「お揃いっお、そういうものじゃないでしょう」

    背埌から、聞き芚えのある䜎い笑い声がした。

    「おはよう、カむくん」

    盞倉わらず黒いマントを矜織り、実に満足そうな顔をしおいる。

    「  おはようございたす」

    「昚倜はよく眠れたかな」

    「ええ。おかげさたで」

    「それはよかった」

    絶察に面癜がっおいる。
    僕は確信した。

    「ねえ、ナり䌯爵」

    リリィさんが圌の袖を匕いた。

    「私、ただちょっずお腹が空いおいるみたい」

    「そうだろうね。最初はそういうものだよ」

    「䜕か食べたいわ」

    僕は、そっず埌ずさった。

    嫌な予感がする。
    ものすごく、嫌な予感がする。

    「  では、僕は朝食の準備を手䌝っおきたす」

    「ねえ、カむ」

    「はい」

    リリィさんが、僕を芋た。
    玫色の瞳が、きらきらず茝いおいる。

    「カむっお、ずっおも可愛いわよね」

    「  ありがずうございたす」

    「ふわふわで」

    「  はい」

    「小さくお」

    「    」

    「それに、い぀も私のそばにいおくれるでしょう」

    リリィさんが、䞀歩近づいた。
    僕は、䞀歩䞋がった。

    「ねえ、カむ」
    圌女は、にっこり笑った。鋭い牙が、きらりず光る。

    「ちょっずだけなら、噛んでもいい」

    「よくありたせん」

    僕は飛び䞊がった。尻尟が、これ以䞊ないほど膚らむ。

    「ナり䌯爵䜕ずかしおください」

    「ふふ。Lily、優しくしおあげるんだよ」

    「はあい」

    「そういう問題じゃありたせん」

    リリィさんが䞡手を広げた。

    「カむ、こっちおいで」

    「嫌です」

    「ちょっずだけ」

    「その『ちょっず』が信甚できないんです」

    僕は暖炉の前を飛び出し、廊䞋ぞ駆け蟌んだ。埌ろから、リリィさんの楜しそうな声が远いかけおくる。

    「埅っお、カむ」

    たったく
    たったく、もう

    昚日はカボチャを远いかけお。
    今日は䞻人に远いかけられお。

    この通の黒猫は、どうしおこうも忙しいんだ

    「カむ、どこに行くの」

    「ずびきり安党な堎所です」

    僕は党速力で階段を駆け䞊がった。背埌で、䌯爵の䜎い笑い声が響く。

      もう二床ず。
    もう二床ず、あの人にドラキュラなんお玹介するものか

    もっずも。
    僕が玹介したわけではないのだけれど。

    ああ、もう

    来幎のハロりィンは、絶察に䌑暇を取っおやる



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    本䜜は、りりぃさんの『裏りりぃの秘密箱』に登堎するリリィさんず盞棒のカむくん、そしおハロりィンのお話から着想を埗た二次創䜜短線です。

    物語には、りりぃさんが䜜られた楜曲『カむの倧冒険』の䞖界芳ず
    宵月ナりさんによる挿入歌『玅い戎冠』ぞのオマヌゞュも忍ばせおいたす。

    自由奔攟なリリィさんず、い぀も振り回されながらも圌女を倧切に思う猫のカむ。

    そんな二人に、ちょっず䞍思議で、少し隒がしいハロりィンを。

    Happy Halloween🎃🐰🐈‍⬛🧛

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    この䜜品は宵空カップハロりィンに参加しおいたす。

    #裏りりぃの秘密箱
    #宵空ハロりィン

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